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半日常っ!!  作者: カオス
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入学式


「え~、これからあなた達にはこの学校の生徒としての責任と誇りを背に、――」


 体育館に入場してから約十分経つ入学式の真っ最中である今、壇上ではハゲたおっさ……校長先生が長々とお話をされている。

 ただ、そんな校長先生のありがたくて、面白いお話も常人の俺にはどうにも理解出来ず、正直早く終わってほしいと願い続けているところだった。まあ、心なしもとい心ありか周りのやつを見たら、俺と同じように暇そうにしてるやつが結構いるように見えるが。


 そんな俺の希望とは裏腹に、その後校長の話……という名の拷問は約十分も続き、俺に精神的疲労を蓄積させるだけさせてからようやく終わった。

 これでやっと教室に戻れると期待したが、現実はそんなに甘くはなく、「え~、続きましては新入生の担任をすることになった先生方を紹介させて頂きます」という校長に次ぐ権力を持つ、もう一人のはげたおっさ……教頭先生の言葉で、担任紹介に移動しやがった。


 まあ、自分の担任になる先生っていうのがどんな先生かっていうのは気になるところだし、さっきの拷問よりはマシだが……。


「では、一年生の担任になる先生方は壇上に上がってお並びください」という声を皮切りに入口側でセットしていた六人の先生が一斉に歩き出して壇上に上がり、横に一列に並ぶ。

 どんな先生がいるのか気になり全員の顔を見ていくと、なかなか綺麗な顔をした女性の先生やなかなかのお腹をした大柄な先生、校長・教頭に次ぐナンバースリーのハゲ先生など、なかなか個性的な先生が揃っている。


 それにしても、うーん……なんだかこの学校にはハゲが多い気がするが、気のせいだろうか。まだ三十分程度しか経ってないのに既に三人も見たんだが……。


 右から流れるように一人ずつ見ていったので、最後にこちら側から見て、一番左に並んでる教師を見る。その顔は見覚えがあるものだった。


 さっき、俺と麦野さんが楽しく話していたところで、Fクラスの教室に来て邪魔をしたあの熱血教師だ。

 やはりあいつが俺らの担任になるのだろうか……。

 右に並んでいる先生から順に名前と担当するクラス、多少の言葉を言っていき、Eクラスの担任になったハゲトリオの一角の先生が終わった後、熱血教師の番になった。まあ、まだFクラスの担任だけ紹介されてないうえ、奴が最後の一人だから担任で間違いないんだが……。

 さて、これで夏は毎日スポドリ五百ミリリットルを大量に持っていかなきゃいけなくなっちまったな。


 まずは初めましてという常套句から入り、


「一年Fクラスを担任することになった、沢井隆だ! Fクラスは、とりあえず一年間はよろしくな!」


と続けて言う。


 それにしても、見た目だけではなく、声も暑苦しい奴だな。


 ……って、なにっ! 沢井だと! 何であんな暑苦しいやつが、そんな爽やかそうな名前してるんだ! どう考えてもお前は熱井だろ!

 よし、しょうがないからこれから俺の心の中ぐらいではお前のことを熱井と呼んでやろう。ありがたく思えよ、熱井先生。


「はい、熱井……沢井先生ありがとうございました」


俺と教頭の頭はリンクしてしまったのだろうか?


「これで一年生の担任になる先生は全て紹介しましたね。ではこれで平成○○年度第○回入学式を終わらせて頂きます」


たった小一時間程度なのにとてつもなく長く感じた入学式は、ようやく終わりを遂げた。


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