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OTOGI WORLD   作者: SMB
* the future to choose it *
69/92

ようこそ、舞踏会へ2


そこに居たのは、大柄な男だった。

目立つ赤色の髪の隙間から、獣耳が覗いている。


確実に私の嫌いなタイプ。

この世界にやって来て、人間性を耳で判断してしまうようになった私。

いや、彼らは獣だ。

人間なのかもしれないが、そんな事はどうでも良い。

こいつは獣耳が生えていようが生えていまいが、悪い人間なのは承知済み。


その赤い犬耳に、私は愕然とした。


海希「ロイゼ!?」


犬耳がビクッと反応したのが分かった。

両手で掴んだ大きなチキンの丸焼きをガツガツと食べていた彼は、私の姿に目を見開いた。


ロイゼ「げっ!!?」


とても嫌そうな顔をしている。

私に会った事に対しての嫌悪感が、彼の表情から滲み出ていた。

もしかすると、私も双子に対しこんな顔をしていたのかもしれない。


赤い髪のウルフカットを後ろでまとめ、黒のタキシードを着ている。

シャツの一番上のボタンを外し、赤色のネクタイは緩めていた。


どうしてこんな悪い奴が、この場所に入る事が出来るのか。

今から兵士を呼んで、即刻連れ出してもらった方が良いに決まっている。


ヘンゼル「ロイゼだってさっきから下品だろ。もっとマナーを守りなよ」


グレーテル「そうよ。だいたい、あなたには品が足りないわ」


と、私とロイゼの関係なんて知らない双子は口々に文句を言った。


ロイゼ「なんでてめぇがここに居るんだ!?」


双子の言葉は完全に無視で、ロイゼは私に言った。

持っていたチキンをお皿の上に起き、私に指を差す。


海希「話しかけないで!あんたの知り合いだと思われたくないわ!」


と、私は彼の全てを否定しておく。


双子の言う通りだ。

こんな場所で周りも気にせずテーブルの上を散らかしている男なんて、私には無理だ。

私もこう言うマナーはよく分からないが、ロイゼなんかよりは全然マシだと言える。


ロイゼ「はっ!!俺だって勘弁だ!お前と関わるとロクな目に遭わねぇからな!」


なんだと、この変態狼め。

それはこっちの台詞だ。

さっきから、私の台詞をよく代弁してくれる奴だ。


ロイゼは再び、食べていたチキンの丸焼きを手に取りガツガツと食べ始めた。


海希「...そんなに急いで食べなくても、誰もとったりしないわよ?」


その食べっぷりは、まさに獰猛な狼の姿。

なんて肉食獣なんだ。


ロイゼ「そんなガキみてぇな事考える訳ねぇだろ。こんな御馳走滅多にありつけねぇからな。今の内にたらふく喰っとかねぇと」


それを綺麗に食べ終わると、ロイゼは近くにあったお酒のグラスを二つほど手に取り、一気に飲み干した。

良い飲みっぷり。

彼の喉が、ゴクゴクと音を立てて動いている。


ロイゼ「....っ!!!うっめぇ!!!」


やはり品がない。

私も人の事は言えないけれど。

花より団子派なのだから。


ロイゼ「さ〜て、そろそろ部屋にでも行って一眠りでもすっかな」


海希「部屋?」


ロイゼ「あぁ、城の客室が解放されてんだ。そこのベッドが気持ち良いのなんのって...」


グレーテル「セクハラだわ」


小さなロールケーキをパクパクと口にするグレーテルの素っ気ない一言。

ロイゼは、彼女をギロリと睨む。


ロイゼ「セクハラ?誰がガキに、んな事するかよ。お前がもっと大人になれば考えてやっても良いがな」


と、ニヤリと笑う。

