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OTOGI WORLD   作者: SMB
* fall in otogi world *
22/92

甘くないお菓子の家


女性「ありがとうございました〜」


扉を開くと、可愛らしい鈴の音が私を見送ってくれた。


さっきまで着ていた服を袋に包んで貰い、新しく買った服を着込んでいる。

とてもメルヘンな、私の歳には似合わない服。


その中でも、落ち着いたものを選んだつもりだった。


兵士「チェシャ猫を見た者は、ただちに報告せよ!有力な情報を提供者は、報奨金を与える!」


ビラを撒き散らす兵士達。

私は赤い頭巾を深くかぶり、地面に落ちたビラを拾い上げた。


印刷された写真。

こちらに銃を向けた、レイルの姿。


兵士「チェシャ猫には仲間の女がいる!そいつを見た者、知る者も、ただちに報告するのだ!」


体が跳ねる。

なるべく身を小さくさせて、兵士達が通り過ぎるのを待っていた。

変装の甲斐あって、相手にバレずに素通り出来た。


海希「はぁ....」


溜息が漏れた。

どうして私がこそこそしなければならないのか。


これはきっとレイルのせいだ。

完全に巻き込まれている。


厄介ごとに巻き込まれるのが一番嫌いだ。

こんなに世界観溢れる場所なのに、ゆっくりショッピングも楽しめないなんて...

