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知識チート?

帰り際に「飴でも買っておけ」と言われた。

詳しくは教えてくれなかったが、多分精霊絡みなんだと思う。お供えみたいな?

って事で、商店街に来ている。

道の左右に沢山の店が並んでいる場所だ。


神がくれたお金は、RPGでいう所の「初期装備を整える資金」だと思う。

大体服装だって、そこら辺を歩いている人と変わらないし。

剣はあったけど防具くらいは買わないとダメでしょ。

後は物を入れて運ぶ為のカバン。肩掛けが良いけど、やっぱりリュックだろうな。邪魔にならないし。


えっと、他には……生活必需品だな。

飯は宿屋で食べるとしても、着替えやハブラシ、タオルなんかも要るでしょ。

それから、石鹸やシャンプーも欲しい。そう考えると、風呂にも入りたい。

いや待て。石鹸やシャンプーは主人公が作るというテンプレじゃないか?

俺が作るの? えっと、読んだ事はあるけど覚えてないんですが……。

石鹸って、油と塩? 違う? 灰だったっけ? 灰汁か? 配合量は? ……無理だね。

ああいう主人公はさ、皆頭の中にGoogle先生が入ってるんだよ。


あっ! でも俺、マヨネーズなら作れる!

ラノベであまりにもマヨマヨと出て来るから、一度作ってみたんだ!

やったね! 知識チートだぜ! イベントもクリアだろ!




……マヨ、売ってました。

石鹸とシャンプーも売ってました。リンスまでありました。

驚きの、味噌醤油までありやがりました。


神は本当にテンプレを見たいのだろうか?

イジメにしか思えないんだが。

まぁ、全部買ったけどさ。

マヨ、味見させてくれたけど、俺が作ったのより美味かったです。


今回買った物は、

着替え×2、下着×2、ハブラシ、歯磨き粉、タオル×3、石鹸、シャンプー、リンス、マヨネーズ、味噌、醤油、塩、砂糖。

後は飴玉。一袋に10個くらい入ってたので、二袋買っておいた。

それから料理に使える片手鍋と油。忘れちゃダメよ、水筒も買った。

これらを買ったリュックに入れてる。パッと見、商人に見えるんじゃないだろうか?

さて買い忘れがあるとは思うが、また買いにくれば良いだろ。

あ~、空間魔法が欲しい。


最後に防具。

店員オッサンに勧められるまま、革の胸当てと革の籠手とローブを買った。

ローブは旅をするなら必需品だそうで、寒さ暑さ雨を防ぐ意味があるらしい。日本で言うカッパだね。

「胸当てと籠手で3万コルですが、今だけ特別にローブを付けてお値段変わらず3万コルでご提供します!」

って言われたら買うしかないだろ。

いや、通販かよっ!って思ったけどさ。よく考えたら、俺、通販に弱かったんだわ。

そういえば、あの時買ったルアーセット、一度も使わなかったなぁ……。



宿に向かいながら、俺は1つだけ知識チートを思い出した。

そう、スローライフ系に必ず現れる「オセロ」だ! いや、「リバーシ」だ!

おもちゃ屋みたいな所も覗いたけど、売ってなかった!

これはテンプレでしょ、って事で帰り際に大工からノコギリと木材を買った。

忘れずに黒インクも買った。白は売ってなかったけど。


買った木材は30cm角の板と角材。丸いのは無かった。四角でも大丈夫だろ。

角材は頑張って1cmくらいの厚みで切り落とした。ノコギリで切るって難しいね……。途中でやめたくなったよ。

小さい角材にインクを塗るのも一苦労。自作って大変だな。

何とか64個作り、今度は板に剣で溝をつける。途中でインクで書けば良かったと気づいたけど……。

完成してからフと思う。本当に8×8マスで合ってるっけ?

……うん、合ってるとしよう。


これをどうするか。

勿論売りに出すのだ。

ここで、4が生きてくる。

4って何?って言わないで! ほら『商人に一泡吹かせよう!』だよ。

あの商人にリバーシを渡し「こ、これは売れますよ!!」と言わせるのだ!

俺はスキップをしながら宿に戻った。




「何か勝ち誇ったような顔をしていますが、どうしました?」

「ふふん。貴方が売ってくれと頼み込んでくるような物を用意しましたよ!」

「ほほう。まぁ、期待はしてませんが拝見しましょう」

「見て驚くなよ! いや、驚け! これだ!」

「……。この木材が何か?」

「今から説明します!」


俺はリバーシのルールを説明した。

そしてそのまま商人とプレイ。


不思議だね、何で俺が負けるんだろう。

あっ、俺、リバーシなんてそんなにやった事無かったわ。


「なるほど。玩具という事ですね」

「はい、そうです……」

「開発者が負けるようではダメなのでは?」

「生み出す者と活用する者は違うのですよ……」

「そういう事もありますけどね。今回は違うような。ま、良いでしょう。

 それで、これをどうしたいんですか?」

「買って下さい」

「これをですか?」

「はい。作る権利や販売権利も全て込みで買って下さい」

「あぁ、そういう事ですか。判りました。買いましょう」


良し! やったね!

ところで商人さん。何でテーブルに100コル硬貨があるのかな?

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