物色
嫌がらせのようなイベントクリアの確認は終了。
はっきり言って今回のは意味の無いクリアだったなぁ。
ま、10個をクリアしたのでこの称号が付いたのだろう。
次は20個目かな?
貴族の屋敷で出た食事はとても美味しく、風呂はデカくて快適だった。
良いなぁ、貴族の屋敷。住みたい。
貴族なんかにはなりたくないけどさ。何か大変そうだし。
日本で言う所の政治家だろ?
あれ? そう思うと楽そうな気がしてくるな。不思議だ。
翌日。
メイドさんが起こしに来るとは思わなかった。
朝の準備をすると、朝ご飯が出てきた。
食べるとすぐに片付けられ、出発の準備になる。
何と、貴族の人と商人も同行するらしい。
俺達に同伴するのは10人の兵士。厳選された兵士だ。
全員騎馬隊のようだ。
って、俺も馬に乗るの?!
え~と、乗った事無いんですけど……。
結局、俺は商人に乗せてもらいダンジョンに到着した。
するとすぐに騎馬隊は周囲に散開し、警戒を始めた。
「カルベ様、周囲の警戒が終了致しました。
盗賊の姿はありません。勿論、ダンジョンに行こうとする者もおりません」
「うむ。ダンジョン行きの馬車も運行停止にしたしな。
今日ダンジョンに来る者は怪しいから捕まえるように」
「ははっ! ダンジョンには何名が同行致しましょうか?」
「潜伏している可能性も考え、3名ほどで良いだろう」
「了解致しました」
馬車も止めたのか。
それならここに向かう者は怪しいよね。
もし今ダンジョンに居る人は、深い所に居た人か盗賊って事になるな。
俺みたいに浅い階層でレベル上げしてるやつは居ないから。って、うるさいわ!
ダンジョンに潜ると、ここからはタヌキが活躍する。
暗くても見えるのはタヌキだけだからな。
万が一にもバレないようにと、明かりは点けずに移動してるし。
ただ、ハグレた時用に、何かの石を置きながら進んでいた。
どうやらこの石は光っているらしい。
特殊なメガネをかけると、光ってるのが見えるんだそうだ。
俺にはタヌキが居るからってメガネを貸してくれなかったけど……。
見てみたかった。
ほどなく到着した隠し場所には、前と変わっていなかった。
まだ盗賊は来ていないらしい。
中に入り物色開始。
兵士の人が入り口を警戒。
その間に貴族と商人は、盗品を吟味している。
多分だけど、自分達関係の物を探しているんだろう。
結構な量があるから、一度では持って帰れないからね。
持ち帰る物を厳選するんだと思う。
そう考えて眺めてたら、俺も荷物持ちにされてしまった……。
どうやら、案内人兼荷物持ちだったようだ。
確かに兵士の人に持たせては、いざという時に戦えないからね。
入り口で背負子を持たされた時にそうだとは思ってたんだよなぁ。
タヌキを入れて運ぶ為か、と無理矢理考えてたけどさ。
しかし、入れ過ぎじゃ無いですかね?
30kgくらいありますよ?
お二方は、10kgくらいに見えますけど?
微妙に納得が出来ないまま、撤退になった。
お、重たい……。
「止まってください! 誰か来ます!」
「総員、止まれ!」
タヌキが誰かを発見したらしい。
丁度穴から出た所だったので、俺の開けてた穴に身を隠した。
動きやすいように、背負子も降ろしておく。
勿論戦う為じゃないよ? 逃げる為だよ?
俺が人間相手に戦える訳無いじゃん。
現れたのは兵士の一人だった。
やっぱりメガネをかけている。う~ん、俺も見てみたい。
「どうした?」
「はっ。馬車に乗らずにコチラに向かう者を発見しました。
格好は狩人の初心者といった感じです」
「ふむ。初心者が馬車に乗らずに来るのは怪しいな。単独か?」
「はい。単独でした。野営した感じもありませんでした」
「一味くさいな。よし、捕縛せよ」
「ははっ!」
初心者が馬車に乗らずに来るのは、怪しいのだろうか?
俺も金が無ければ、するかもしれないんだけど。
……いや、無いな。ソロで歩いて来るなんて危険過ぎる。
ダンジョンの一階よりも地上の方が敵は強いと思うし。
捕縛したとの連絡が来たので皆で地上に出ると、そこには見た事のある顔が居た。
誰だったっけ?
次話は16日の17時に投稿します。