もの凄く損をしている。


私が城下町にいるのは、朝からあの猫の青年の姿がなかった事と、1人でいても暇だったからと言う理由だった。


レイルの置き手紙(「ちょっと出掛けてくる。心配はいらない」)と、少しばかりのお金が置いてあった。


それで私はここにいる。

ここに来て初めて1人で出歩いているのだ。


服を見たり、本屋へ行き立ち読みをしてみたり。

現実のように楽しんでいる。

ここが現実世界のように、人々が歩き、素敵な商品が並んでいるからだ。


海希「あれ?」


町中を歩いていると、見覚えのある少女が立っていた。

お客にマッチを売っている。


海希「ドロシー!」


私が呼ぶと、彼女はこちらに気が付いた。


ドロシー「アマキ」


海希「働いているの?大変ね」


ドロシー「これがお仕事だから。あなたは何をしているの?」


そう言うドロシーは、私の事を頭の先から足の先まで観察しているようだ。


ドロシー「とっても可愛い。似合ってるわ」


私なんかより、彼女の方が可愛い。

今の笑顔だって、とても愛らしくて眩しいのだから。

恥ずかしくなり、私はフードを脱いだ。


海希「ちょっとね。退屈してたから、遊びに来たの。あ、一つ買うわ」


前に後悔した事を、実行してみる。

まだ使い道は無さそうだが、友達の仕事の応援だ。


ドロシー「ありがとう。マッチで良いかしら」


商品を受け取り、ポケットにしまう。


海希「ねぇ、休憩とかないの?もし都合さえ良ければ、私と歩かない?」


ドロシー「ごめんなさい、これを売り切らないといけないの」


とても残念そうにする彼女。

きっと、それがノルマなのだろう。

仕事なら、仕方がない事だ。


ドロシー「でも、もう少しで終わりそうだから、あなたが迷惑じゃなかったら、待っていてくれる?」


海希「え?良いの?」


優しく微笑みながら、ドロシーは頷く。


ドロシー「そうね....私のお勧めのお菓子屋さんがあるの。そこで待っていてくれる?」


海希「うん!分かった」


ドロシーに地図で説明して貰い、そのお菓子屋へと向かう。

見た目で、とても分かりやすい場所だと言っていた。


賑やかな場所から、結構な距離を歩いた所にそれはあった。

それだけが、ポツンと取り残されたようにたたずんでいる。


そして、この落ち着いた雰囲気に似つかわしくない建物。


海希「....うわぁ...」


確かにここが、誰がどう見てもすぐにお菓子屋だと分かるだろう。

その美味しそうな見た目から、今にも甘い匂いが漂ってきそうだ。

何しろ、お菓子の家なのだから。


海希「これ...本物?」


ビスケットでできた扉。

レンガ調の壁は、チョコレートを積み上げている(セメント代わりなのは生クリーム?)。

所々に、金平糖の飾りが付いていた。

見事な事に、窓の枠までお菓子できていそうだ。


メルヘン過ぎる。

昔、こんな家があるなら住んでみたいと思っていたが、それは子供だった頃の話。


海希「って、なんだ、やっぱり偽物か」


ドアノブに手を掛けた質感。

本物にとことん似せたプラッチック素材。

変な趣味の店主だ、と少し呆れながら扉を開けた。


??「いらっしゃーい」


カウンターにいたのは、少女だ。

この世界では、子供までもが働いているのか。

少女はニコニコと、私に笑顔を振りまいている。


少女「今なら新商品が食べられますよ?ミックスベリーのチーズタルトや、ハーブティー風味のクッキー。どれも美味しいですよ」


ショーケースに並べられたお菓子たち。

どれもこれもキラキラ光っている。

ドロシーのお勧めだけあって、さすがだ。


海希「....美味しそう」


ゴクリと喉を鳴らす。

しかし、私は我慢した。


海希「ここで人を待たせて貰っても良い?」


少女「えぇ、どうぞ。お好きな席へ」


こじんまりとした店だ。

全体の造りが木でできていて、とても温かみを感じる。


他のお客はいないみたいだ。

私は、近くにあったカウンター席に腰を下ろした。


海希「とても良い店ね。お菓子も美味しそうだし、雰囲気も落ち着く」


外観は別だ。

けれど、中に入ってみれば良くあるお店の雰囲気。

女子トークをするのにはうってつけの店だと言える。


少女「ありがとう。うちの店の商品は、どれもよく売れているわ。お友達がやって来たら、ぜひ食べて行ってね」


海希「その子のお勧めでここに来たの。きっと、あなたも知っている子だと思うわ」


こんな可愛いお店なら、ドロシーも好きそうだ。

お勧めした気持ちも分かる。


少女「あら、どのお客様かしら」


海希「ドロシーよ」


あぁ、っと納得したように頷く少女。


少女「ドロシー....どっちのドロシーが勧めてくれたの?」


どっち?


ドロシーと言う名の少女が、2人いるのだろうか。


少女「あなたを見たところ....きっと泣き虫のドロシーね。あの子ならお菓子を勧めるだろうし」


海希「??」


お菓子屋に来て、お菓子以外に何を勧めるのだろう。

頭にクエッションが浮かんだが、その疑問は次にやって来た人物のおかげで掻き消えた。


ピーター「やぁ。どうも、グレーテル」


またしても見覚えのある青年。

相変わらず目に優しい、緑色まみれの男。


グレーテル「いらっしゃい、ピーター」


そして、グレーテルと呼ばれた少女。

まさしく、お菓子の家に相応しい。


ピーター「....あれ?君は何しているの?」


こちらに気付いたピーターは、私を見て驚いていた。

こんな可愛いお店でピーターに会えるとは、なんだか変な気分になる。


海希「どうも」


軽く返事をする。

ピーターもお菓子が好きなのだろうか。


ピーター「君とこんな所で会うなんて、思ってなかったよ。レイルと一緒?」


海希「1人よ。ドロシーと待ち合わせ」


ピーター「へぇ、ドロシーと...レイルが知ったら嫌がりそうだな」


ドロシーの事をそこまで嫌うレイルも不思議なものだ。

見た目からしていじめっ子なレイルと、いじめられっ子なドロシー。

相性が良いのか悪いのか、よく分からない。


グレーテル「あなた達、知り合い?」


私達の会話を、不思議そうに聞いていたグレーテル。

首を傾げながら、私とピーターを交互に見ている。


ピーター「そう。俺の友達なんだ」


なんて響きの良い言葉。

勝手に恋人呼ばわりされる事のない、理想とした紹介だった。


グレーテル「へぇ...レイルとも知り合いなの?」


ピーター「レイルの恋人...で良かったんだっけ?」


わざわざ私に確認をとるところが、ピーターの人間の良さを感じる事が出来る。


海希「違うわよ」


きっぱりと答えた。

それが本当の答えだ。


ピーター「まぁ、彼女もレイルの友達だよ」


ピーターは、グレーテルに再度言い直していた。


ピーター「えっと、塩キャラメルのバームクーヘンが1つと、かぼちゃプリンを3つ。それから、生チョコケーキを1つと、レモンのパイを7つ。あと、ポテトのゲベックを忘れないでね」


そんなに食べるのか!?