子供に対して、なんて奴なんだ。


海希「あんたね、子供にまでそんな事言うのやめなさいよ」


ロイゼ「俺に命令するな」


ピシャリと言われてしまい、私は口を噤んだ。


ロイゼはロイゼだ。

何も変わらない。

もっとまともな人生を歩んで欲しいと思っていたが、無理そうな気がする。


海希「...似合ってるわね」


彼の姿を見てしみじみと思った。

喋らなければ、とても格好良いのに。


背も高く、体格も良い。

それに、少しスーツを崩して着ているのがワイルドで、色気を感じさせる。

問題なのは、その品の無さと前科持ちだらけという事だ。


ロイゼ「は?」


海希「格好良いわよ、今日のあなた」


すると、彼はギロリと私を睨んだ。


ロイゼ「お前...前にも俺様に良い奴だなんて言ってたよな?気持ち悪いからそう言うのやめろ」


顰めっ面を私に向けてくる。


お前こそ、またその反応か。

全く嬉しそうじゃない。

なんて可愛くない性格なんだろう。


レイルなら、喜んで私に抱き付いてくる程なのに。

やはり、狼は難しい性格をしているようだ。


海希「褒めてるのに。女の子に格好良いって言われて、素直に喜べないの?」


すると、ロイゼの顰めっ面が徐々に解けていく。

目を細めて私を見据えた後、ニヤリと口角を引き上げた。


ロイゼ「...あぁ、そうか。すっかり忘れてたぜ」


そう言って、腕をガシッと掴まれてしまう。

急な出来事に、思わず持っていたグラスを落としそうになった。


海希「何よ急に!?」


ロイゼ「部屋に連れてってやるよ。前に、お前を喰い損ねたしな」


そう言えば、こいつには別の意味での前科がある。

その事をつい忘れていた。


ロイゼ「それに、今日のお前はなんだか色っぽいしな...俺の好みだ」


ペロッと舌なめずりをするロイゼ。

ふわふわな尻尾がパタパタと揺れている。


海希「ちょっと!?」


抵抗したが、強い力で掴まれ離してくれない。

これでは、アダルティな世界の幕開けとなってしまう。


海希「なんであんたはいっつもいっつも〜〜っ!!!」


叫び狂う私を、周りの人が驚いた様子で見ている。

けれど、そんな事は気にしていられなかった。

気にして控えめに抵抗すれば、確実に私はアダルティな世界に迷い込んでしまう。


ロイゼ「てめぇも諦めが悪ぃな。良いからさっさっと来い!手間掛けさせてんじゃねぇよ!」


海希「諦めが悪いのはあんたよ!!!あんたこそ離して...っ!!!」


と、今度は私の空いていたもう片方の腕を、ヘンゼルとグレーテルに掴まれる。


体が傾いた衝撃に、私は目を見開いた。


ヘンゼル「お姉さんは僕らの大事な商品なんだ」


グレーテル「そうよ。割り込みはやめてくれない?」


助けて...くれているのか?

いや、今商品だと言ったな、こいつら。

その時点で助けてくれているのとは違う。


双子を唖然としながら眺めていると、今度はロイゼが舌打ちをした。


ロイゼ「ガキは黙ってろ。これは大人の話だ。それに、先にこいつに目を付けたのはこの俺だ」


ヘンゼル「大人なら子供に譲るべきだ」


と、何故か火花を散らしている。

私の両腕は、自然に解放された。


グレーテル「うちの常連だからって良い気にならないで。今日はお客でもなんでもないんだから」


かなり危ない雰囲気が漂っている。

私は、双子とロイゼを交互に見ながらあたふたとしていた。


ロイゼ「上等だ!表に出やがれ!」


ヘンゼル「狼狩りは一度やってみたかったんだ!!!楽しめると良いな!!!」


なんでこんな事に...


