手紙
翌日。
朝早くからタヌキは連れて行かれた。
その時に少し話を聞いたのだが。
どうやら、証拠不十分で夜に釈放したらしい。
だがそれは建前で、実際はクロだと確信しているそうな。
で、釈放しておいて動向を調べるつもりなんだってさ。
予定通りだね。
それで、その日の夜は宿に戻ったらしいんだ。
取り調べの時に宿屋を聞き出したので、泊まってる部屋の両隣の部屋を借りたらしい。
そこで訪れる者や怪しい素振りなど、全てを監視した。
そしたら、今日の朝になって出掛けるようだったので、タヌキの出番となった。
貴族の予想だと、盗賊仲間に会うのではないかとの事。
もしくは、何か符丁のような物を、どこかに設置するのでは?と考えてるらしい。
多分下っ端だから、上の指示を仰ぐだろうって事か。
「そうそう、カルベ様からお手紙を預かっております」
「あっ、ありがとうございます」
「誰にも見せないようにとの事です」
「判りました。一人で部屋で読みます。読んだ後は燃やしてしまえば良いですか?」
「そうしてください」
「了解です」
タヌキを見送り、一人部屋に戻る。
手紙って、なんだろうな?
そんなに人に見られては困る事が書いてあるのだろうか?
会って話すのもダメなのかな?
まぁ、貴族と会っても緊張するだけだから、手紙の方がありがたいんだけどさ。
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あの場所にあった物だが、所有者の判る物については返却する事になる。
判らない物は競売にかける決まりとなっている。
が、個人的に欲しい物があれば、事前に言ってもらえば便宜を図ろう。
後、盗賊を捕らえた場合、報酬が出る事になっている。
しかし、今回の場合、隠し場所を発見しただけなので出せない可能性が高い。
これについては、君が既に手にした現場にあった現金がソレということで。
さて、フォックス君についてだが。
残念だが、斥候の任務中には護衛をつける事が出来ない。
これについて本人に話すかどうかは君に任せる。
最後に、逆恨みされている可能性が高いので、出掛ける際は注意されたし。
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なるほど。
誰にも見せないようにっていう所が、3箇所あるね。
まず、便宜を図るって所だろう。
競売にかける決まりなんだから、事前に交渉しちゃダメだもんな。
次に盗賊の話だと思う。
捕らえたとか、その手の話はまだ街中に広まってない。
噂が広まれば、捕まってない盗賊は逃げるだろうからね。
最後にタヌキの事だろう。
町の外で、タヌキ以上に斥候に向いてる者は居ないだろ。
って事は、護衛をつける事も無理。
何か有った場合、戦闘なども自力でしなければならない。
後、他人からすれば、ただのタヌキだ。
鍋の具材として狙われる事もあるだろうな(笑)
でも言いふらす事も出来ない、か。
この事は黙っておくか。
で、最後の一行。
怖い事を書くなぁ……。
確かにそうかもしれないけどさ、言われると出にくくなるじゃないか。
ある程度の目処が立つまで、宿待機するしかないか。
幸い知り合いが少ないから、出かけなくても心配される事も無いしな。
……自分で考えて悲しくなったわ。
さて、外出は控えた方が良い事なので、今日も宿でおとなしくしよう。
昨日はタヌキも居たから良かったけど、一人だと時間を持て余すなぁ。
新たにテンプレメモ帳を書き足すとするか。
そうそう、神様に開示してもらったのも書いておかないとな。
何だったっけ? ステータスで確認すればすぐ判る。
え~と………………んん?! 何か色々おかしいぞ?!
あっ! テンプレイベントクリアが増えてる?!
何で?! 何かした?!
次話は22日の17時に投稿します。