と、ツッコミを入れたくなった。

ピーターは大のお菓子好きだったようだ。

いや、もしかすると、誰かへプレゼントするものなのかもしれない。


ピーター「ねぇ、アマキ。俺の買い物が済んだらさ、俺とも付き合ってよ」


海希「え?あぁ...別に構わないけど」


俺の買い物ってなんだ。

さらにお菓子を買い付けるつもりなのか。


さすが常連。

ショーケースに並べられているお菓子を、半分以上買い上げてしまうかもしれない。


ピーター「グレーテル、トイレ借りるよ」


グレーテル「えぇ、どうぞ」


店の奥へと入っていくピーター。

きっと、この店を大いに支えている事だろう。


グレーテル「ねぇ。レイルがここに戻って来てるって本当なの?」


急にレイルの名前を出され、体がピクリと反応してしまった。


海希「え?あぁ...そうね」


答えに迷ったが、彼女もピーターと仲の良さそうな雰囲気だった。

きっと、レイルとも友達だろう。

それなら、教えてあげても良い気がした。


グレーテル「へぇ...あの兵士さん達が言っていたのは本当だったんだ」


ショーケースから少し身を乗り出し、とても興味津々な様子なグレーテル。


グレーテル「じゃぁ、あなたがレイルと一緒にいたって言う女性?」


やけに訊いてくる。

そんなに気になる事なのだろうか。


海希「う〜ん...たぶん、そう...かな?」


私だとは言い切れない。

レイルに本当の恋人がいて、その彼女の事を示しているのかもしれないし、ドロシーのような女友達と歩いていた所を目撃されたのかもしれない。


けれど、高い確率で私だと思う。


グレーテル「そう....そうだ、今ちょうど試食用のお菓子があるんだけど、食べない?」


カウンターの向こうからやって来たグレーテルの手には、ドーナツの乗ったお皿があった。


チョコレートソースがふんだんに掛けられ、ホイップクリームと苺が挟んである。

とても美味しそうだ。


海希「いいの?」


丸々一個で出てきたドーナツ。

試食用にしてはとても贅沢だ。


グレーテル「えぇ、試食用だから。試食用だから、一口食べれば味は分かるわ」


やたらと、試食用という言葉を口にする。

まるで、それをやけに強調するかのように。

一口で分かるなら、一口分だけ切り分けても良さそうな物だが、せっかくなので頂くことにする。


海希「じゃぁ、せっかくだし頂こうかな」


美味しそうなドーナツ。


口に生クリームがつかないように、少し遠慮がちにかじってみる。

とろけそうなほど甘いクリームと、濃厚なチョコレートソース。

そして、苺の酸味が口の中で広がる。


グレーテル「ねぇあなた、名前は何て言うの?」


海希「海希よ。稲川海希」


口をもぐもぐさせながら、私は答えた。


普通に名乗ったのだ。

私の世界では、普通の事なのだから。


美味しそうに食べる私を、グレーテルはジッと眺めていた。

目線を少しも変える事なく、ただ眺めている。


海希「あなたは...」


グレーテルって名前なのね。


その言葉を口にしたつもりだった。


...声が出ない。

何度声を発しようとしても、声が出ないのだ。


グレーテル「...あなた、ここの住人じゃないのね」


手が震え、持っていたドーナツを落としてしまった。

食べかけたドーナツは、無残にも床にべチャッと崩れる。

そのドーナツのように、私も床に転げ落ちた。


海希「??!!」


金縛りにでもあったかのように、体が言う事を利かない。

全身が痺れ、動けないのだ。


グレーテル「眠らせても良かったんだけど。レイルの事も聞き出さないといけないから....あ、でも喋れないんじゃ、一緒か」


私を見下ろすグレーテルの顔。


少女の表情は、とても冷たい。

さっきまで可愛らしさはなく、恐怖に満ちている。


グレーテルは、私の両脇に腕を入れズルズルと床を引きずっていく。

体が動けない以上、なんの抵抗もできないまま、私はただ引きずられていた。


ピーター....!!!!