いつの間にやら、人集りが出来ている。

その真ん中で言い争いをしている3人。

完全に注目の的だ。


海希「ちょっと、あんた達やめなさいって...!」


と、発端の私が仲介するのもおかしな話だ。

いや、私のせいじゃない。

勝手にこいつらが始めた事だ。


グレーテル「何よ!!この○○狼!!!あんたの○○に○○してやるわよ!!!」


ロイゼ「んだと、このマセガキ!!てめぇらこそ、その○○に○○して○○してやろうか!!?あぁっ!!!?」


...汚い言葉が飛び交っている。


こんな舞踏会は嫌だ。

私は関係ない。

この人達とは、知り合いでもなんでもないのだ...

と、何度も自分に言い聞かせながら耳を塞いだ。


海希「!?」


3人の言い争いがヒートアップする中、誰かに腕を掴まれる。

集まって来た野次馬達の中に引き込まれ、ドンッと誰かの胸の中に収まった。


??「あんたって、何処でも誰かに絡まれてるよな...」


衝撃に顔を上げると、見覚えのある顔が目の前にあった。

とても呆れた表情で私を見ている彼は、溜息を吐いていた。


海希「ジャック?」


ほんのり頬が赤い。

お酒を飲んでいたのか、彼の目は少し眠たそうにトロンとしている。


彼に引っ張られながら、人集りを掻き分けその場を離れる。

人の少ない場所まで来ると、彼は私の手を離してくれた。


ジャック「狼も双子もあっちの世界じゃ有名な奴らだ。もしかしてそう言う黒い世界に興味でもあるのか?」


あっちの世界とは、きっとそう言う世界なんだろう。

人身売買や、銃の取引。

そう言った危ない世界。


当然、私には何の興味もない世界だ。

むしろ、関わりたくない世界。


海希「ジャックも来てたのね」


白いスーツがよく似合う。

白のネクタイで、とても落ち着いた印象だった。


髪は柔らかそうに、ふわふわとしたパーマで癖をつけていた。

仕事人の真面目な彼のイメージではない。

逆に、そのギャップが良いのかもしれない。


ジャック「そんな気はさらさら無かったよ。ビアンカに無理やり連れて来られた」


海希「ビアンカも来てるの?」


すると、ジャックはホールの真ん中辺りを指差した。

目を向けると、そこにはビアンカがいる。

ダンスを楽しむ人達の中に、彼女は居るのだ。


タキシード姿の7つ子の老人達。

8人で輪になり、踊っている。

それも、物凄い笑顔を撒き散らしながら。


海希「...まるでお遊戯会ね」


ビアンカがそれで良いなら、私は構わない。

たとえ、周りに変な目で見られていてもだ。


ジャック「あんたも何か飲む?持って来るけど」


海希「うん、いただこうかな」


ジャックが飲み物を取りに、一旦私と別れた。

しばらく待っていると、両手に色違いのお酒が入ったグラスを持って現れた。


ジャック「どうぞ」


海希「ありがとう」


差し出されたグラスを受け取る。

私が手に取ったと同時に、先にジャックが自分の分をクビっと飲み切ってしまった。


海希「あなた...強いの?」


目が...目がやばそうなのだが。

それに、足元もふらついているように見える。


ジャック「強い?僕が弱い男に見える?」


なんの話をしているのかは分からないが、きっと私が思うものに対しては強くないのだろう。

一体、何杯飲んだのか気になるところだ。


ジャック「で?あんたは1人で来たの?」


海希「1人じゃないけど...今は1人ね」


他の2人がどこにいるかは分からない。

もしかすれば、何処かで異性とダンスを楽しんでいるのかもしれないし、飲み物やご馳走に夢中なのかもしれない。


ここにピーターがいれば、喜んで紹介していただろう。

けれど、こんな広い場所であの2人を見つける事は至難の技だ。


ジャック「じゃぁ、僕と同じな訳だ」


海希「あなたは踊らないの?」


