少し成長して5歳くらい
この国の言葉も少しづつだが覚えてきた。
今ではちょっと難しい本まで詠めるようになった。
そんな俺も成長してきてある事に気づく、明らかに女性の身体なって来ていることに。
(ホントに女になっちゃってるよ。)
いくら考えても答えは出ないので割り切るより他にない。
5歳になりました。
ダリアとヘンリーに「シュン」と名付けられ「シュン=エインヘルヤ」になった。
何故、前の世界と同じ名前のシュンになのかと聞いてみたら、
お前を拾った時に着けていたペンダントにそう書いてあったそうだ。
何もおぼえてないだろうから自分達のことを本物の親だと思って欲しいと言っていた。
正直、物凄く……嬉しい。 知らず知らずにそういうもの飢えていたのかもしれない。
「それじゃあ、私たち出かけてくるから、大人しくお留守番してるのよ~!」と言ってヘンリーとダリアは出掛けていった。
「父ちゃん母ちゃん、いってらっしゃい~」
俺は笑顔で見送った。
俺はこうして一人になるといつも決まったことをする。
ダリアの魔導書を読み漁っていた。
今日は実践してみようと思っている。
「取り敢えず被害の出にくい魔法を全属性やってみるか。イメージするだけでいいのだが詠唱いた方が威力は上がるらしい。
強くある必要はないのでイメージだけでいいだろう。」
火が萌えるイメージか、酸素を燃焼させる感じでいいのか?
上手くできない
「科学ぐらい真面目にやっとけばよかったな。」
声に出してみるか。日本語だとダサいし英語で言ってみるか。
「Bon Lit Fire!」
上手くいかないな、日本語の方がいいのか?
適当に「着火」当たりでいいだろうか?イメージが弱そうだから違う方がいいだろう。
「焼却!」 あっヤバイ……やりすぎだ!
そう唱えると同時に火が直線上に進み、部屋の壁に大きな穴を開けてしまった。そしてみるみる内に火が壁を伝い燃え広がってしまう。
「早く!消火しないと!」
一か八か……!やってみるか!
「流水!!」
その瞬間、掌から凄い勢いで水が飛び出してきた。
「行ける!この調子ならいける!」
それからすぐに火を消し止めることに成功した。
安堵と共に不安な気持ちが襲いかかる!
「不味いっ...この惨事どうするべくか?」
壁一面が綺麗になくなっている。こんなん数時間で直せる訳がない。仕方ない、ダリアが帰って来たら素直に謝るか……。
「取り敢えずこの水浸しな床を洗わないと!」
その日は二人が帰って来るまで魔導書を読むだけで過ごした。
家の外から音が聞こえる、帰ってきたのだろうか?
ビンゴだ!二人が帰ってきた、もう一人に誰か連れてきたみたいだ。
腹を括るか、素直に謝罪しよう。
ガチャ「ただいま~!」
「いい子にしてた~?」
「あの...あのね?」
「ン?なにかな?」
二人は首傾げた。
「こっちにきて」
そうして二人連れて部屋に行く
二人へ絶句した。
「ごっごめんなさい!」
叩かれるぐらい覚悟していたが、急に優しい声でヘンリーに宥められた。
「どうしてこんなになったか説明出来る?」
「父ちゃんの魔導書読んでて、これくらいなら使えるかな?って思って……」
「ごめんなさい!」
「なにそんなに謝ることはないさ、壁くらいすぐ治せるさ。」
そう言って二人は俺のことを許してくれた。
その日の夜のダリアとヘンリーの会話
「流石に、あの魔力量だと危ない制御の仕方を教えるべきだと思う。」
「私もそう思うわ。だけど身体作りも大事だと思うけど、剣もおしえていいかしら?」
「まぁ程々ならな。」
こうしてシュンは午前に魔法、午後に剣を習うというハード日々になることが決まってしまった。