第97話
side:アイゼン
「右からも来るぞっ!決して奴等を通すな!」
「「「「「はい!」」」」」
転生神様の使徒だと言うあの竜が光に包まれ初めて1時間が経過した。
本来、俺は騎士団の仮設指揮所で指揮にあたっていなければならないのだが今回は絶対に失敗が許されない為自ら指揮を取る事にした。
シュタイナーとデズモンド達の事は正直まだ信じられないんだがな………。
姫様がああ仰っていたのだ本当の事なのだろうな………。
それにしても………よもやこんな使徒とは言え魔物の………それも人類の敵と言われる竜の進化と言う不確定要素に頼らなければならんとは………。
転生神様も転生神様だ!。
我等、転生教を頼って頂けるのならば光栄の極み!それこそ!身命をとして魔物の殲滅を行うと言うのに!何故この様な竜などにやらせねばならぬのか!。
確かに神獣様なのかもしれないが突然現れてそれを信じろとは!不可能だ!…………おっと!今は戦闘に集中しなければ。
「マグナス!息を合わせて敵を押し返し隙きを作れ!クレスト!マグナスが作った隙間に土魔法で壁を作りその後、その壁を厚くして崩されない様に注意しろ!」
「「了解!」」
「リーバ!3で行くぞ!」
「分かった!」
「ナリューシャ!マグナス達に身体強化魔法を!その後直ぐに土魔法準備!」
「はい!」
「リーバ!」
「聞こえたな!全員!強化魔法を貰ったら全力で押し返せ!」
「「「「「了解!」」」」」
「準備完了!強化魔法!いきます!」
「「「「「腕力強化!脚力強化!」」」」」
「よし!押返せぇぇぇっ!」
「「「「「うぉぉぉぉっ!」」」」」
マグナスの号令で盾を構えて敵を押し留めていた騎士達が一斉に力を込め押し出した。
強化魔法の恩恵も有って押し込んで来ていたゴブリン共は簡単に押し返された………が奥に居たオーク共がその押し返されたゴブリンが邪魔だと言わんばかりに棍棒を横凪に振るいゴブリン共を吹き飛ばしている。
こちらはあの使徒殿の所為で殺す事も出来ないと言うのに!。
全く!面倒な!。
しかし……この魔物共が本当は我等が国の民達だと言う話だが未だに信じられん………。
理性も知性も感じられんし今まで倒して来た他の魔物と違いが感じられん………。
どう見ても本物にしか見えん………コレ本当に殺してはいけないんだろうか?………。
転生神様からの指示と言う事でこうしているが本当何だろうなぁ………。
本当だとしたら不敬になるがそれを言っているのが姫様達だけなんだよなぁ………。
この事を疑うのも姫様に対しての不敬になるのだが………。
そう言えば姫様は転生神様の巫女様になったんだって話だったよな?………って事は指示を出したのは本当に転生神様なのかもな………。
にしても、何時までここでこうしてりゃあ良いんだか………。
そう思い後ろの光の塊を見た………。
魔物の進化ってのはこんな感じで進むんだな。
半刻程前、使徒の竜が合図を出した為ここへと来たのだがゴブリンを押し分けて中心へ行くと使徒の竜が居た。
指示通り使徒の竜を中心にして盾持ちを全面にして円形に展開。
その後は守りに徹していたのだが突然使徒の竜が光り出したかと思えばああして1m程の光る球体になった。
あの光の塊の中で一体なにが起きているのか分からないがあの光から使徒の竜が出てくる時確実に何かが変わっている筈だ。
それは見た目は当然のごとく力を含めたモノが変わっている筈だ。
どんな変化が起こるのか楽しみでも有り恐ろしくも有る。
とにかく使徒の竜が出てくるまで待つ他無いな。
そう思いながら戦場へと意識を戻したのだった………。




