第95話
「クァクゥアックァ……………(何でこんな事してるんだろうなぁ……………)」
今、俺の目には無数の敵が見えている………。
「クァクックァクゥア………(まるで地平線まで広がる夜の海みたいだな………)」
あまりに非現実的過ぎて逆にそんな馬鹿な事を考える余裕が出来ている。
それにしても凄ぇな………。
見渡す限り敵、敵、敵………数など数えるのが嫌になる………。
種類だってとんでもない。
まず………ゴブリン大量。
オークおそらく数百匹。
大柄な頭から角の生えた鬼っぽいモノ………多分オーガコイツ等が数十体。
それから人ぐらいの大きな蜘蛛コイツ等はオーガとオークの間位の数がいる。
そして、この間も戦ったカラフルな狼達………ゴブリン程じゃないがコイツ等も多いい………。
この世界に記憶を持ったまま転生してから十数日………肉体的にはまだ赤子………まぁ、ドラゴンとは言え魔物何だけど………。
そんな俺がこんな人のコレからを決める様な事に気付けば首を突っ込んでそれを決める戦いに挑もうとしている………ホント……何やってるんだろ………………。
ただ俺はシアやシャルと一緒に幸せに暮してメリアやアルドとかの色んな人達と笑って過ごしたいだけなのになぁ………。
どうしてこうも危ない戦いばっかりする事になってんのかねぇ………。
それもこれも皆レイリス様の所為なのかなぁ………。
そりゃあさ?転生させてくれたりゴブリンロードの時は力をくれたりしてくれたけどさ………。
俺とレイリス様って結局はお互いに利益があるから力を貸してる感じだもんなぁ………。
それこそ何も無ければ付き合い何て無い………そんな程度の関係なのにな。
それがどうよ?今じゃレイリス様の命令で元人族の魔物達と戦う尖兵………しかもたった1人で………。
まぁ数十m後ろにはせめて俺の事を見守りたいと言ってるシア達がいるのだが………。
見守ってるだけだから結局は1人か………。
「クァァ………………」
思わず溜め息をついてしいた………。
と言うか………この状況でつかない人が居るのなら会って見たい………。
取り敢えず少しでも安心出来る何かが欲しいと考えステータスを確認したのだが………正直するんじゃ無かったと後悔した………。
レベルとかその辺りは変わって無かったのだが称号に変化が有った………。
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称号:転生神の使徒(神獣候補)
転生神レイリスの使徒となる神獣候補に送られる称号。
転生神レイリスの指示のもと行動している時にステータスが1.2倍アップする。
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……………マジかぁ………とうとう使徒認定されたかぁ……………。
正直使徒認定とかどうでも良いんだけど…………面倒な事になるのは確定だな………。
せっかくこの間ギルドで宗教関係を躱したのにまたやらなきゃなんないのか………。
もういっそ関係を持った方が楽かなぁ………。
そんな風に諦めの境地になりつつ有ったのだが俺はそれを考える事を中断した。
理由は単純………目の前の魔物達が動き出したからだ。
さて、作戦通りに動きますかね。
俺は魔物達を見ながら構えた………。
少しづつ魔物達が近付いて来る………攻撃の有効範囲に入るのを俺は静かに待った。
まだ……………もう少し…………………俺は焦りそうになるのを必死に抑えながらその時を待った…………。
そうして待ち構えていたらいつの間にか敵の先頭にいるゴブリン達は走り出していた。
距離……凡そ200m…………俺の【火球】の飛距離は大体100m位………有効距離まで凡そ80………70……………60……。
50mを切った辺りでゴブリンと他の魔物ノ間に距離が出来始めた……………残り40………。
30………20…………残り10m………………。
9………8………7………6mを切った辺りで後ろ側が慌ただしくなってきた………。
作戦通りに動いてくれている様だ………後5m……………。
4mを過ぎた所で後ろにいる部隊の魔法師達がゴブリン達とそれ以外の連中の間に岩の壁を作り出した……………残り3m………。
2m………………ここで俺は【爪】を発動し武器を構えた。
残り1m……………狙うは正面のゴブリン達………………今っ!。
「クァッ!(【火球】っ!)」
射程範囲少し手前で【火球】を発動した。
まずは牽制と足止めが目的だ。
流石にコレだけの数を1人で相手にしなければならないんだからこれ位はやる。
正面の集団手前で【火球】が着弾………何匹かはそれに当たったらしく悲鳴が上がっている。
更に正面の集団はその所為で足が止まった。
しかし、後ろの魔物は止まれなかった為前の連中を押す形でぶつかり前方集団は転倒そのまま後続に踏み付けられている………。
うわぁ………痛そぅ……………。
予想外の成果にそんな感想が浮かんで来る。
正面の集団はそれで動きが完全に止まった………。
うん………ホント予想外だ……………。
取り敢えずそんな感想を頭の隅で溢しながら次は右側のゴブリン達に正面の集団と同じ様に【火球】を放おった………………コイツ等本当に人だったのか?………。
思わずそんな感じに呆れてしまう程同じ結果になった………。
なにせ………最前列が押されて転び後続に踏み付けにされ止まるまで全く同じなのだ………呆れない方がどうかしている。
もしかして………そんな予感と共にステータスを確認するとレベルが上がっていた………。
あぁ………結構アレって危険だって話を聞いた事があったけど本当だったんだな………。
向こうの世界にいた時に何かのテレビ番組て某アイドルの出待ちをしてた人達が興奮のあまり前の人を押して踏み付けにして仕舞いその所為で踏まれた人が亡くなったって事が有ったとか………。
そんな危険な行為等を集めて解説する特番を見た記憶がある。
それを今俺は人為的に起こしてる訳だな………うん、外道だな………それでも止めるつもりは無いんだけどな………。
左側も同じ結果にならないかなぁ?………そんな願い?を込めて未だに走ってくる左側集団に【火球】を撃ち込む…………………流石に3回目は無理か………。
流石に学習したのか【火球】を中心に真ん中から左右に別れて走っている。
流石にもうこの方法は無理だな………そう思いながら今度は別れた集団の右側中央に向かって【火球】を放おった。
距離があるから避けられるかな?。
そんな結果を予想していたがゴブリン達はそのまま走り続け【火球】はそんな連中に着弾して燃え上がった………………。
えぇぇぇ…………………。
何っうか………馬鹿過ぎるだろ元人ゴブリン………。
ゴブリンになった時点で知能が本物と同じになってしまったのかあるいは操られてる影響なのか………。
どちらにしても避けすらしないとは思わなかった………。
一応、試しにと左側集団の先頭に【火球】を放ると今度は二手に別れて避けた………。
ふむ…………これ馬鹿なのでは無くて命令された事以外しないんじゃなかろうか?………。
もしそうなら付け入る隙きが有りそうだ。
試してみるか………。
そんな風にゴブリンを観察しつつ俺は戦闘を続行した。




