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女嫌いの俺が、他校の美術部女子を選ぶまでの話  作者: えーりん


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2/6

第2話 女嫌いと男好きは、噛み合わないはずだった

昼休み。


相川悠太は、

机の上に置いたスマホを睨んでいた。


間違いなく、

朝ぶつかった女のものだ。


ため息をつき、

ロック画面を見つめる。


(無理だろ)


適当に数字を押す。


1、2、3、4。


――解除。


「……は?」


思わず声が出た。


画面に映ったのは、

朝の女の自撮りだった。


茶色がかったツインテール。

やたら楽しそうな笑顔。


(……うるさそう)


そう思ったのに、

すぐに画面を消せなかった。


連絡先。


『湯原 千尋』


インスタを見ると、

別の高校の名前。


(取りに来る気、なさそうだな)


面倒だと思った。


でも、

放っておく選択肢は

なぜか最初からなかった。



放課後。


指定された高校の校門前。


知らない場所。

知らない空気。


(さっさと交換して帰る)


そう思った、その時。


「あ……!」


声。


振り向くと、

朝の女――千尋が立っていた。


「やっぱり……!」


スマホを差し出すと、

彼女は心底ほっとした顔をする。


その表情に、

なぜか胸が引っかかった。


指先が触れる。


一瞬。


ただそれだけなのに、

心臓が、少しだけうるさくなった。



帰り道。


自然と並んで歩いていた。


「相川くん、女嫌い?」


唐突すぎる質問。


「……余計なお世話だ」


「やっぱり」


なぜか嬉しそうに笑う。


「私、男好きなんだよね」


即答。


軽い言葉。

でも、不思議と軽く聞こえなかった。


笑ってはいたけど、

誰かに選ばれる前提で

話しているわけじゃない。


それが、

なぜか伝わってきた。


「……変な女」


「よく言われる」


即答。


また、胸がざわつく。


(なんでだよ)



別れ際。


「また会えます?」


軽い問いかけ。


断るつもりだった。


なのに。


「……用事があれば」


そんな曖昧な言葉を返してしまう。


その背中を見送りながら、

気づいてしまった。


また会う理由は、

正直、なかった。


それでも。


次に会う場所を、

頭の中で探している自分がいた。


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