やしょうま
ある日の夜のこと。
「ねぇ、やしょうまたべる?」と私。
「やしょうまってなんだ?」と亭主殿。その後、
「そういえば子供の頃、食べたことがあったような気がする」ってさぁ、この地域で生まれ育ったのに、やしょうま知らないはずないじゃないですか。
「なんであるの?」
「ばあちゃんが仏教系の講演会を聞きに行って、その時のお土産でもらってきたみたいだよ」
やしょうまは、2月15日か3月15日のお釈迦様の命日の仏壇にお供えする上新粉で作られたお餅です。この時期のなると保育園のおやつで出されたり、作ったりします。作り方は上新粉を水でこね蒸して、食紅で色を付けたり豆やゴマ青のりを混ぜて幅5・6センチ長さ20センチくらいのミニ蒲鉾の形にします。その後、菜箸2本を使って凸型にして、再度蒸したものです。店頭に並んでいるものだと、太巻きみたいに模様が入っていたりするものもあります。
私が子供のころから親に聞かされてきたのが、『ヤショ、うまかった』です。おしゃま様がなくなる前にお弟子さんのヤショさんが、お釈迦様に差し上げたところ召し上がって、
「ヤショ、うまかった」と言ってなくなったのが由来だとか。
調べてみるとほかにも、ヤスダラ姫がおつくりになったから食事だからという物があります。またはやせた馬の背中に似ているからってのもありました。
あやふやなことを載せてはいけないと思って、ネットで少し検索してみました。大方は長野の郷土食なのですが、大分には『やせうま』というお麩のおやつがあることがわかりました。他にも、多くの地域で由来が『やせうま』を連想させる郷土食があり、涅槃会や春を告げる行事の関連しているようです。