恭子と玲子 vol.005 「だから~、惚れんなよって…。」
吹きだした浩二を見ながら明彦。
「さっきの俺の笑いは…。」
「ぷぷ…、そういう事か…。」
浩二。
「ま~ったく、あいつは…。はは…。いつまでも…相変わらずに…。おっちょこちょいのところが…。」
「おもしろいね、彼女。ははは…。」
「恭子かぁ。」
「恭子って、言うんだっけ…、彼女。」
「あぁ…。…で、もう一人が玲子、大塚玲子ってんだ。」
「ふ~ん。」
「おいおい…だから~、惚れんなよって…。」
「はぁ~~???でも…なんで…???」
「ん~~、あのふたり…、俺の…大事な…幼馴染だ。ちっちゃい頃からの…な。」
「ふ~ん。…ん…???…って…事は…、彼女たち…まだ…彼氏…いないって事…???」
「ん…???まぁ…、そういう事に…なるなぁ~あぁ。」
「おい…田端~~。」
「へっ…???」
「俺…知らねぇぞぉ~~。」
「何を…。」
「じゃ…、なんで俺見て、赤くなんだよ、彼女。左の子~~。」
「えっ…???あっ…、あ~~。」
「ふ~ん、早瀬君って…言うんだ、彼…。」
大学の構内を歩きながら玲子。
「へっ…???あっ…、あ~あの人…。」
恭子。
「早瀬…浩二か…。」
「…ったく~人の顔見て、笑うんだから…、ばたやんの奴。」
「えっ…、あっあ~ふふ。…そう言えば、笑ってたね、アッキー。」
「んもう~、初めての人の前で、人の事、笑うか、普通~~。」
仏頂面をしながら腕組みしながら歩く恭子。
「まぁまぁ…、抑えて、抑えて。私たちふたりの事、一番良く知ってんのも、アッキーだから…。悪気はないんだよ。」
「でも…さぁ~ったく~~。」
「ははは…。」
「あっ…。…って事は、玲子…、もしかして…あの人…タイプなんだ~???何てたっけ…、早瀬…。」
「恭子~~あんた…、私の話…聞いてた~~???」
「えっ…、はっ…。あっ…、へへへ…。ごめ~ん。」