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雲枕  作者: 葱と落花生
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150 出門春風吹吾芳草廃道停目万晴聴鳥観落平遠古寺孤愁大空断寸心何忘非我欲物化悠然

「あー、それね。出門春風吹吾芳草廃道停目万晴聴鳥観落平遠古寺孤愁大空断寸心何忘非我欲物化悠然と申します」

「誰が……その名前」

「あー、親ではないようですねー」

 こう言う出門春風吹吾芳草廃道停目万晴聴鳥観落平遠古寺孤愁大空断寸心何忘非我欲物化悠然の足元に、ライフルが転がっている。

「出門春風吹吾芳草廃道停目万晴聴鳥観落平遠古寺孤愁大空断寸心何忘非我欲物化悠然くん、その長ったらしいのは何とかならないかな?」

 これからの良好なコミュニケーション構築のため、足元のライフルを拾って自分の小脇にかかえてから、名前の変更を提案してみる。

「どうにかしたいとは思いますがね、どうしたものか」

 こう言うと、出門春風吹吾芳草廃道停目万晴聴鳥観落平遠古寺孤愁大空断寸心何忘非我欲物化悠然は、持っていた刀を自分の横にポイ投げして座り込む。

 この刀をそっと拾い「今日は何曜日だったかな」と聞いてみる。

「たしか金曜か土曜か日曜だったかと思いますがね」

「じゃあ、金土日曜ってのはどうだ」

「どこかで聞いた事があるし、なんかの法律にひっかかりそうだから、それはちょっとね」

 すっかり主導権を握り返せたので、ここは少し強い口調に変えて言って見よう。

「フライデー・サンデー・キング・マガジン」てのはどうだ。

「なんか、危ないっつうか、消えてしまいそうな名だなー」

 なかなか決りの悪い愚図野郎だ。

 適当な所で妥協しておけ。

「じゃあ、水月でどうだ。なかなか風情があるだろ」

「ん、いいね、その月餅でいいですよ」

「月餅じゃねえよ。すいげつだよ、水曜と月曜の水月」

 

 水月は船で奴隷解放運動をやったくらいだから色々と知識があって、特に孤島での生活とか絵画列島に関しての情報に精通していた。

 おまけに、奴隷生活が長かったせいか動いていないと落ち着かないらしく、今は自由の身だというのに俺と正反対に朝早くから夜遅くまで、あれこれ夢中になってやってくれる。

 そんなんだから、怪我をしたり体調を崩すのはしょっちゅうで、その度に俺が治療してやる。

 共同生活の中では、相手を労わるのは当然と思っている俺としては当たり前にしている事が、水月には感謝に値する事らしく、何時もゝ懲りずに有難うを連発する。

 夜になると、焚き火の向こうとこっちで絵画列島と現実世界の違いについて二人で話して笑う。


 穏やかな日が一月ばかり過ぎたある日、夜中に寝返りをしてボンヤリやっていると、遠くから女の声が聞こえる。

 元はと言えば元気で若い体に成って、あっちもこっちもおさまりが付かなくなっていたのを、シュンとさせるべく乗り込んできた絵画列島だが、目的達成に一番の近道とも思えた石城には行けずじまいで、あっという間に一ヶ月が過ぎていた。

