表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/171

第92話


Side:シア


「クァ……クッククゥア………(やるよ……それが彼等の為だから………)」


 フォルがそう言った時の顔を見て私は悔しくなった………………何も出来ない自分の不甲斐なさとフォルがその決断を下す事になった事に………。

隣都アルフェニアを襲っていた魔物の群れ………それが元々は人………それもそのアルフェニアに住んでいた人達だなんて………。

しかもフォルが女神様と話して聞いた内容では魔物になってしまった人達を元の人に戻し救う事は出来みたい………。

あの人達のせめてもの救いは死だけ………。

なら……私達があの人達を楽にして上げるしか無い………でも。


「数が多すぎるな………」


 メリアがこの話を聞いてそんな感想を呟いた。

私もそう思う………。

何せアルフェニアに居た人達その全ての人達が魔物・・へと変えられたってフォルが言ってた………。

確かアルフェニアに住んでる人達の数って15000人以上居たよね?………。

それが全員………それだけじゃない………敵は総数10万以上………多分普通の魔物も居るとは思うけど………もしかしたらもっと多くの………隣都の人達だけじゃ無くもしかしたら何処かの国1つが全て魔物になってるのかも知れない………。

もしそうだとしたら私達は1つの国と戦争しているのと同じだ………。


「……………シャルティア様」


「何ですか?」


「シャルティア様はどうお考えですか?………」


「魔物化の事ですか?それとも?」


「フォルテース様の事です」


 クラリスさんからフォルの名前が聞こえた瞬間私はその会話へと意識を向けた。


「どう考えてるのかと言うのは戦えるのかと言う事?」


「いえ………それもですが私が聞きたいのはフォルテース様は元々は人だったと聞いております………」


 そう………フォルは元々人間だった………フォルの話によると人として生きていた頃は学生で家に帰る時に通り魔に刺されて死んでその後こちらの世界で転生神様に竜に転生して貰ったと言っていた。

つまりは肉体は竜の魔物で心は人のままなのだとフォルの話を聞いたシャル様は言っていた。

もしかしたら今戦っている元人である魔物達もフォルと同じなんじゃないか?って考えてるのかな?。

そんな人達を私達は殺さなければならない………そんなあの人達を転生神様からの指示でフォルは戦わなくてはいけない………クラリスさんはその事を心配しているのだろうか?。


「手心を加えると?」


「いえ、私が言いたいのはそちらではありません」


 違う?それじゃあ私と一緒でフォルが戦った後を心配してくれてるのかな?。


「戦いやその後に関してはそこまで心配しておりません。

そう言った部分はシャルティア様達がおりますから挫けたとしても直ぐに立ち直ると思っております………」


 私達がいるからフォルは大丈夫………そうだと嬉しいな♪。

でも、それじゃあ……何が心配なんだろう?。


「では何が?」


 シャル様が私と同じ様に疑問に思ったみたいだ。

その疑問に帰って来た答えにこの場に居た私達は驚いた……………。


「もしですよ………もし、シュタイナーかデズモンド………どちらかは判断出来ませんが【人から変えた魔物を使役する力】を持っていたら………」


「「「「「っ!?」」」」」


 その能力を持っている可能性は考えてなかった………ううん……違う考えてなかったんじゃなくて考えたくなかったんだ………。

だって………それはもしかしたらフォルが…………………そう考えたら私は震えそうに………ううん……私は震えていた。

怖い………フォルが敵になる事がじゃない…………フォルが私達を襲ってしまった後どうなってしまうのかが………。

……………多分私達を傷付けたフォルは後悔すると思う………それだけなら私達が許せば良いだけだけど……………もし誰かを殺してしまったら………。

それが私達の誰かだったら?………………フォルは絶望すると思う………何も出来なくなったりする程度なら良いけど………ブラッドフェンリルノ様に人を襲う様になったら?……………。

私達は止められないし……どうする事も出来ないと思う………。

多分クラリスさんはそんな私達の事も心配してくれているのだと思う。

クラリスさんは優しい人だね。

それにしても操られるかもって言われてるフォルは随分落ち着いているわね?。

そう思いながらフォルを見るていると他の皆も同じ様にフォルを見ているわね。


「落ち着いていられるのですね………」


 シャル様が私達全員の疑問を口にしてくれた。


「クァクゥア(予想はしてたから)」


「そうなのですか?」


「クァ………(あぁ………)」


 それからフォルが予想していた事を話してくれた。

【召喚士】や【魔物使い】他にもいくつかそう言った魔物を操ったりする職業がある事を教えてくれた。

その中には私達でも聞いた事のある【魔王】や【邪神】と言った存在もあった。

そしてそう言う職業や種族が使うスキルの事も話してくれた。

その対策としてスキル【魅了耐性】と【洗脳耐性】等を取っている事………。

それが効くかどうかは分からないとの事………。

だから対策をする事は必要でも慌てる必要は無いとの話………。

安心………は出来ないけどフォルを信じてみようと思う………。

それよりも私が気になっているのは魔物にされたあの人達をフォルが殺さなきゃならない事だ………。

フォルがそれをやらなきゃならないのもある程度は理解してるつもり………………でも、納得は出来そうもない。

私は少し転生神様に対して怒りを覚えながら少しでもフォルの為に何か出来ないかを考え続ける………。

何か出来る事は………。

そのおもいを胸に私は考え続けたのだった………。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