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2話

はぁ~

家を出て歩きながら考えます。

正直言って私達6人の関係性は最悪に近いです。

私とアリア様は言わずもがな。

他の人達も、私とアリア様程表立って対立し合わないものの、それぞれ腹の内に不満を抱えているのが感じ取れます。


元の地位を諦めて農業に勤しんでいるディル様に対して、その諦めた態度に良い思いをしていないライシュ様とキュルェ様、反対にディル様も二人には思うところがあるようです。

アリア様とディル様達男性陣の関係は、アリア様は男性陣に対してお前たちが不甲斐ないせいでこうなったんだと言う姿勢で、反対に男性陣はアリア様に対してお前に騙されてこうなったんだといった感じです。

まあ、ディル様はアリア様に対しても多少柔らかいですが!!


そして私はディル様を除く男性陣に対しては私を陥れようとしたことに対して怒っています。特にキュルェさんは私を床に倒し押さえ付けてきましたからね。

ディル様以外全員謝って来てないですし赦すつもりはないです。

反対に向こうは恐らく私に対してなめた態度を取る女で腹が立つ程度に思ってるんでしょう。

まあ、悪いのは100%向こうとはいえ、私が居なければまだ普通に貴族として生きていたはずでしょうし思うところもあるんでしょう。

そしてレレーシュさんはよく分からないです。

ただ、他の人達は引きこもってばかりなので多少腹が立つ様ですが。

まあ、私としても家事でも仕事でも何かしらやってほしいですね。

…………はぁ、なんとかならないものでしょうか。


そんな考え事をしながら歩いて30分。

ようやく目的地である王直轄領地ネテム領の代官のいる街ネテムに着きました。

街を囲む城壁の門を管理している衛兵の人に挨拶をします。


「おはようございます。朝から御苦労様です。」


「おお、フェテシア嬢ちゃんも朝からお疲れ様。いや~いつ見ても別嬪だねぇ~。」


「そうだなぁ。朝から目の保養になるぜ。」


「ふふ。煽てるのがお上手ですね。褒めてもなにもでませんよ。………では失礼します。」


領内の中心地とはいえネテム領は国の端の田舎なので、ほぼ毎日通っている私は顔パスです。


「あぁ!ちょっと待ちな!」


あら?

普段なら呼び止められる事なんて無いのですが?

何かあったでしょうか?


「なんでしょう?」


「いやいや、別に嬢ちゃんは何にも問題無ぇんだけど。最近良くない噂があってな。若い女の子が突然姿を消すって噂でさ。」


「はぁ。」


まあ、このての噂は何処でも尽きることはありませんね。

以前は領主代行官の黒い噂だったりとか……。

とは言えこういう噂は元々関係性の無い話題に尾ひれがついて出来たりするもの気にしていては生きていけません。


「おいおい。そんな怪訝そうな顔をするなよ!」


「いえ、別に…そう言うわけでは………。」


すると衛兵の男性は周りを確認するような動作をすると私の耳元に口を寄せ小声で囁いてきます。


「ここだけの話だがどうもこの噂話が本物臭くてよ。」



「と言うと?」


「衛兵隊の間でも話題になってるんだよ。何時も見てる娘を急に見なくなったとか。」


「何かの偶然では?」


「それがさぁ………1人2人レベルじゃねぇんだよ。……町の娘から嬢ちゃんみたいに村からの出稼ぎに来てる娘、あとは薬草なんかを採取しているような安全第一で活動してる低ランク冒険者パーティーまで。衛兵隊で話し合ってみたんだけど最低でも20人以上の娘がこの一月で音沙汰もなく姿を消してるんだ。」


「20もですか!」


「ば!声!」


「失礼しました。」


驚きのあまりつい声が大きくなってしまいました。


「それで上からは何か指示が?」


「それがよ。衛兵長に上申してみたら代行官様に聞いてくれて、その答えが「真相がまだ判らないうちに下手に公表して市民を不安にしたくない。王都の騎士団に捜査を依頼してみる」とのことだと。」


「なるほど………。理屈は分かりますね。」


「てことで今のところは内緒な話なんだけど嬢ちゃん口固そうだし、お嬢ちゃんは特に別嬪さんだから忠告までにな。」


「お気遣いありがとうございます。」


「おお。気にすんな。……ってことで今夜一杯どうだい?」


「謹んでご遠慮させてもらいます。」


「相変わらずガード硬てぇなぁ。」


衛兵さんと別れてから街中を歩きます。

姿を消す………この街は特別に税が厳しい訳でもありませんし、飢饉という訳でもないので身売りと言うことも無いでしょう。

となれば何らかの犯罪に巻き込まれた………とかですかね?

人拐い………ですか?

私も気を付けた方が良いですかね?

一応今も幾つか護身用魔導具は持ってますが……これ高価なんですよね………具体的に言うなら最も安いものでも私の年収1年分以上。

実は私がこの都市で就職した仕事というのは………まあ、役人の様なものです。

税計算や資料の作成・保管等の雑務をやっている訳なんですが、一般市民で税の計算ができるレベルの人など殆どいません。

故に計算が出来るものは高等部技術者の様な扱いであり、私の年収は一般市民の十数倍です。

お陰でほぼ働いていないあの5人を養っていけるわけです。

実家からの金が贈られてくるわけでも無いですし、私があの家に来なかったらあの五人は今頃餓死してたのではないでしょうか?

……………それでもアリア様だけはしぶとく生き残っていそうな予感がしますね。


それはさておき、そんな私の年収に匹敵するということは魔導具は一般市民では手の届かない値段な訳です。

実家なら持ってきた物とは言え、使いづらいですね………。

ですが、背に腹は変えられません。

何時でも使えるように心の準備をしておきましょう。

そんなこんなで私の勤務先であるこの領の政務を担っている政務館に着きました。


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