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征空の海鷲  作者: j
1943年 ラバウル海軍航空隊
28/52

ラバウル航空戦

展開早くなります

 また同じ友があの海戦から喜びで帰ってくるとき、出撃した数よりもまた減っていた・・。

 指揮所前の戦果報告で攻撃隊長を務めた古参のパイロットが、

「敵空母1隻中破!巡洋艦1隻撃沈、駆逐艦1撃沈、駆逐艦2中破!輸送船4隻撃沈、輸送艦2隻大破の戦果!!」


 これほどにもない多大なる結果で皆は大喜び万歳三唱が広げられ誰もが嬉しく笑って泣いて、だが私はとても複雑な感じで祝ってもいいのかわからかった。

「どうだ!瑞鶴航空隊の力、思い知ったか!」

「敵さんも涙ながしてるわ!」


 4月7日 2番機 栄優花戦死。彼女はもう乗ることもなく飛ぶこともなかった。

 後の鼎が中隊機から外れ私の小隊につく事になった。



 前、4月16日に突如としてら号作戦中止。何を思ったのか私にも分からず頭を切らした鼎は指揮官に不満をぶつけるもやはり大本営の命令の一言で追い返され、あのときの実行が無ければある程度の戦友は生きていたはずだと

 皆がテントで言った。


 5月に入ると航空学生および、陸軍学校生、海軍学校生による出陣命令が下され彼らは未熟な兵隊の一員となり加わり、このやり方に誰もが反対を持ち私も「命の無駄である」と不満をこぼした。

 そして12日、陸軍のユウコから「アリューシャン列島の守備隊が全滅した」と聞かされこの先の戦いが不利になりつつあると不安が沸き立つ。


 同年9月17日・・、ラエのラバウル隊はずたずたに基地をやられ東飛行場に撤退しまた新たに編成された。

 物量にものを言わせない相手と例の地獄猫も頻繁にラエを叩いてき、消耗を繰り返したらしい。

 そして連合国軍に占領された同時にラバウルの空襲はますます酷くなり貴重な飛行機は爆弾と言う鉄と火薬の塊で吹っ飛ばされ、我々は悔しさを深く感じた。


 一方陸軍のほうでも次第に数を減らしており撤退を考えているところらしい・・。

 赤道直下、寒いと言うことはそれほど感じない。

 11月21日、米軍がマキン、タラワに上陸するも守備隊は三日足らずで全滅。


 おまけに珊瑚、ブーゲンビル海域には敵機動艦隊が接近しているのであった・・。



 今日はここまで。今日は誰もいないテント下のところで日誌を書いてたとき、

「な~に書いてんだ?」

「わっ!」

 悪戯心満載に背後から日誌手帳を取られてしまい、ユウコにじっくり眺められてしまっては私も恥ずかしくてしょうがない。

「そろそろ1944年にはいるか、まったく早いもんだ」

「そうだねえ、もう私の零戦も剥げてきたよ」


 零戦・・。もう後継機が必要な年頃は過ぎているが私はこれでも戦うさ・・。

 それに、新しく塗られた青い鷲のシルエットが小さく、機首に入っているから海鷲の名を轟かせないとな。


 突然と慌てて航空搭乗員が宿舎から飛び出すと、白い服の整備士は飛行機に向かって一斉にエンジンを始動させた。

 鼎が時間に迫られ社員のように急いで救命衣のベルトを閉じながら「隊長、空襲です!敵の大編隊ですよ!」と言うので私は「落ち着け」と言う。

「敵大編隊!TBF8機、グラマン16機、コルセア10機、B24が4機です!」


「む、連日やってくるな。それじゃ行くとしよう」

 そう言って今回も楽しそうに戦に挑むユウコの姿があった。


<>

 ラバウル上空はいつもどおり成層が見えるくらいに青く広がっていて、今日も戦に励めると楽しい気分だ。

 陸軍機も随伴しているが、薄緑の鼻長戦闘機、飛燕が1機だけプロペラの回転が悪く私はじっと見守る。

『駄目だ、今日も調子が悪い』

 奈緒子さんの声だ。どうしたのだろう。

『また発動機不調か。もういい、戻れ。第五戦隊の連中は私の列機に入れておく』

 とユウコはちょっと不機嫌な口調で言うと飛燕は小さくなって、ラバウルに戻ろうとした。



 高度6000m。黒いゴマが多数正面に目視にて確認したら中隊を勤める私は翼を振る。

「正面敵編隊!」

『よし!陸軍隊、高度上げ!』

「今日は1機の犠牲も出すな!」

 大空を切り裂く味方、敵のエンジンが交じり合い私がもっとも体験するであろう大空戦が展開されようとする。

 この気配、地獄猫がいる・・!

