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第3話兄、路線に迷う

 ふぁぅぁ……

 昨日は無理矢理更新したのでまぶたが重い。


 眠剤を飲むのが遅かったのが災いしたのか非常に眠い……


「おはようございます! お兄ちゃん!」


 里奈がうるさく朝の挨拶をしてくる、挨拶は大事、勇者部も言ってる。


「おはよう、元気そうだな」


「そりゃあもう元気ですとも! お兄ちゃんに読まれる小説を書いてると思うだけでもうゾクゾクしますねぇ……」


 開けてはいけない扉を開けてしまった気がする……


「「いってきます」」


 二人でそう言って家を出る。

「お兄ちゃん! 期待しててくださいね! うふふ……もうトップを取っちゃうかも……」


 無理だと思うぞという言葉はぐっと飲み込んでおいた、それなりに書き続ければ多少のポイントはもらえるだろう。


 てくてくと通学路を歩く、妹は普段は俺にひたすら話しかけてくるのに今日は控えめでスマホが気になってちょくちょく覗いている。

 投稿したてで評価がとても気になるというのはよく分かるのでそっとしておく。


 そんなところで由似が突然話しかけてきた

「おはよー須藤兄妹、おっ里奈ちゃんついに投稿したの?」


「へ? ええっと……何のことですかねー?」


 わかりやすい、非常にわかりやすい。

 俺の隣にいるのにスマホの方を気にしている時点で何かありますと言っているようなものだ。


「わかるよー、初投稿は緊張するよね!」

 コミュ力お化けがガンガン食いついてくる。


「まだ見せるほどのモノではないので……」


「そっかー、ランキング上ってくるの期待してるよ!」


 うぅう……と里奈はやり込められている。


 そのついでに思いついたかのように俺にも話しかけてきた。


「そうそう、燕の昨日の話、私は好きだったな、私としてはどこでもいいから投稿サイト使って欲しいところだけどね」

「いっつも言ってんなそれ」


「私は良い文章はもっと皆にみて欲しい質だからね」


 しれっと俺を評価する由似。


 それはないしょにしておいてくれないと……


「お兄ちゃんが書いてるの見たんですか」


「ええ……うん、探せば出てくるしね」


 コイツは文体から作者の俺を推測してきた、文章に関する勘は確かだ。


「私にもお兄ちゃんの作品を……」


「ゴメンねー、言わないって約束してるから。まあ里奈ちゃんが探してればそのうち見つかるんじゃないかな?」


 納得しない様子で俺を見てくる里奈、俺はスッと目をそらした。


「むむむ……これは絶対に見つけないとなりませんね……」


 彼女の目は執念に燃えていた。


 その日の昼食、時々スマホの画面は見たものの、それほど気になって仕方がないというわけではないようだった。


 ――帰宅


 HRを終えて帰途につく。

「ねえお兄ちゃん、アドレスを教えてくれると……」


「だーめ」

 俺はにべもなく答える。


 里奈は俺の取り付く島もない答えに対して、


「じゃあ探すしかないかー……」


 探すのは既定路線らしい。


 俺の持っているサーバは非力だしSEOにも本気を入れていないどころかflaskとテキストファイルだけで作っている。

 サーバの基本はできたから後はテキストファイルを書き換えるだけだ。


 まあそれが一番大変ではあるのだが……


 なお一人用を前提にしているためにテキストファイルはローカルで書いてFTPでアップロードする前時代的なシステムだ。


 帰宅後、俺はWSLを使ってflaskの環境を用意しているのでそこにテキストファイルを流し込んでlocalhostにアクセスして反映がちゃんとされているか確認する。


 カタッ


 エンターを押すとMakefileにのっとってCドライブから必要なファイルをひっぱってくる。

 flaskを再起動して変更を反映する。

 …………ちゃんと動いてる、ヨシ。


 AWSの本番環境にアップロードする。

 今度はURLを書いて実行するとちゃんと小説が表示された。


 俺はウィンドウを閉じてブラウザをシークレットウインドウから通常モードに戻す。


 今日のはヤンデレの妹が思いっきりデレる話だ、アクセス数には期待しないがもし誰かの検索に引っかかったら……などとせんなきことを考えながら夜は更けていった。

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