魔物を狩ってみました。
いま父ちゃんと森に来ている。
どうも十歳になりました。
今では女の子らしさも出てきて可愛くなって容姿も固定されてきた。
髪は黒色でポニーテールだ。
そんなある日父ちゃんに言われた。
「そろそろ魔物ぐらいは狩れるんじゃないか?」
この世界には「魔物」というものがいるそうだ。
動物たちが魔力の制御を行なえなくなると魔物になるらしい。
森の奥深くに住んでいるため、割と頻繁に出現している。
いままで見つけたらすぐに逃げていたがある程度実力が付いてきたと判断されたらしい。
魔物が出現するポイントに着いた。だが魔物だけ探す方法が分からい。
「父ちゃん、どうやって魔物だけ探し当てるの?」
「ふふっそれは簡単だ!索敵魔法を使うのだ。」
「魔力を薄く拡げていくイメージだ!ほいやってみな?」
「そうすると、魔力に何かが引っかかって場所がわかるんだよ。」
なんで今まで教えてくれなかったのかと思いつつもイメージどおり魔法をためしてみる。
「何となく予想はしてたが、1発で成功するとはな。ほんとにとんでもない魔力だな。」
父ちゃん曰く俺の魔力量の原因は女神の加護というものらしい。ものすごい身に覚えがある。
父ちゃんがぶつぶつと何か言っていたが索敵に引っかかったものに驚いていた。
「父ちゃん、この魔力量不味いと思わない?」
「そうだな、これは非常に危険だな。」
「倒しにいくぞ!!」
森の中を駆け抜けていく、倒木などの障害物も華麗に避けていく。
時々現れる鹿、兎、猪などの動物が気づかない様なスピードで駆けつけた先には……
三メートルもある狼だった。足下には無惨にも食い荒らされた動物達の死骸があった。
こちらに気づいたのか顔を向けた。
やはり最初に恐怖を覚えるのはあの紅い充血している様にみえる目だ。
こちらは怯まず戦闘体勢をとる、すると……。
「gwoooooooooooo!!」
敵意を剥き出しでこちらに走ってきた。
こちらも距離を詰め、魔法を唱える。
「!?待てシュン!」
制止しようとするが魔法のイメージは既に完成していた。
初めてであった為、全力をぶつけた。
「焼却だ……業火 滅却!」
「ドゴゴゴゴゴゴォォォォォォォォ!!!!!」
発動と同時に青い炎の塊が狼に襲いかかる。
逃げられる筈もなく、狼を跡形もけしてしまった。
残ったのはクレーターのように抉られた地面だけであった。
父ちゃんの方を振り向くと、くちを開け棒立ちしている。
ヤバイ!
やりすぎたか?
「なにか、変なところあった?」
「いっいやそんな事はないぞ!ちょっとやり過ぎだが、大丈夫だろう!」
「ホント!?」
こうして初めての魔物狩りは成功を遂げた。
この日の夜エインヘルヤ家では、
「何だって!魔物化した狼をたおしだって?!」
二人の間に沈黙が下りる。
「一体、シュンは何者なんだろうね、女神の加護がある限り何か別の世界から来た者とかでも信じられそうだよ。」
「まぁ何者でも構わんさ、俺たち二人のことを本当の親だと思ってくれているんだからな……」
「そうだね…………。」