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ハリホと魔法少女  作者: AO
第一章 私が魔法少女になるまで
4/8

4 へんてこ改めハリホ

「レディー、君に魔法少女になってもらいたいのだよ」 


 今、変態は何と言ったのか。私の聞き間違い出なければ、そう、魔法少女と言ったような。


(間違いない。ロリコンの変態おっさんだわ。しかもロリにロリ服着せたがるコスプレ変態おっさんだわ)


 たしかにへんてこをどうにかしたいとは思うが、変態とは関り合いにはなりたくない。へんてこは無害とは言えないが変態の有害性を考えたらそんなもの小さいもの。変態よりはへんてこだ。へんてこ万歳。


(あーもー変態かへんてこか分からなくなってきた)


 取りあえず、変態的な申し出は却下の方向で。そうと決まれば、こんなところに長居する必要はない。さっさと図書館に行こう。そう決めて変態の手を振り払い今度こそ去ろうと決心する。ちなみに手を振り払った一番の理由は変態が「肌すべすべ」とか呟いてて気持ち悪かったからである。


「秋月彩ちゃん。これはレディーにとっても悪い話じゃないんだ。何度も言ってるが話だけでも聞かないかい? ついでにすりすりさせて欲しいのだよ」


 さすが変態だ。既に私の名前を知っているだなんて。これはストーカーの線も考えないといけない。そうそうに去るべきか、一応何らかの情報を引き出すべきか。これだから変態は嫌なのだ。まったく、変態なんて滅びれば良いのに。誰がすりすりさせるか。

 そんな風に考え事ばかりしていた私を、変態は近くの公園で話さないかと誘った。確かにあの公園子供は少ないがそれなりにじいさんばあさんはいるし。大声を出せば届く距離に交番もあったはず。まあ、安全かなと考える。それに、気づいたら後ろもへんてこに足止めされておりまるで公園しかないとでも言うようにそこだけぽっこりとへんてこが少ない。これはもう、行くしかないな。というか解放されたい。


×××


「えー、秋月彩たん。我輩の養女になって、じゃなくて魔法少女になってもらいたいのだよ」


 ……なんだか不穏な言葉が聞こえた気がしたが、とりあえずスルーしてこのへんてこのことについて聞こう。変態をベンチから落とし地面に座らせて、話を聴く。


「えー、変態。魔法少女うんぬんの前に、まずこのへんてこが何か説明しなさい」

「うへへ、変態って呼ばれたぁ。えーとね、レディーの言ってるへんてこなんだけど、我輩たちは『ハリホ』と呼んでるのだよ。なんでか見える人間と見えない人間がいてこうそこら中に存在してる不思議な生き物だね。それで、このハリホたちは人間の感情に大きく左右されるらしく、感じた感情を溜め込むみたい」

「感情を溜め込む?」


 いまいち意味が分からなくて首をかしげる。そこらへんに漂ってたへんてこ改めハリホを捕まえて耳を掴んでぷらぷらさせる。今捕まえたハリホは薄いピンク色をしている。この色が感情の表れだろうか。つまり、色がころころ変わっていたのは周りの人間の感情に影響されたから、とか?


「うん。首かしげ萌え~。ハリホは感じた感情を色にして表現するんだ。それで影響を受ける度にその感情を溜め込んでいくんだって。どうやって溜め込むのかってのは我輩たちもいまいちよく分かってないんだけど。取り合えずたくさんの感情の影響を受けすぎて溜め込みすぎたハリホは暴走するのだよ」

「こんなんが暴走してもたかが知れてる気がするけど」


 手のひらからぬけ出そうとしてるのか目をつぶって耳を揺らしぷるぷる震えてるハリホ。そして膝の上でふにゃぁとつぶれてる大きめのハリホ。こんな弱弱しいものが暴れたって特に問題は無い気がする。


「それがねえ、暴走したハリホは溜め込んだ感情を周りに放出し続けて周囲の人間がそれに共感してしまうのだよ。特に負の感情は人間に与える影響が大きくてねえ。放って置いたら結構大変なことになるっぽいよ」

「さりげなく足に触れようとしてんじゃねえよ」


 全く油断も隙もあったもんじゃない。変態の頭を足で地面にこすり付けて安全を確保する。


「女王様プレイとかご褒美ですか。彩たん」

「しまった。この靴もう履けなくなっちゃった」



ハリホ

主人公彩がへんてこと呼んでいたもの。周りの人間の感情によって体色が変化し、感情を溜め込みすぎると暴走するらしい。

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