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ヤベぇ人達

宿に戻ったのでタヌキと雑談をする。


「相談と言うか、話したい事が2つある」

「何でしょう?」

「まず1つ目は、助けたお嬢さんから褒美が貰えるらしい」

「えっ? 貰うんですか?」

「そうだけど?」

「良心が痛みませんか? もっと早く助けられたのに? 事前に止められた可能性もあったのに?」


くっ! タヌキのくせに良心を語りやがった!

でも、図星だ。

だから話そうと思ったんだよな。


「じゃあどうしたら良い?」

「断ると怪しまれるので、貰うしか無いでしょうね」


だったら良心が痛むでしょ?とか言うなよ!


「ところで今思ったんだけど、悪徳な貴族がいないよな」

「そんなのがゴロゴロ居たら問題じゃないですか? その国は終わってますよ」

「まぁ、確かに。

 それとさ、ラノベでは結構定番な、手のつけられない暴れ者の冒険者がいないな」

「あぁ、前に話していたレベルの高い人の事ですね」

「そうそう」

「それも同じで、そんなのを放置している国は終わりじゃないですか?」

「いやいや、ほら、ラノベじゃあさ、傭兵で国に貢献するからと見逃されてるとか……」

「現実的に考えてくださいよ。

 まずレベルが高くて兵士に止められないような者はいないですよ。

 もし居たとしてそれが暴れるなら小隊規模で来てでも逮捕しますよ。

 強いから誰も止めない? もし自分がそこの領主なら毒を盛ってでも殺しますね」

「でも貢献するんだぜ?」

「そういうヤツは協調性があるとは思えません。

 それにイザという時は、真っ先に逃げるでしょう。だから貢献しませんよ。

 万が一するとしても、問題ばかり起こすのならデメリットの方が高いので、やっぱり切ります」


う~む、言われてみれば確かに。

ラノベで読んでた時は気にならなかったけど。

実際に居たら、大問題だよねぇ。


レベルが高い事を、威力の高い銃を持ってると考えたら判り易いな。

戦争では役に立つけど、普段からそれを振り回してる。

それを使って脅したり偉そうにしている。

……間違いなく逮捕だな。アメリカならその場で射殺案件だ。

貴族を企業と考えると、雇ってるだけでイメージダウン。

下手すりゃ倒産もありうる。


「まぁ、先に言われてた悪徳な貴族が居るような国なら放置もありえますが」

「あぁ。上が腐ってれば下も腐ってるって事か」

「そうです。まぁその場合、普通は民が流出するでしょうね。隣国も黙ってないでしょう」


おぅ、戦争パターン。

確かにそんな国が隣りにあったらイヤだわ。

攻め滅ぼすな。大義名分もあるし。



「話が逸れた。

 もう1つは、刺客を捕まえるのに協力した事で、また恨まれてるらしい」

「そうでしょうね」

「何で判る?」

「事前に止められたなら、そこまでじゃないですよ。

 成功直前で止められた方が腹が立つと思いませんか?」


確かに!

石を積む作業してて、1段目で壊されるよりも最後の1個を置く時に壊された方がムカツく!


「意図せずにそうなったんだけどなぁ」

「ある意味、意図してますよ? 狙ってたでしょ?」

「うるさいなぁ」

「で、どうするんです?」

「戦う気は無いし、逃げよう。

 商人が近い内に別の町に行くから、それに便乗しようじゃないか」

「それが無難ですね。では褒美はどうします?」

「貰える日によるかな。出発後なら諦めよう」

「そうですね。

 そう言えば聞きましたけど、芝居は何時するのですか?」

「しね~よ!!」


兵士長さん! 言いふらさないで下さい!!

次話は18日の17時に投稿します。

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