ビアンカはあんなに楽しそうに踊っている。

お遊戯会は御免だが、ジャックは真面目だし、彼のような人にエスコートされるなら安心出来る。


ジャック「得意じゃないし...踊りたい相手もいないから」


と、彼は新しいグラスのお酒を飲んでいる。


もしかして、彼はずっとこうやって1人で飲んでいたのだろうか。

驚いた事に、こいつは何処に行ってもぼっち人間だった。

ここまでくると、なんだか哀れに思えてくる。


海希「ビアンカを誘えば良かったのに」


ジャック「そんな事できる訳ないだろ。シジィ共に何を言われるか」


海希「じゃぁ、ここに来てる子を誘ったらどう?1人くらいいるでしょ、タイプの子」


ジャック「俺がナンパするような奴に見える?」


海希「...見えないわね」


彼は真面目なのだ。

むしろ、ジャックがそんな事をしていたらがっかりだ。

イメージに合わない。

そのイメージを、どうか崩さないで欲しいとさえ思う。


ジャック「あんたこそ、踊りたい相手とかいないのか?さっきの狼とかさ」


何故ロイゼが出てくるのか。

口に含んでいたお酒を吐きそうになってしまった。


海希「あんな奴と踊りたい訳ないでしょ?乱暴だし、エスコートも出来なさそうな奴」


ジャック「それ言えてる。食べる事しか頭に無さそうだしな」


...食べると言うのはどう言う意味で言ったのだろう。

ジャックの口から、アダルティな意味合いが出ないと信じていたい。

どうか、このまま信じさせてくれ。


海希「ロイゼと踊るならあなたと踊るわよ。ジャックの方が、ダンスもエスコートも上手そうだもの」


それに、何度も言うが彼は真面目だ。

ロイゼなんかより、全然信頼出来る。


ジャック「え?」


トロンとした目が丸くなった。

その頬はもともと赤みがかっていたのでよく分からなかったが、少し照れているのは分かる。

女慣れしていないジャック。

とても純粋で、分かりやすいタイプだ。


彼は持っていたグラスのお酒を一気に飲み干した。

そんなに勢い良く飲んでしまって、彼は大丈夫なんだろうか。


けれど、私の心配を他所に、彼は空になったグラスをテーブルの上に豪快にドンッと置いた。

そんなジャックが、思い切ったように口を開く。


ジャック「...じゃぁ、踊る?」


ジャックのトロンとした目が、私を見つめている。

一瞬、私の聞き間違いなのかと耳を疑った。


海希「え?」


ジャック「だから...」


体を揺らしながら、私の方へと近付いてくる。

彼との距離に戸惑いつつ、私は逃げるように後退った。

けれど、逃げ場を失った私は壁へと追い込まれ、ドンッ!!と頭の横に手をつかれてしまった。

彼の腕で完全に逃げ道を失い、目と鼻の先にはジャックがいる。


これは、俗に言う壁ドン。

女の子なら誰でも一度は、好きな男にされてみたい事だろう。

私も、壁ドンは初体験だ。


ジャック「僕と踊る?」


これは....


こんな誘い方は聞いた事がない。

と言うか、別の意味で誘われているようにしか見えない。

ここにもアダルティ要素を見つけてしまった。

逃げても逃げるても、ピンクな空気が私を追いかけてくるのに恐怖を感じた。


海希「あなた、確実に酔っているわね!?」


顔が近い。

真面目なジャックが、こんな事をするような人じゃない事は分かっている。


ジャック「酔ってないって。で?踊るの?踊らないの?」


海希「一体何杯飲んだのよ?!踊らない!踊らないからやめて!」


いつものジャックがダンスに誘ってくれたのなら、私だって受けていたかもしれない。

けれど、彼は酔っている。

彼にお酒を飲ませてはならない。

これは教訓になるし、彼をここに連れてきたビアンカに注意するべきだ。


ジャック「僕と踊れよ。それとも、あんたは僕の事が嫌い?」


しかも命令形...

