洞窟?
しかし『逆恨み』だとすると困ったな。
盗賊に恨まれたって事でしょ?
俺、ピンチじゃね?
ある意味、ここでのレベルアップは助かった。
レベル17よりも22の方が、盗賊から逃げやすいだろうしね。
盗賊と戦う? 無理無理。
そんなのは、兵士にまかせておけば良いって。
どんなにチートでも、戦闘した事の無い人間には無理だから。
戦える主人公がおかしいんだって。
とにかく、出るのは危険だな。
どうしようか。
よし! 寝よう。二度寝だ。
現実逃避じゃないよ? 惰眠を貪るだけだから。
夕方。
タヌキが帰ってきた。
「どうだった?」
「森の中に入るのでダンジョンに行くのかと思いましたが、違いました。
途中から方向転換して、山に向かいました。
その山の中腹に洞窟があり、その中に入って行きましたね」
「おおっ! 洞窟がアジト! テンプレだ!」
「そうなんですか? クリアになりますかね?」
「ちょっと待って。確認してみるわ。
……うん、なってない。自分で発見しないとダメなのかもしれないな」
「そうですね。話を聞いてクリア出来るなら、自分がウソを言えば良いだけですからね」
「そう言われればそうだな。で?」
「1時間くらい、入り口近くで監視しましたけど、動きが無かったので帰って報告しました」
「ふ~ん。で、どうするって?」
「場所は把握してるらしいので、明日未明に突入するらしいですよ」
「へ~。じゃあ、明日の朝には解決してるかな?」
「そうかもしれませんね」
そりゃありがたいなぁ。
全滅させてくれれば、逆恨みされてても問題無いし。
そうと判れば、明日を待つだけだ。
さ、寝よ寝よ…………寝すぎたのか、寝られない……。
翌日。
結局夜更かしをしてしまった。
眠いがしょうがない。また昼寝したら夜に寝れなくなるしな。
頑張って起きよう。
食堂で朝飯食ってると、兵士の人がやってきた。
どうやら報告にきてくれたみたいだ。
「おはようございます」
「おはようございます。今朝の結果をお伝えに来ました」
「ありがとうございます。どうでした?」
「ほとんどの盗賊は逮捕する事が出来ました」
「ほとんど、ですか?」
「ええ。抵抗した者は戦闘して倒しましたので。
後、首領だけは、子分が戦っている間に隠し通路を使って逃げました。
今、手配書を作っている最中です」
「そ、そうなんですか……。
俺、大丈夫ですかね?」
「大丈夫だとは思いますが、それでも危険を回避したいと思われるのであれば、少しの間、この街を離れられては?」
「あっ、なるほど。ほとぼりが冷めるのを待つ訳ですね?」
「そうです。1ヶ月もすれば逮捕出来るでしょうから、その間は他におられた方が安全かと」
そうだよな。
別にこの町に拘る必要は無いんだし。
それにテンプレをクリアする事を考えたら、他の街に行った方が良いかも。
「じゃあ、しばらくは街を出ようと思います」
「そうですか。では、一緒に領主様の所に行きましょうか」
「えっ? 何でですか?」
「そう言われた場合は連れてくるようにと言われております」
誘導?
しかし、俺にまだ何か用があるのだろうか?
まぁ、挨拶くらいはした方が良いだろうしな。
じゃあ行きますか。
兵士さんは馬車で来ていた。
あれ? 俺を連れて行く前提でした?
「タクヤ君、よく来たね。やはり街を出るか」
「ええ。完全に安全になるまでは離れていようかな、と思いまして」
「その方が良いだろうね」
「それで、今日はどのようなご用件で?」
「一人で乗合馬車に乗って街を出ては結局危険だからな。
商人が買い付けに行くらしいから、それに乗って行けば良いと提案しようと思ったのだよ」
確かに。
移動中に狙われたら街に居るより危険だよな。
人数が少ない所を狙うのは常識だし。
「商人の買い付けに同乗させてもらうのは安全なんですか?」
「あぁ。貴族御用達の商人だからな。私の紋章も掲げている。
そう簡単に襲っては来ないだろう。
それに、なかなかの者を護衛にしているから、襲われても返り討ちにするだろう」
「そ、それほどの者を護衛にしてるんですか……」
「あぁ。この国の武闘会で準優勝した豪の者だ」
そりゃ強いわ。
それにしても武闘会ってあるのか。
出場して優勝ってのはテンプレにありそうだな。
どんなに頑張っても無理だけどさ!
って事で、商人の馬車に乗せてもらい、街を出る事になった。
テンプレの多い街に行けたら良いな~。
次話から新章です。
次話は26日の17時に投稿します。




