御神渡り
「御神渡り観に行きたい」
前日ババに、
「明日はじいちゃんが外でお昼を食べてくるから、外へお昼を食べに行こう」と言われていました。お昼を外に食べに行くってことは、暇なんだよねぇ。ってことは、どこでお昼を食べてもいいんだよねぇ。と理解した私は、子供たちが学校に行った後冒頭の言葉をババにいったのでした。
「えー氷がせりあがってるだけじゃん。諏訪は寒いし」と乗り気にならないババ。
「実物見たことないでしょ」
「いいよテレビや新聞で見てるし」との会話を聞いていたジジが
「行ってらっしゃい」の一言で、ババも行く気になってくれたようです。
ジジが外出した後、こちらも出発。グーグル先生によると1時半ほどで着くようです。長野自動車道を岡谷で降りて、頭の中のイメージだけで車を進めていきます。
「岡谷インターから諏訪湖湖畔道路まですぐだと思ったのになぁ」
「そりゃあんた、地図で見ればすぐでも、岡谷の町はあんたが思っているほど狭くないの」
ハイハイそうですね。でも行きたい方向に道がない。インター降りてすぐに諏訪湖まで何キロの看板があったっきり、その後は放ったらかしですか。ナビも何にもないと頼りになるのは自分のカンだけです。建物が何も建っていないところが湖だから、多分こっちと車を進めていうると湖畔道路に到着。ネットで調べた赤砂崎公園を目指します。
「ところで諏訪湖ってどうやって出来たの?」
「諏訪湖はねぇ、あっちに引っ張られこっちに引っ張られ裂けたところに水がたまったのが諏訪湖」だそうです。???伊豆に行ったとき、伊豆がフィリピンから移動してきて推されてできたのが丹沢だと知ったババ。最近は長野県内の地質の話にはまっているらしく、最近諏訪湖周辺の地質の話を知ったばかりだとか。地面が引っ張られてこんなに大きな穴が出来るのですか、自然の不思議です。
なんだか湖畔に人が集まっているところを発見。そのわきには大きな駐車場やら、ドックランやらがみえます。車を止め湖畔に降りると、氷のせり上がりが見渡す限り続いています。すごい。
「これ、男の神様が女の神さんまに夜這いに行った跡なんだよねぇ」
「そういう言い方やめなさい」ハイ、ごめんなさい。
正確には、上社の建御名方神が下社の八坂刀売神に会いに渡った跡という事になっています。近年では、2000年、2003年、2004年、2006年、2008年、2012年、2013年におこっています。長野オリンピックの時に、諏訪で御神渡りがありローカルニュースで大騒ぎしていたのを思えています。寒い日が続き諏訪湖が全面結氷しておこる御神渡り。近年は寒い日が続かず、御神渡りが観測できない「明けの海」なんてことも珍しくなくなりました。
今回だって、5年ぶりですよ。子供たちにだって見せたいとおもって何回も誘ったのです。が、息子は友達と遊ぶのが楽しくて、お姉さんは家から出るのが億劫で、親の誘うには乗ってきませんでした。
赤砂崎公園でひとはしゃぎした後、公園から下社に向かってパンパン。参拝したことにして、湖畔道路を天竜川の始まり釜口水門を通り、上社に向かいました。しばらく行くと、八ヶ岳をバックにきれいに氷のせり上がっている場所があり、臨時駐車全身の看板がみえます。一番の撮影ポイントからかなり進んでから臨時駐車場がありました。まぁ、変なところに停めて地元の方ともめるの嫌ですからねぇ、指定の場所に停めないとねぇ。
近くの信号機の名前は小田井。この場所から見ると向こう岸の温泉街まで氷のせりあがりが続いているように見えます。山好きとしては八ヶ岳バックの風景も捨てがたいけど、スマホで撮影してもいまいちです。スマホにンまいか風景を収めた後、食べ物屋さんを探しました。
何年か前、諏訪湖で養殖したウナギで、寒のウナギとか寒の丑の日で集客を狙っていたことを思い出しました。うなぎの看板も目につきましたけど鰻ってちょっと贅沢しすぎかも。
「塩天丼も有名だよ」というババの言葉で、揚げ物やさんに入りました。そこで天丼が出来上がるまでに耳にした話。
「せっかく御神渡りなんだからさぁ、諏訪全体としておもてなししなくちゃだめだと思うんだよぉ。それなの町の中に御神渡りの案内看板もありゃしない。旅館の方で少し良かったところもあるみたいだけどさぁ。うちは全然だ」だそうです。御神渡り見てはしゃぎすぎて疲れた後に聞きたくなかったなぁ。
帰りの姨捨のサービスエリアで面白いものを見つけました。なんと「根本八幡屋磯五郎七味ソフトクリーム」なんじゃそりゃ、です。思い切ってバニラとチョコのミックスを食べてみました。一口食べて、うっ?普通のソフトクリーム?いや違う、口は甘いけど殿は七味を食べた時特有の辛さを感じる、不思議なソフトクリームでした。