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本編

本来なら、もっと早く書くつもりが……

今回は若干登場人物多いですが、

楽しんでください。

「誕生日おめでとー!」ぱぁん!

「「おめでとー!」」ぱぁんぱぁん!


俺が玄関を開けたら、クラッカーの音が鳴り響く。


「いやーサプライズって楽しいねぇ。ささ、主役は上がって上がって」


彼女に言われるがままに部屋に入る。

……合鍵、渡したっけ?

しかしそんなくだらない疑問はどうでもいい。

それよりも大事なことがある。

現在夜7時、

俺の誕生日は明日だっ!!





   ◇     ◇





交際してから4ヶ月。仲は良好。時たま喧嘩もするけど次の日には二人とも純粋(という名の単純)なので、すぐに仲直り。

でも、お互いに誕生日を知らないし、家族構成も知らない、そんな仲だと、思っていた。

誕生日を彼女が知っているのは嬉しい(手段は知らないが)。

だが、一日ずれているってどういうことだ!

誰に聞いた!親か?それとも兄弟か!誰だよ間違えて教えたやつ!


「ささっ、ハッピバースデートゥーユー、ハッピバースデーディア古谷~、ハッピバースデートゥーユー!蝋燭吹いてっ」


「……………………」


こいつ、俺が何歳だと思っているんだ?

蝋燭の数は21本。正解だ。

俺が大学一年生だが、浪人したり、インフルエンザに受験日にかかってしまったから、この歳で入学した。

うん、歳を間違えないのはいいけど、それを間違えないよりも、誕生日の日付を間違えないでくれよ!


「……ふぅーー」


「わー、パチパチー」


蝋燭を吹き消す俺。

……む、虚しい。気を使ってか、彼女の男友達が一人と、俺の友達も呼んでいるのが虚しさを加速させていく。

my friend、my birthday、覚えてなくていいから

間違えないでくれよ……。


「じゃあケーキ切り分けるよー、古谷はサンタといちご、どっちがいい?」


「…………苺で」


店のサンタは、その、不味い。

そうして、切り分けられたケーキ。

そして、俺のところには苺が。



他の三人には、三等分のサンタが……。

サンタ切るなよ…………。

おまけに綺麗に、体の軸に沿って切られている。

どこの猟奇的殺人事件だよ。

こどもがニュース見ると泣くぞ。

「うわぁん、サンタさん死んじゃったぁ!」

ってな具合で。


「さーて、いただきまーす」


「もう食ってまふ」

「実に美味」


……俺と彼女の友達自由人だ。


さ、て、と、俺も食うか。

虚しいケーキを。





   ◇     ◇





「あっはっはっはっ!」


「だから!乗挺×高さが四角形の定理なんだって!」


「そうだな、うん。よかったな、うん」


カオス。混沌だ。

あのあと、ケーキと共にシャンパンを開けて、みんなで飲むと、案の定酔っ払いが誕生した。

彼女の男友達と、


「あーもう、動けない~」


俺だ。不覚にも酔っ払ってしまった。

ね、眠い。ダルイ、体がふわふわする~。

このまま、寝てもいいくらいだ。

つーかもう、寝よっかな?

男が二人もいるんだから、ベットまではどうせ運んでくれるだろうし、今日くらい迷惑かけてもいいよな?

うん、よし、寝よう。お休み。

俺はテーブルに伏せた。


少し硬いが枕としては悪くはない。

睡眠導入剤は疲労、

BGMは酔っ払いの声。

お休みなさい。いい夢を………………………………………。


「ん?こいつ、寝たぞ」


「あー、寝かせとけ、寝かせとけ。どうせ中々起きやしないよ」


「まったく、まだまだお子さまなんだから」

うるせいや…………。






   ◇     ◇





「ん、んー」


「ああ、やっと起きたよ」


彼女の声が聞こえた。


「今、何時?」


聞いてみた。


「えーとね、早朝の2時くらいかな」


そこそこ寝ていないな。ま、こんなもんか。

ベットに運んでくれたかな。

そう思いまぶたを開く。

そこは、いつも寝ている寝室……ではなかった。

先程、祝っていたリビングだった。

え、あれ、俺、ほっとかれた?

まじで?


「誕生日おめでとー!」ぱぁん!

「「おめでとー!」」ぱぁんぱぁん!


クラッカーの音が鳴り響く

あれ、デジャブ。

見たこと、聞いたことあるような……。


「どう?驚いた?」


「あ、うん」


俺は曖昧な返事しか出来なかった。

さっきまでのは夢だったのか?

しかし、そうではないようだ。


「どう?どう?二段重ねのサプライズ。驚いちゃった?」


「お前ってやつは…………」


俺の目から水分がこぼれ落ちてテーブルを濡らす。

そのテーブルの上には小さいながらも様々な種類のケーキや食べ物が再び置いてあった。

疑ってごめんなさい。

俺の為にこんな、こんな。


「ん、何泣いてんのよ」


「いや……何でもない。何でもないんだ。ただ、忘れられてなくて、そのことが嬉しくて」


「う、うん。当然じゃない。なんたってあんたの彼女よ。そのくらい当たり前よ」


やっぱり彼女は最高の彼女だ。

今日、再確認させられた。


「俺の誕生日のために、こんなこと、開いてくれて、みんな、ありがとう」


潤んだ瞳をぬぐい、言う。


「そして、ごめんけど、改めて言ってほしいな」

俺は過ぎた願いを言った。


「いいよ」


「は、しょうがないな」

「致し方ない」

三人は声を合わせて、


「「「誕生日、おめでとー!」」」



俺を祝ってくれた。






こんにちは、水鏡良芽です。

今回は、蛇足のストーリーも

あるので、こうご期待を!








書けるかな……

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