完全にキャラが崩壊している。

心臓がバクバクと鳴っていた。

それに、一体何の話をしているんだ。


海希「とりあえず離れてよ!近過ぎるでしょ!」


ジャック「こんなの近い内に入らないよ。このままキスぐらいしたら近くなるだろうけど。なんなら試してみる?」


海希「ちょっと!?」


いつの間にか、とても強引な男になっている。

壁に両手をつけられ、逃げられない。

私は、もう真面目でもなんでもない男に迫られているのだ。


こんなジャックは嫌だ。

まさか、お酒が彼をこんなに豹変させるなんて...

これは、確実にビアンカにクレームを入れるしかない。


??「あれ〜?もしかして、あの時のお嬢ちゃん?」


ジャックの背中から、ひょっこりと顔を出した男。

長い髪を綺麗に束ね、黒のタキシードに白のネクタイ。

ダンディなおじ様の雰囲気を醸し出している。


海希「...誰!?」


男「えぇ〜?おじさんの事もう忘れたのか?おじさんだって。ほら、笛吹きの...」


男は横笛を吹く動作をしてみせた。

思い出したのは、変な帽子をかぶった胡散臭い男の姿。

道端で不自然に倒れていた男に、私はしつこく絡まれた気がする。


海希「エリック!?」


朧げな記憶を辿り、なんとか思い出した名前。


全くの別人だ。

小汚い男が、今やどこぞのお金持ちのダンディなおじ様。

別人過ぎて、目を疑ってしまう。


エリック「なんだ、覚えているじゃないか。こんなところでカップルがイチャコライチャコラと...って思ったら、お嬢ちゃんだったのか」


海希「カップルでもないし、イチャコラもしてない!」


私は思いきって、ジャックを押しのけた。

その勢いにふらついたジャックを、エリックが受け止める。


ジャック「たくっ、なんだよ。せっかく僕が誘ってやったのに...」


と、ブツブツと何か呟いているジャック。


やはり酔っている。

目の焦点が合っていない。


海希「危ないところだったわ...」


立て続けに危ないシーンに出会してしまった。

やはり、この世界は危険に溢れかえっている。

私の心臓がもたない。

とても野蛮だ。


エリック「可哀想に。もしかしてお嬢ちゃん、彼の誘いを断ったのかい?男が女に振られるのって、凄く、物凄〜く辛いんだぞ?」


どうしてジャックの肩を持つんだ。

しかも、別に彼を振った訳でもない。


エリック「男ってのはさ、軽く誘っているつもりでも相手に嫌われないようにだとか色々考えて行動してるんだ。だからさ、お嬢ちゃんも分かってやれよ?俺は見てなかった事にするからさ、どうぞ続けて続けて」


海希「何を続けさせるつもりなのよ!?」


続きなんてない。

ジャックはそんな人間でもないし、ただ酔っているだけだ。


海希「そもそも、彼は友達なの!そう言うのじゃないんだから!」


未だにブツブツと呟いているジャックを無視し、私はエリックに訴えた。


何を勘違いしているんだろうか。

こんなアダルティな世界は、終わらせなければならない。


エリック「えぇ?そうだったのか?じゃぁ、おじさんの早とちりか...でも、最近の子は友達同士でも人前で大胆なんだな〜」


まだ勘違いしている。

このオヤジめ。

何しに絡んできたのか。


私は、持っていたグラスの残りを一気に飲み干した。

近くのテーブルに置くと、まっすぐに外へと続く扉に向かった。


エリック「おい、お嬢ちゃん!どこ行くんだ?!」


海希「ちょっと風に当たりに行くのよ。なんだか、私も疲れちゃったから」


体が熱い。

お酒のせいもあるが、きっとこの男共のせいだ。


エリック「1人でか?って言うか、こいつはどうするんだ!?」


海希「椅子に座らせて休ませておいて。たぶん、ビアンカがその内迎えに来るでしょ」


もともと、私の連れではない。

私が責任を取らなくても大丈夫....の筈だ。

これは、ビアンカの責任。


私はエリックにそれだけ言って、振り向きもせずに歩いた。





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