アポロンの冠。
すこし気になるのは 歪なかたち
隙間から覗かせる 鋭い尖端 葵
額にはめるには 戸惑いがちな
ただ 王者としては相応しい冠
誰もが跪く 栄光の証
花畑から 摘んできた 輪っか
まだ 呆気ない幼子達が まるで羨望の眼差しで
讃えるべくして ふわりと添えた
身構えるでもなく 優しく受け入れ 荘厳豊かな椅子に座し
神の如く 高台にて
見下ろす風景に ため息をつけば 雷が落とされ――
その特権に愁い やがて 座したるは神の如く
聖杯から零れ 落ちようとしている 芳醇な蜜に
突き刺さった 切なる衝撃
鼓動は ウソをつかない 正直な自分に