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謎の男

手紙は結局タヌキに託した。

王都に近づいてから託す予定だったが、こちらの事の方が重要だ。


さて、問題も無くなったのでリョウさんの仲間と合流しようと穴を出ようとしたのだが……。

穴の入り口に誰かが立ってる?


「リョウさん、誰か居ますよ?」

「バカな……。神の目を誤魔化せる魔法陣だと言っただろ?

 って事は、一般人なんか確実に誤魔化せる。……もしかして立ちションか?」

「あぁ、偶然ここで立ちションですか。まぁ、無いとは言えませんね」

「だろ? 見つかる事は無いんだ。少し待てば去るだろう」

「でも、その場合、出入り口に小便が……」

「そ、そこは諦めろ。さすがに追い払う事は出来ない」

「魔法でどうにかならないんですか?」

「この魔方陣の中では魔法が使えないんだ」

「あっ、そういう規制があるんですね」


しかし、立ちションは勘弁してもらいたい。

だってこの穴、中腰で出入りする大きさだぞ?

ヘタすれば膝を付いたり、手を付いたり……。

最悪だ……!!


だが、俺達の想像に反して、男は立ちションもせず、立ち去りもしなかった。


「おい! あいつ、この穴を凝視してるように見えるぞ!」

「えっ?! 見えないんですよね?!」

「あぁ、見えない! 見えないはずだ!」

「こ、声! 声が聞こえるとか?!」

「音も遮断してるに決まってるだろ!」

「お~い、そろそろ出てきてくれないか?」

「「!!」」

「入りたくないんだよ。出てきてよ」

「バレてますよ! バレてますって!!」

「くそっ! 何でだ?! 神の手先か?!」

「あっ、でも入りたくないって言ってますよ。このまま中に居れば帰るかも……」

「出てきてくれないと、イタズラするぞ! トリックオアトリート!」

「ヤバい、イタズラされますよ!」

「イタズラってなんだよ! 大丈夫だ、ここなら安全だから……」

「はいはい、御二方共、出てくだせぇよ」

「うわっ! コウモリが入ってきた! 喋ってる! よく見たら少し透き通ってる!」

「落ち着け! お前のタヌキだって喋るだろうが! くそ、従魔か!」

「抵抗しないでくれると助かるんですが」

「くっ! 神め!」

「主はあなた方の言う神の使いではありやせんぜ。大丈夫ですから」

「で、出ますか?」

「…………ここに長居しても、食料や水が無くなる。出るしかないか」

「アイテムボックスとかは?」

「あぁ、あれも魔法だから、使えないぞ」

「覚悟して出ましょう!」

「それしかないな……」


穴から出ると、どう見ても日本人な男性が立っていた。

狩人には見えないな。いわゆるテイマーってやつか?


「やあ、会いたかったよ!

 俺の名前は福田哲司。助けに来たんだけど、困ってるんだ。助けてくれ!」

「……えっと、言われてる事がよく判りません」

「おい、相手の話に乗るな」

「君は……前田亮君だね」

「……そうだが。お前は誰だ」

「だから言ったじゃん。福田哲司。気楽にてっちゃんとか福ちゃんとか福田様とか呼んでくれたら良いよ」

「気楽じゃねえのが入ってるじゃねぇか」

「冗談だって。さて、状況を説明しようか。

 まず、君達の言う神様は、今は逮捕されてるから安心してくれ」

「逮捕?」

「そう。神の世界も法律があるから。違法な事をすれば逮捕される。これ常識」

「そんな事、信じられるか!」

「いや事実だから。

 そうだなぁ……タクヤ君、ステータスを確認してごらん」


言われるまま、ステータスを見てみる。

んんっ?!

『イベント:25/300』って表示だったのが、『イベント:***/300』になってる!


「イベント欄がバグってるだろ?

 それは、与える神が居なくなったからだよ」

「おい、本当か」

「ええ。数字が出なくなってます」

「マジか……。おい、根本的な事を聞くぞ。お前は何者だ?」

「また言うの? だから福田だよ」

「そうじゃねぇよ! 職業とか役職とかあるだろうが!」

「なぜか神の眷属。そして使徒。ATフィールドは出せないぞ?」

「使徒……で、何の用だ?」

「くっ! ボケてもツッコまれないと、悲しいな。

 やっぱり誰か連れてくれば良かった……」

「答えろよ!」

「え~と、君達を救出しに来たんだ。詳しく説明するから、ちょっと場所移動しようか」


え~と……全然、話についていけません。

次話は18日の17時に投降します。

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