テイマー?
朝までかかって、候補は2つに絞られた。
フォックスとラスカルだ。
え? どっちもタヌキじゃないって?
しょうがないじゃないか。タヌキを英語で何て言うか思い出せないんだから!
で、本人に選ばせたらフォックスって事になった。
どうも「遠い世界での種族名ですか! かっこいいです!」との事らしい。
タヌキなのにキツネ……。
なんかゴメンな?
朝になったので、ダンジョンから出て馬車に乗る。
町に戻り魔法屋に聞くと、教会ではなくちゃんと病院で治療しているらしい。
治癒魔法も使うが、普通に治療もしているそうだ。
おかしいな、異世界で治癒魔法と言えば教会がテンプレだろう。
神様、俺を送る場所を完全に間違えてるな。
「タヌキですか? えっと、うちは料理はしてないんですけど?」
「いえ、治療をお願いします」
「タヌキをですか?!」
「ええ。タヌキを」
「食べるのではなく?」
「治療です」
「はぁ……。料金はいただきますよ?」
「大丈夫です。お願いします」
不思議がりながらも、医者は治療してくれた。
治癒魔法も見せてもらったので、それの属性魔法を覚えたら使えるようになるだろう。
その点はお金を払ったかいがあるって思う。
タヌキが喋ってないのは、俺が喋るなと止めた訳ではない。
自分で勝手に判断して黙ってるのだ。
いや、ただ単に怯えて声も出せないだけか?
今にも絞められるって感じだったもんな。
怪我は、落下によるダメージ・骨折・切り傷・等。
全部治して7万コルもした……。
日本で骨折の治療しても70万もしないだろ!
あっ、日本は健康保険があるな。いや、それでも高いだろ。
このタヌキ、7万コルも俺に返せるのか?
宿では「ペットお断り」と断られた。
だが、親切にペットOKの宿を紹介してくれた。
どうやら正確にはペットではなく、テイムしたモンスターOKって事らしい。
そうか、テイマーとか居るのか。
丁度良いので、俺もテイマーを名乗っておこう。
まぁ、鑑定されたら職種でバレるんだけどさ。
早速宿に入り、まずする事は……タヌキの丸洗い。
こいつ臭いんだもん。
ネコ科らしく嫌がってたけど。
あれ? 犬科だったっけ?
綺麗になったので、部屋に入り今後の相談をする。
「さて、治療は7万コルだった訳だが。どうやって返済する?」
「どうしたら良いでしょう?」
プラン無しかよ!
まぁ、俺としては今後相談役として役立って貰おうと思ってるので良いんだけどさ。
逃げられると困るので、借金で固めておきたい。
完済される前に新たな借金を背負わせないとね。
「じゃあとりあえずは俺の相談役になってくれ。世間に疎いんでね」
「えっ? 何で疎いんですか?」
「ああ。実はな……」
俺の事を全部話しておいた。
誰かに喋ってもタヌキの言う事だ。信用されないだろうし。
「なるほど。確かにそれなら自分の方が詳しいかもしれませんね」
「だろ? だから相談役をヨロシク」
「判りました」
「で。借金の事だけど。こうしよう。
共に行動して稼いだお金は折半にするってのはどうだ。
どちらが活躍しても折半。つまり二人で14万コル稼げば完済だ」
「はい。儲ける方法が無いので、それでお願いします。
でも、本当に折半で良いんですか? 自分は戦いには向いてませんよ?」
「お金を稼ぐには戦うばかりじゃないだろ?
商売しても稼ぐ事は出来るし。
それに、鉱物掘りをしてる時に見張りが居るだけで安心出来るし。
夜目があるなら、ダンジョン内でも問題無いだろ?」
「確かにダンジョン内でも見えます。判りました。ありがとうございます」
よしよし。ダンジョン内での安全確保も出来たな。
これでまた明日からも穴掘り出来るぜ!
あっ、経験値の配分ってどうなるんだろうな?
パーティー組めば分配するのかな?
いや、タヌキとパーティーって組めるのか?
ま、その時になれば判るだろ。
そうと決まれば、明日もダンジョンだな!
頑張ってレベルアップしよう。
あっ、タヌキの英語、思い出した。
ラクーンだ。今更だけど。
次話は、4日の17時に投稿します。




