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征空の海鷲  作者: j
1944 出動せよ、瑞鶴戦闘機隊
39/52

陸軍 鬼神の突撃隊2

そろそろ終わりに入る頃になります。

――サイパン島 アスリート飛行場 27日深夜

「各自、火炎瓶、地雷、手榴弾、爆薬を携帯せよ」

 アスリート飛行場からすでに目と鼻の先と言う地点であり、いつもどおり闇に包まれたサイパンは静まり返っている。聞こえるのは緊張で高鳴る心臓の音だけであった。

 突撃隊長と言う役目で歩兵100名をつれての大隊の生命を背負う責任があった。しかしもう私のやることは、飛行場に設置された軍司令部の司令官の首を取ることばかり考えていた。

 生暖かい地面に伏せ、手に握った軍刀。


 そして予定時刻の2200、海軍の爆撃機が15分後奇襲のため襲来するとの事である。そして、

パッっと背後から轟く迫撃砲の砲声に夜景は一瞬にし真っ白な空間を作り出し昼の様な明るさを作った。

「突撃!全軍進めーっ!」

 兵士の吹く大きな突撃ラッパが鳴り響く。

 壕から一斉に出てきた歩兵達に混じり、アスリート飛行場の中に突撃を開始!後に続く戦車隊の戦車砲が火を噴き、たちまち飛行場は肉薄でぶつかる戦地となった。突然の事に驚いた米兵の頭を薙ぎ払い頭を失った胴体を蹴り飛ばした。

 

 赤く燃え上がる大型爆撃機が次々とガソリンに引火し炎は柱となり飛行場を包んでいき、地震のように横ぶれする航空爆弾の爆発に我々突撃隊は怯まず、逆に鬼に成り代わる前兆となっていた。雄叫びに紛れ敵と味方の血と屍が増えていく。

 飛行場を防御する塹壕陣地に篭る米兵に鋭く長い銃剣が突き刺ささり、後方から発射される迫撃砲に弾薬庫、宿舎が爆発する。


 白い服に身を包め、腕のに"MP"と言わば憲兵の米兵がガーランド小銃を我々に向けて連射する。そしてジープも駆けつけ車体に搭載された旋回式の13mm重機関銃を撃ちまくり、敵味方問わずなぎ倒し撃たれた兵士は腹から腸を飛び出し、果てには下半身が引き裂かれ虫の息になると地獄絵図となっていたが、私はお構いなく刀と拳銃を手にし鬼の如く敵を斬りまくった。


 ガバメント拳銃で機銃手、MPに何回も火薬が爆発し銃は撃たれる。狙った敵は鮮血をあげながら倒れていき、私のすぐ脇に恐怖に負け失禁した米兵が銃を構えるも彼は涙声で何かを言っているが聞き取れない。

怖いか、私を見るのが。君を生かすとまた誰かが死ぬのでね・・。


 向けられたカービンM1を刀で払いのけ左手に持っていた拳銃をやつの眉間に向け、引き金を倒した。懇願はむなしいものである。ヘルメットから溢れる血に白目を向かせた兵士は仰向けに、流れるガソリンが死体を蝕んでいくと突然青い炎を燃え上がらせ、ジューと肉が焼ける。タバコ以上に酷い臭いが鼻に入り私は思わず手で押さえ、その場から去り敵の司令部施設に向かい走っていった。

「増援の敵戦車だ!!」

戦友の大きな声に、1両のシャーマンM4が雷の様な砲声と一緒に、随伴していたハ号戦車は吹っ飛ばされ戦車兵と車体諸共、火達磨が飲み込み彼らの悲鳴が耳の奥に刻まれ、「ああ!!畜生!」と涙も出ない悔しさの声を上げてしまうが、また今度は敵の歩兵がジャングルの闇から現れてきた。

 夜景に光っていた照明弾は無くなったが明るさは変わらなかった。敵と味方判別できるくらいに、周りは火の海になっていて喉も焼け次第には目が染みるように乾いていき瞼を閉じ、涙を出した時には痺れる様に痛い。

 屍の山になる中を走り抜き男達の雄叫びは次第に減っていく。異国語の言葉だけが増えていく。

 灰色の硝煙に混じり私とツネトは敵の陸上キャンプにたどり着き、無数のテント混じる中私はcommanderと言う看板の立つ半円形のかまぼこの様な兵舎を見つけ、中に入りトミーガンぶっ放す。司令室内に居た米兵5人は穴塗れになり血は生き物のように自ら流れ出る。火薬の硝煙が充満し虫の息になって生きているものは無慈悲にその場で脳を撃ち抜いた。


 そして、

「見つけたぞ」と無残に晒される弾痕塗れの机の下、敵の太ったコマンダーは震えながら隠れ手を上げた。撃つなと言う合図を無視し刃をやつの喉仏に当て、そのまま引き斬った時血管から溢れ出す血液が水道のように流れ出て、赤い雫は壁や床に散り顔にもかかった。


「戦友になんて顔をすればいい・・?」

 私の使命は大隊の"生命を背負う責任"しかしそれは今では彼らは減って行き、自らともに死ぬことをせずに自分勝手な行動をしたことに私は涙で視界が見えなくなる。

「私には分かりません・・。隊長が思う使命は遂げたはずです」



 敵の首を斬った自身の使命に複雑感を覚えながら私はまた軍刀を握っては、敵を殺す。頭の中ではそればかりになり、もはや感情さえも顔に出せなくなっていた。

「伏せろ!」

とっさの声に伏せた時だ。爆音を唸りあげ頭上を過ぎた無数の戦闘機は大型機に向かってバリバリと機銃を撃ちあげ、滑走路には大きな砂柱が無数に立ち上がり果てには無数の爆弾が降り注ぎ爆弾と一緒に大きく地面が揺れた。

「日本軍の飛行機だ!」

 私は美貴と一緒だったので零戦だとすぐに気づいた。そして正確な機銃掃射はアメリカ兵を退かせ、精密な急降下爆撃はジュラルミンの大型機を吹っ飛ばしては戦車、水陸両用戦車をまとめて撃破すると見事な腕前に、私は嬉しさと悲しみの混じった涙をこぼした。



 3日後の午前であった。

 敵の反撃にも耐え抜いた我々はまた新たにアスリート飛行場を手に入れ、フィリピンから鹵獲したB17爆撃機数十機が並べられた。そしてその真横に、勇士に闘った兵達の集合墓地が立てられた。決死隊ここに眠るとと言う看板と共に・・。

「もう私は地上で戦った。もう降りることはないな」

 墓地前に並んだわずか数名の独立戦隊員は血を流し涙を流し、顔と身体を汚し戦い、彼ら若い将兵らは涙いっぱいに流す。

八四戦隊・・。マレー作戦以来、よく戦ってくれたよ・・。ありがとう。

「隊長・・。お元気で」

ツネト・・。

「ああ、また内地でおう。ツネト、そして皆」


 血で塗れた銀の剣先を空に向け、

「第八四独立戦隊は解散する!皆、よく戦ってくれた!」

 私の声に皆が敬礼し、薄っすらだけ墓地から見えた戦友の面影が見えた。

「それでは各自解散!そして、ありがとう!」


 別れの声に私はその場から離れた。

 陸軍艦の援軍によりサイパン奪還は可能なった話に私はもうここから離れなければならない、なぜなら空が私を呼んでいるから・・。 

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