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ぼっちになりたいお嬢様の停学明け

 

 1週間だ。

 1週間という時間をわたしは設定に費やした。


 一条に言われて思い出したのだ。


 わたしが歩む道は覇道なのだと。


 帝王である精子提供者が用意した覇道ではない。

 運命に従い、七光りで帝王に成るのではない。


 新垣結衣の覇道。


 新垣結衣が作る、神格化した新垣結衣の覇道を、女神な新垣結衣が歩み、神を越えた存在になる。


 そう、わたしは1週間という停学期間で設定を超越し神格化したのだ。——女神。


 北欧神話の主神に、詩文の神であり吟遊詩人、知識に対し非常に貪欲な神がいる。

 その神は自らの目や命を代償に差し出し、知識や力を身に付け、戦いの神、死の神、そして叡智の神と呼ばれるようになった。


 あらゆるモノを犠牲にして覇道を進まなければならないわたしと類似している。

 しかし、類似していたところで、ただただ神を模範にしただけでは意味はない。

 そもそも、知識や力を身に付けるために目やら命を代償にしたくない。

 従って、わたしは神格化するために『わたしの力』を使った。


 ふっふっふ。

 人間という設定さえ超越した神、わたしという女神が現代に降臨したと畏怖するのだ、庶民!!


 第三形態までしか変形できなかった世界一の椅子をわたしの力(お金の力)で改造し、八足の巨馬へと変形を可能にした——【第四形態スレイプニル】(提供•八王子グループ)

 片目を失いたくないから変わりにわたしの力(お金)で作った——【色々見える眼帯】(提供•八王子グループ)

 知識の象徴としてリアリティを追求しすぎた結果、中世ヨーロッパ風になってしまった——【ブレイズ付きつばの広い三角帽子】(提供•空菱)

 頭が良すぎて拗らしている研究員が『くっくっくっこの槍こそ戦いの神であり死の神の象徴』と不敵に呟き、技術スタッフ一同がゴクッと唾を飲み込んだ——【二股のなんかすごい槍グングニル】(提供•八王子グループ)

 グングニルを振りすぎて筋肉痛になった腕にシップを貼り、花菱じいちゃんに巻いてもらった——【アロエの匂いがする包帯】(提供•花菱)

 発注時のデザインは風になびく赤マントだったはずが、『三角帽子のデザインに合わせろ』という圧力が八王子グループにかかり、いつの間にかデザインを変えられた——【防刃防弾の青いローブ】(提供•八王子グループ)(デザイン•匿名希望)


 お金に物を言わ……わたしの力で神格化を遂げた今日からのわたしは——【女神オーディン】


 そして帝王には必要なく女神には必要な『者』!


 コレぞ聖剣、コレぞ輝鎧と技術スタッフ一同は完成に盛り上がり、頭が良すぎて拗らしている研究員が『ふ、封印だけは解かないでください』と呟いたエクスカリバーとフルプレートアーマを装備した——【従者•今日はいつもより巻き巻きのドリル】


 見てる。見てる。見てる。

 すでに帝王であり百獣の王を兼業していたお嬢様なわたしではない!

 庶民よ!

 女神オーディン新垣結衣を見よ!

 だが!

 見るだけだ!

 それ以上は譲歩しない!

 何故なら、わたしは女神オーディンだからだ!!


 んっ?

 アレは一条幸太郎。

 のうのうと道の真ん中を歩きおって。

 お金で雇われている護衛の分際で女神オーディンの前を歩くな、無礼者!

 女神オーディンのわたしが歩む道は覇道!

 女神オーディンのわたしが歩む先は覇道!

 そう、わたしの前とはわたしの道なのだ!


「一条幸太郎。わたしが進む道とは女神オーディンであり新垣結衣の覇道。のうのうと前を歩くな、端を歩け! もしくは護衛らしく横だ!」


 馬上からグングニルを一条に向ける。


「いや、まぁ、アレだ。頑張ったのは評価するし、我慢して横を歩きますから、喋りかけないでください」

「設定、オーディン!」

「はいはい、オーディンです」

「女神オーディン!」

「はいはい、女神オーディンです」


 認めるしかない。認めるしかないのだ!


 んっ?


「むっ、アレは……神々や人間の敵、ヨツンヘイム(スポーツジム)に住むと言われる巨人族(筋肉オヤジ)!!」

「はいはい、北欧神話ですね」

「我が物顔でミッドガルド(学校)をうろつく巨人族(筋肉オヤジ)め! 女神オーディンがぶん殴ってやる!」

「はいはい。女神オーディンのイタい叡智に巨人族は圧倒されてますから、護衛さんが巨人族と話をつけてきますんで、おとなしくしてくださいねえ」


 筋肉オヤジ!

 頭突きの代償は貴様の筋肉だ!


「おい、巨人族のダンナ。相手してやれよ」

「な、なんだアレは。何が、あったんだ。ま、まさか、頭突きでおかしくなったのか!」

「違う違う。おかしいのは元からだから、1週間前に帝王であり以下省略なお嬢様にはまともな設定がねえって言ったんだ。中身がねえって言ったつもりだったんだがなあ……帝王から神格化してオーディンになっちまった」

「と、とりあえず、俺はやられたらいいのか?」

「やられたら更に調子にのって悪化するだろ。厨二の治療法は現実を教えるしかねえよ」



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