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矢と玉

店を出る前に、思いついた事を聞いてみた。


「そういえば、『ファイヤー』は何で矢の形なんですか?」

「はぁ? 変な事を聞くなぁ。

 見た事のある物を想像するって言っただろ? 飛んでいく武器で矢以外に何があるんだよ?」


個人的にはあんな魔法はファイヤーボールだと思うのだが。

ボールの形で攻撃するのって無かったかな?


「あっ、ほら、投石機とか」

「あぁ、石か。石だと打撃の攻撃になるよな?」

「そうですね」

「矢はどうかと言うと、刺突の攻撃だよな?」

「確かに」

「炎で出来た物が当たった場合、どちらの方がダメージがデカいと思う?」


そう言われれば。

焼けた石が体に当たった場合、そこだけが火傷する感じ。

でも火矢が刺さったら、火傷ではすまないと思う。


「火矢の方が死にそうですね。

 なるほど。だから矢の形なんですね」

「そういう事だ。まぁ石の形でイメージして魔法を作ってるやつも居るかもしれないがな」

「あっ、1種類じゃないんですか?」

「そりゃそうだろう。色んな者が作ってるぞ?

 ただやはり、一般的に広まるのは皆が認めた物ばかりだな。

 そもそも見て覚えても、使用者が納得してなければ発動しないし」

「そうなんですか?」

「あぁ。さっきの話に戻るが、お前が『ファイヤーが石の形だと思うんだけどなぁ』なんて考えてたとするだろ。

 その場合、俺のを見て覚えていても発動させようとすると、石の形を思い出してしまう。

 だから正確にイメージ出来ずに失敗するって訳だ」


おおぅ、危なかった。

もし聞いて納得してなければ、いざ実践となった時に発動しないなんて事もありえたのか。

というか、発動しなかっただろうな。

ファイヤーアロー<ファイヤーボール、って勝手に思ってたもん。

ラノベでは多い設定だからなぁ。


「ついでに言えば、投石機で石を投げるよりも弓矢の方が早そうだろ?」

「た、確かに」

「攻撃が遅いなんて致命的だ。早い方が良いに決まってる。だから矢の形だ」

「納得しました」

「で、土魔法のポーションは買わないのか?」

「……何でその話に戻すんですか?」

「え? 使えるようになったんだから、レベルアップした方が良いだろ?」

「…………本音は?」

「主に味が原因だと思うんだが、売れないんだよなぁ。

 賞味期限が切れそうなのがあるから、買ってくれないかな~と」


まぁ、確かにあの味では売れないだろうな。あの味のくせに賞味期限とかあるのか。

でも原因はそれだけじゃないと思う。

まず、代金が高い。

次に、覚える魔法がショボい。

高い金払って、マズいポーション飲んで、ショボい魔法を覚える。何の意味が?

俺の場合はチートになる為に必要だけどさ。


「じゃあ買ってあげるので、安くしてください」

「おいおい、賞味期限が近いからって、切れた訳じゃないんだぜ?」

「そう言いますけどね、切れるまでに売れる自信が?

 切れたら俺は買いませんよ?」

「ぐぬぬ……」

「だったら切れる前に仕入れ代金だけでも回収した方がよくないですか?

 儲けは無いですけど、損も無いですよ?」

「……判った、売るよ」


よしよし。


「ここで飲むので、ついでにレベル2の魔法も教えてください」

「さすがにそれは代金を貰うぞ?」


ちっ。

ま、しょうがない。




いやぁ、土の味だったわ……。

それを栄養ドリンクくらいの量を飲むって苦行だね。

前回買ってた飴玉があって助かったわ。


苦労の甲斐あって、土魔法レベル2を覚える事が出来た。


『シェーブ(Lv.2)』っていう魔法だ。

岩を削る魔法なんだけど、鉱物は削れない。幅50cm×高さ2mで50cm進むのにMP4消費。


鉱物は削れないってのがミソだね。

つまり削り進んで行き、鉱物にぶつかればそれだけが掘り出せる。

坑夫向きの魔法だな。


ダンジョンの壁も削れるんだろうか?

まぁ、ダンジョンの壁を見て無いけどさ。


明日はダンジョンにリベンジだぜ!

あっ、帰りにたいまつ買わないと。

次話は19日の17時に投稿します。

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