 やりたいばかりの一心で、女人が幻聴幻覚になって表れて来ても何ら不思議ではない。

 魔性のやりたい君に憑りつかれたのではない事を願いながら、松明を持って森の中程まで進むと、茶色でブカブカのベレー帽を被った小柄で丸顔の女が現れた。

 来たばかりの頃は枯葉散る秋の景色だったのが、もうすぐ冬になりそうに寂しい。

 そんな森の中に、いきなり画家を気取った女がカンバスを構えて待っているのは、いかにも不自然だ。

 やはり、そろそろ隣の春間近の冬か、秋前の夏地域に移動した方が良さそうだ。

「なにボーっと突っ立ってるの。早く脱いで。モデル料は先払いしてるでしょ」

 深く被ったベレー帽の奥から、クリッとした大きな目が俺を睨み付ける。

「聞いて無いよ、金なんかもらってないし」

 正直に本当の事を言って通じる相手とは思えないが、取り敢えず抵抗する口ぶりで衣服を脱いでやる。

 以前の体型だったら迷わず拒絶するのだが、今の身体はいたって健康的且つ魅力的に作られている。

 誰に見せてもはずかしくないものだ。しっかり見ろ。

「んー、良い体してるわね。ちょっと〇って良いかしら?」

 嬉し恥ずかしい事に、期待どうりの行動に出てくれる。

 これはもしかして、この世界に来てから初めてのニャンニャンになるのではなかろうか。

 期待にあっちこっち〇らませると「あらあら、こんなになっちゃって、ちょっと待っててね、すぐにスケッチするから」

 そんなつもりでこうなったのではない。

 言ってやろうかと思ったが、いかんせん一仕事終わった後の彼女がどう出てくるか、夢と希望に満ち溢れてドゥッグンドゥッグンが始まっている。

「凄い、こんなの初めて見たわ」

 しきりに感心するばかりで、いっこうに絵筆は進まない。

「早く描いてくれよ」

「えっ? あっ! ごめんなさい、こうかしら」

 絵筆を置くといきなり伸ばして〇ってきたかと思ったら、その手をゆっくり〇〇させて気分を盛り上げ始めた。

「いや、その〇くじゃないよ、スケッチだよ」

 このまま行く所まで行ってしまっても良いが、何やら俺の裸体に用事があるらしいから、先にそいつを片付けるように促してやる。

「あっ、そうでした。すいません」

 彼女の心持に急劇な変化が生じているのは、その動向を見ていれば一目瞭然だ。

 こうなってしまえば、いかに強気だった女でも、あとは思いのまま行ったり来たりで夢心地、慌てる事はない。

 俺が下手に焦って行ってしぼんでしまっては、彼女の性格からして、満足できずに当たり散らしてくれるに違いない。

 一時のツコパコ如きで要らぬ大怪我を負っては、久し振りの何を仕出かせたにしても、たいして嬉しい結果ではなくなってしまう。

 左利きなのか、スケッチを左手で続けながら、藍色の長いワンピースの裾を端折って、そこからスルッと奥に差し入れた右の手が、見えない所で自分を〇〇っているのか〇めているのか。

 手の動きはゆったりしているようで、表情はうっとりした風ではあるが、このまま絶頂まで達するつもりは無さそうだ。

 次第に広がって行く両の素〇が、恐ろしい程に白くて眩しい。

 何とも言えない高ぶりが俺の先の方へ強い脈を運ぶと、どうしても放っておけなくなってきた。

「こんな格好はどうだろうか」

 左手を腰に当て、右手で〇くなっている〇のを強くにぎり絞めてみる。

「ああっ、良いわ。良いわね」

 発せられる言葉は幾分上ずって、更には吐息が混じったようにも聞こえる。

 スケッチの手がより一層早くなると同時に、両足の〇で蠢かせていた右の〇も〇きを早める。

 さっきまでの表情とは変わって、はっきりと〇感にひたっているのが分かるようで、口は少し開いたままになり、小さな〇〇〇で〇れた唇を震わせている。

 それを眺めながら、俺は〇った〇をゆっくりと〇〇させてやる。

 すると彼女は、この動きに刺激され、連動するように〇〇を同じく〇〇させる。

 こっちが動きを早めるとあっちも早く、ゆったりになると大きな動きで全体を〇る様にゆっくりと〇かす。

 二人してこのまま果ててしまいそうになって、漸く彼女の方から俺に寄ってきた。

「早く……」

 こう唱えると、潔い程に素早く衣服を〇〇すてた彼女もまた、俺と同じに乗る〇〇〇になった。

 膝をついて両の手で--カット--いるのを〇〇と、さっきまで小刻みに震えていた唇が、先の方で〇〇一緒になってクルリスルリと始める。

 よほど我慢がながかったのだろう、これをほんの一時だけで済ませると、立っている俺にしがみ付いて片方の足を〇に〇〇〇てくる。

 背伸びをしても、そのままでは届かないので、俺が腰を落として〇んだ彼女と一緒になった。

 体感としての〇〇と精神的経験としての〇〇〇が、このまま昇天してもおかしくない感情となって、カプセルにつまった精神エネルギーへと流れ込んで来る。

 〇〇〇を保ったまま彼女を抱え、二人が〇〇捨てた〇〇の上へ横になると、しがみ付いていた腕が、背中と激しく動く〇〇〇へと回された。

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