 そしてF4Uコルセア、グラマンF6F・・。

 お前達の相手はこっちだ!と言うくらいに私はまず、1機のコルセアに思いっきり近づいて左手に添えていた機銃発射機をこの一撃とばかり強く押し、流れ光る弾丸がF4Uをズタズタに撃ち抜き炎に混じる黒煙を吐きながら落ちていった。


 入り混じる乱戦にF6Fが1機が機銃をぶっ放しながら殺到すると無線から「I have to shoot down!」と英語の声が入るがそんなの聞いてられず私は左に反転、愚かにそいつは直進し私は下の腹に機関砲を数十発撃ちみ、グラマンは途端に機首を落としラバウルの地に吸い込まれていく。

 中身をやったんだな。


 しかしこの空戦は同じ高度、同じ発見の為に高度を上げる余裕さえも無く海軍は不運にこのグラマンと戦うことになってしったが、陸軍の少数部隊はこれに応戦している。

 かといっても第八四戦とかだったり。

 B24は相変わらず、鷲に食われる虫のように簡単に食われていく。哀れだ。


 列機は必死になって親の背中を追うような子供のように私についていく。

 突然、太陽の日が消され真上を見上げると火炎達磨に激しく燃え上がる零戦が落下し、ぶつかる寸前。すぐさま操縦桿を左に叩き倒し急旋回。

 衝突は逃れるが味方機が続々と撃ち落されていく。


 しかし幸運に華麗な華が三つ、四つ。味方のだ。

 おまけに駆逐艦が急速で駆けつけて救命活動をしているところである。


 そして私は急上昇。私は丁度目に入ったグラマンを追うとこちらに気づき右に旋回、左に旋回と鬼ごっこをするかのような感じに私を誘い込むが嫌な予感がし、後ろを振り向いた。

 私は格好の狙いになっていた。

 グラマンの機銃はすでに撃たれ、すぐさま右に機体を滑らせた。

 被弾はしていない・・。何とも恐ろしい・・。


 このやり方は淵田長官が唱えた対グラマン戦法に似ている。サッチウィーブと言うべきだろうか。

 敵も研究したのだろう。褒めてやりたい。

「地獄猫出て来い・・!お前の為に鷲のマークも入れたんだ・・!」


 どこだ・・!

 動き回るハエ空戦を掻き分ける。

 必死になって私は探すと不自然に3機1機小隊を組む敵機が、少し上でグルグル回っていて目視すると黒猫印が機首に入ったグラマンが1機。そして赤いキルマークだけが見えるグラマン1機とコルセア1機。

 鼎に「やるぞ」と言い大きく頷く。

 そして三番機、齋藤澪(さいとうみお)と言う真珠湾攻撃以来の瑞鶴の搭乗員であり同じ戦友だ。彼女も私と同じ年代で、地獄猫の列機に混じる"グラマラスファイター"と言う奴を落とすことを目的にしていた。


 グラマラスファイター、魅力ある戦闘機。こちら側では特に無いけど油断は出来ない。

 各機が同じ高度でこの戦闘機隊に戦いを挑み、空戦の渦真上で我々は踊る。

 地獄猫は以前より腕を積んだのか中々後ろが取れない。


 身体を捻って目で奴を追う。距離は100mにも満たないぶつかりそうなドッグファイトだ。自慢の旋回性能も中々生かせずに誰が一番早く落とせるか、それだけしか考えていないくらいに私達は当てられると言う意気と一緒に機銃をぶっ放していた。

 交差する旋回で、ここだ!というところに13mm、20mm機銃を撃ちこんだ。

 手ごたえはあったものの、急な速度を落とされ私が前に飛び出してしまった。これにも必死な回避はするが金属同士が叩き合う音が後ろで何回かした。


 自慢の上昇機動!

 ぐっと操縦桿を引っ張りグラマンの機首だけを睨み続け、私は感覚で機体が半回転になったところ速度は増さずに失速、左に零戦を滑らせた。

 グラマンは急な動きについてこれずそのまま尻尾だけを見せて宙返り。視界がぐっと変わり海一面になったところ、地獄猫を追撃。


 彼も同じ大きな機体を晒したまま宙返りに入ろうとしたところ、照準いっぱいに写しだされたグラマンに機銃発射機を押した!

 機銃は何も発しずに呆然と奴に銃口を向けたままで弾が発射されない。

 どういうことだ・・。


「あ、弾切れだ」

 機銃の弾丸ベルトに鉛が一発も無い。

 地獄猫のループを眺めていると彼は近づき「弾切れだな」と日本人のように綺麗な日本語を発した後どこかに言ってしまった。

 勝負はまたどこかでな・・。


 空戦の様子はまだ続いていたがあれだけの数はかなり減っていたが幸いにも味方の損害は今日ばかり少なく

 何だか身体の重みがすっと抜けたような感じがした。


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