彼の名前を何度も呼ぼうとした。

それも虚しく、口をパクパクとさせるだけで終わってしまう。

トイレに向かったピーターは、戻って来る気配がしない。


グレーテル「恨まないでね。これも、お金の為なんだから」


兵士達が町中で、レイルと私の情報を渡せば、報奨金が出ると言っていた。

その事を、ズルズルと引きずられながら思い出す。


そこで、やっと理解出来た。


この子は、お金目的で私を使いレイルを見つけ、私達を兵士達に売ってしまうつもりなのだ、と。


レイルやピーター、そしてドロシー。

心を開いてくれた人は、必ず名前を名乗ってくれる。


けれど、彼女の名前を私はまだ聞いていない。

なのに、どうして名乗ってしまったんだろう。

レイルに忠告された事をすっかり忘れていた。


いや、忘れていた訳ではない。

初対面の相手なのに、ピーターに会った事で警戒心が緩んでしまったのだ。


ドロシー「こんにちは〜」


何ていいタイミングなんだろう。


店の扉を開く音。

そこにドロシーが入ってきた。

相変わらず可愛らしい少女。


私と目が合うと、彼女は悲鳴を上げた。


ドロシー「アマキ!」


駆け寄る彼女を無視し、グレーテルはなおも私を引きずっていく。

奥の扉を体で押し開け、外へと出た。


ドロシー「グレーテル!あなた、彼女に何をしたの?!」


グレーテル「ドロシーのおかげよ。これで、新商品がたくさん増える」


裏庭に出たようだ。

とても殺風景で、所々には怪し気な木箱が置いてある。

ここまで連れてくると、グレーテルは乱暴に私を離した。

まるで荷物のように、私は地面に転がる。


ドロシー「彼女はあたしの友達よ!酷い事はしないで!」


グレーテル「安心して。報奨金が出たら、あなたと私で折半しましょう。私は欲張りじゃないから、あなたにもお礼として分けてあげる」


ドロシー「そう言う問題じゃないわ!」


ドロシーは、今にも泣き出しそうだった。

大きな瞳には、うっすらと涙を浮かべている。


何も出来ない私は、二人のやりとりを見ているだけしか出来ない。


グレーテル「なら、こう言う問題なのかしら?」


ドロシー「!!!!」


ガチャリと構えた銃。

レイルが持っているものより大きな物だ。


グレーテル「威力は低いけど、こんなに近いんじゃぁ、当たれば死ぬわよね」


ドロシー「あなた...!!!」


グレーテル「あぁ....あなたは確か、このタイプのサブマシンガンは好きじゃなかったわね。せっかく入荷したてのマシンガンを見せてあげようって、兄さんが楽しみにしていたのに」


ドロシー「こんな...こんなのって...酷い....」


泣き出してしまうドロシー。

そんな彼女を、グレーテルは無情にも冷たい眼差しを向けている。


グレーテル「だったら黙っててくれる?あなたはこの人と友達なんでしょうけど、私にとっては友達の友達。それって、もうなんの関係もない他人よね」


私の両手をロープで縛り始める。

ドロシーは悲しそうに、ただ泣いていた。

ポロポロと流れる涙は、私の頬に落ちる。


海希「....な....いで...」


泣かないで。


人の心配をしている場合ではないのは分かっている。

しかし、彼女の泣いている姿は見ていてとても悲しい。


グレーテル「無駄よ。この子は泣き虫ドロシー。泣く事しか能がないの」


酷い言い草だ。

泣かせてしまったのは、私のせいでもある。

こんな少女に騙されてしまい、悔しい気持ちでいっぱいだ。


レイル....


レイルがいれば、なんとか逃げだせたのに。

最近の記憶が、まるで遠い記憶のようだ。

空から落ちたあの感覚が、今なら怖くないかもしれない。


思い浮かぶ、猫の青年。

もう少し優しく接してあげるべきだったと、心から後悔した。


キンッ!!!


グレーテル「...っ!!!!」


グレーテルの手から、銃が落ちる。

その先にあった木箱に突き刺さった小型のナイフ。


扉の前に立っていたのは、ピーターだった。


ピーター「女の子3人で、楽しくお喋り?なら、俺も混ぜてよ」


呆れたような表情を浮かべた緑色の青年。

本当にそんな風に見えているのなら、彼は空気が読めない人間だ。


ピーター「....で?アマキを縛り上げて、おまけにドロシーまで泣かせて、君はいつからそんなガキ大将になったんだ?」


グレーテル「....ちっ」


少女らしからぬ舌打ち。

ピーターを睨みつている。


??「何をしているんだ、グレーテル?」


ピーター「!!!」


救世主が現れ、ホッとしたのも束の間だった。

ピーターの背後にいた少年は、彼の頭に銃を突きつけていた。


グレーテル「兄さん」


グレーテルのお兄さん。

つまり、彼の名は...


ピーター「おいおい、ヘンゼル。さっきまで俺と仲良くナイフの話で盛り上がってたろ?」


ヘンゼル「それはそれだよ、ピーター。可愛い妹の危機だ」


出た!出ました!

と、こんな状況なのに感動してしまう私はとても馬鹿だ。


グレーテル「彼女は、お城の人が探している女よ」


ヘンゼル「なるほどね、それでこんな事をしていたのか。なら、僕を呼んでくれれば良いのに」


まるで、悪い事だと思っていないような言い方だ。


いや、私の方が悪者なのか。

なにせ、指名手配犯の知り合いなのだから。


ピーター「ヘンゼル、邪魔しないでくれるか?彼女は俺の友達なんだ。乱暴な事はよせ」


ヘンゼル「君の友達だろうけど、僕の友達じゃないから止める理由はない。そっちこそ、僕達の邪魔をしないでよ」


とても穏やかな口調だが、内容とやっている事はとても穏やかじゃない。


ヘンゼル「君は大事な客だ。怪我はさせたくない」


カチャリと音がする。

少年は、ピーターを脅しているのだ。


ピーター「...なら、客にはもっと優しくするべきだ」


ヘンゼル「!!!!?」


ピーターが素早く振り返り、向けられた銃の銃身を掴む。


途端に、その銃は奇妙な音を立てながら色褪せていく。

最終的には形が保てなくなり、分解されたように、ポロポロと破片が剥がれていく。

一体、何がどうなっているのか分からないが、銃がボロボロになっていくのだ。


ヘンゼルはピーターに向けて撃ったが、軽い音を立てただけで不発だった。


宙を飛び回るピーターを、ヘンゼルは他の銃を引っ掴み、銃声を響かせた。



















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