タヌキの出来る事
あっ! 今閃いた!
ほら、テンプレに「助けたモンスターが実は無茶苦茶強い」ってのがあるじゃん!
このタヌキ、実はすげー強いって事は無いかな?
「ちょっと聞いて良いか?」
「何でしょうか?」
「お前、実は凄い強いって事は無いか?」
「……もしそうだったら、熊から逃げる訳無いじゃないですか」
うん、やっぱりね。
俺も密かにそう思ってたし。
だが、俺は諦めない! 何かチートな能力を持ってる可能性だってあるのだ!
「何かチートは無いのか?」
「チートって何ですか?」
「え~と、無茶苦茶レベルの高い能力や魔法の事?」
「だから、そんなの持ってたら熊から逃げませんって」
「いや、戦闘だけじゃなくてさ、政治に強いとか、交渉能力があるとか、何かが作り出せるとか、色々だよ。
とにかく、持ってる能力を教えてくれよ」
「判りました。でも、貴方も鑑定持ちなんですから、見た方が早くないですか?」
タヌキに正論を言われると、ちょっとムカっとするな。
でも確かに鑑定した方が早い。
って、俺が鑑定持ってるって何で知ってる?! あっ、こいつも鑑定持ってるのか!
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名前:(なし)
年齢:4
職種:獣
レベル:3
HP:8(26)
MP:18(34)
筋力:41(41)
耐久:68(+6)
魅力:24
称号:『喋るタヌキ』
能力:鑑定(Lv.4)・夜目(Lv.5)・隠密(Lv.4)・言語理解(Lv.3)
魔法:風魔法(Lv.2)
耐性:毒耐性(Lv.2)・麻痺耐性(Lv.1)
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鑑定してみた。
名前は無しか。
HPが8って、結構な重症じゃないかよ。
おい! 魅力が俺より高いってどういう事だ?!
職種が獣ってのは……。それ、仕事なのか?
レベルは見れるけど、経験値は見れないんだな。『経験値具現化』って自分専用か。
おっ、こいつ称号持ちかよ!
『喋るタヌキ』って、そのまんまだけどな。
やっぱりコイツ、鑑定を持ってやがった。
しかも俺よりも1つ上じゃないか! ムカツクわ!
ちなみに全部見れるのは、タヌキが開示したからだそうだ。
他の能力は……夜目と隠密か。まぁ、野生のタヌキだしな。納得出来る能力だ。
耐性も毒とか、正に野生だなぁ。
この言語理解ってのが、喋れる理由だろう。レベル3って結構高いな。
外国行ったら便利かも。
あっ、こいつ、風魔法を持ってる!
MPが減ってるのはそのせいか!
タヌキのくせに生意気だぞ!
う~ん、総じて見るに、タヌキとしてはチートだな。
人間としては、普通?
タヌキなんだから『化ける』とかあれば良かったんだが。
そうすれば擬人化させるのに。
美少女に変身させれば、テンプレイベントがクリア出来る気がする。
よし、覚えさせよう。
「ところで、お前はメスか?」
「オスですけど」
ちっ、美少女作戦失敗か。
変身させて俺より美男子だったらムカツクから、覚えさせるのは止めよう。
「名前が無いのか」
「ええ。必要ありませんから」
「無いと不便だからつけよう。タヌ吉ってのはどうだ?」
「……無茶苦茶安易ですね。もう少しどうにかなりませんか?」
「じゃあ、タヌ郎とか。タヌ太ってのは? どれが良い?」
「3択?! ……『タヌ』から離れませんか?」
「えっ? だってタヌキじゃん」
「人間だからって、ニン太とかニン吉って付けませんよね?」
「我儘だなぁ」
「我儘ですかね?!」
朝まで名前を考える事になった。
次話は2月2日の17時に投稿します。




