トイレットペーパーすらもチリチリ
読んでー
人通りがとてつもなく多ゐ、この街に静寂など無いやうだ。
死んだやうな眼差しでようようと歩くボウ人間共を私は押し倒しながら(じつさいは私が倒れるのだが)
いつもの倍ほど掛かってA会社へと到着シた
「これ程までに我がA会社は大きかったのだろうか、はたまた私がちぢんでそう見えるのか」
職場の正門へ到着した私はおもはずそう呟いた
『見ない顔である。どちらの娘で?』
ぎょっとした。
何時もであれば大柄な私に初対にて話しかけやうといふものは少ないので、突然の声掛けに驚き桃の木である。
「いいえ、私はここに務めてゐるものです。つとめて、誰の娘でも無い。」
男もぎょっとした様子であった
それもそうであろう。年端も行かぬ少女がこの会社に勤務しているなどと抜かすのだ
『そ、そうでしたか。それは失礼つかまつりましたね。ではご一緒に本日の勤めを果たしに参りましょうか』
この男、なかなか爽やかである。私の言動に不信感を抱きつつもそこには会えて触れぬようにしてゐるのだ。
「
承知した。私は2階の商品取締部である。貴方はどちらへ?」
『私は3階のロシア語教室であります。』
そいつの名は牧場といった。ボクジョウでは無いぞ。
ありかまと