表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/171

第89話


「…………………キャンベル副団長」


「…………分かっています……そう簡単に納得出来ないのは………ですが……私は見てしまったのです………………」


 「何を?………」そう問い掛けたくなる程彼女は真剣で何かを堪える様な顔で沈黙した。

一体何を見たのか………その事を考えて想像した………。

魔物を召喚する瞬間?………。

召喚した魔物に命令する姿?………。

もしかしたら2人だけ襲われなかったのかもしれない………。

そんな風に考えてた………。

…………………でも、彼女から聞かされたのはそんな想像よりももっと酷く醜く俺達の考えていた事を簡単にそれも遥かに越える悍ましい内容だった………。


「レイナ…………サラ……ケビン…カイル、マックス、ニックス、アスト、ヤーコフ他にも10名………合わせて18人その全員が出撃前に2人から御守だと黒い何らかの文字の掘られたブレスレットを受け取っていました……………」


 それがどうしたのだ?………普通ならそう問い掛けただろう。

しかし、俺達は彼女から2人が犯人だと聞かされている。

その為俺達はその御守・・が本当に御守何かと感じて仕舞った………。

そして……疑問に思った俺達にさらなる衝撃が走った………。


「私はその現場を目撃し彼等に声を掛けているのです………それがあんな悍ましい物だとは知らずに………。

あの時戦いの最中………私は2人の魔力の高まりをスキルで感知しました………。

そして、その高まりに呼応するかの様に彼等がしていたブレスレットから同じ魔力が高まりだし気が付くとブレスレットは強烈な光を発し始めました………。

何かが起きている………そう感じた私は必死にその光の中に居る彼等を見ていました………。

光の中……彼等の悲鳴が響き…………その身体・・が何かの力で身体の中心に向かい潰されるかの様に縮みだすかあるいは筋肉が膨張するかの様に膨れ上がりました………。

そして、いつしか悲鳴は雄叫びに変わり………その雄叫びが聞こえなくなったかと思ったら光が収まりだし………気が付くとそこには彼等の姿は無く代わりに私達を襲った魔物達がいました………。

私は直感しました………あのブレスレットは人を魔物に変える物なのだと………そして、それを渡した2人は私達が探していた敵なのだと………」


やはり……それは御守ではなかった………。

それどころかもっと恐ろしい呪いの腕輪………いや、邪神の腕輪とでも言えるかの様な物だった………。

その効果は何らかの方法で装着した人を魔物へと変えると言う効果だ………。

おそらくは心も………下手したら魂までも作り変えられているのではと思える…………。

もしこれが兵士全て………いや、一般市民に…………。


「…………ッ!?」


「?………フォル?」


 俺の様子がおかしい事に気付いたシアが俺の名前を呼んでいたがそれどころでは無かった………。

俺はとんでもない事に気付いてしまった………………。

(まさか……そんな………)そう思いながらも確認しなければならない………。

もし、想像通りなら俺達はとんでもない相手と戦っている事になる………。

そして………もし、想像通りなら………………俺達はおそらく………………。


「クア………(シャル………)」


「はい、何かありましたか?」


「クアクゥア………(シャルに頼みたい事がある………)」


「頼みたい事ですか?なんなりとおっしゃって下さい!」


「クァ……クゥア…………クァッククゥア?(なら……女神様…………レイリス様に連絡を取ってくれないか?)」


「転生神様にですか?」


「クァ………クッククァクゥア…………(あぁ………どうしても聞かなきゃならない事が出来た…………)」


「分かりました少々お待ち下さい………」


 そう言ってシャルはその場でひざまずき神への祈りの祝詞を口にした。


『我等が祭り奉る転生の神よ………我が祈りをお聞き届け下さいませ………どうか我等にその声とお導きをお与え下さいませ………』


 シャルが行っているのは聖女や巫女等の神職に使える神官等に多く発現するスキル【交神】と言う神に自身の声を届けるスキルだ。

このスキルは習熟度によって神に伝えられる言葉の明瞭さに変化がありスキルレベルが低いと1言位しか伝える事が出来ない上にスキルを使う際にかなりのMPを使う為殆の人が1日1回位しか使えないこれもスキルレベルによって改善されるのだが………満足出来るそのレベルに達する迄には長い年月が掛かると言う不便なスキルなのだ。

そしてこのスキルのレベルを上げるのは普通にしていると何年も掛かる為神官達はこのスキルを使う事自体が修行に組み込まれていると言う…………………ただしこれは普通ならばだ。

どんな事にも例外と言えるモノが存在している。

例えば産まれ付きMPの総量が多く普通なら1日に1回しか使えないモノを何度も使える者や最初からスキルレベルが高く満足の行く水準を満たしている者がいたりする。

そして………そう言った者達に多くあるのが特殊な産まれや特別に強力な職業等を持ってる場合が多いい。

そして………ここに居るシャルはそんな特殊な産まれで尚かつ強力な職業の持ち主なのだ………………。

まず王族は基本的に能力値が高くそれぞれによって異なるが何かしら高水準の能力値を持ってる事が多いい………そして、シャルはMP等の魔法関連の能力値が秀出ている娘なのだ。

しかもこの間までは職業が【王女】であったのだがレイリス様に見初められた事によりその職業を【転生神の巫女】と言う特殊なモノに変わっていた。

そしてこの【転生神の巫女】には【転生神の加護(巫女)】と言う称号が与えられる。

俺の持つ【転生神の加護(真)】とシャルの【転生神の加護(巫女)】は名前こそ近いのだが効果が全く違う。

俺の場合は【経験値倍化】や【スキル習得率倍化】それから【ステータス成長率増加】等の基本成長を助けるモノが与えられているがシャルの場合は【聖職者系スキルの成長速度を大幅上昇】と【1日に一度だけありとあらゆる攻撃による死から絶対回復する】と言う能力が与えられる。

つまり、シャルの場合は【聖属性魔法】や【回復魔法】それから【祈り】や【祈祷】等の基本的な聖職者が扱うスキルと【巫女】や【聖女】等が使う【交神】や【降神】等の神に関係するスキルの成長が早くなるのだ………しかも倍速なんてちゃちなモノじゃ無くそれこそ最初の方は1回使うとレベルが上がる位の上昇幅だった。

ちなみにシャルが使っているスキル【交神】これの現在のレベルはと言うと………なんと【Lv25】である………。

何と言うか………とんでも無い状態だなと正直思うがこれでも少し不安なのだ………………。

何せ【交神】には先程上げたデメリットの他にも問題がある………。

それは……繋がりの悪さである………………。

例えるなら………現代日本における一部地域でのスマホの繋がりの悪さ………もう少し詳しく言うとレベル1だと厚さ10m以上の鉄筋コンクリートに囲まれた密室の中でスマホを使おうとしているレベルだと思って欲しい………つまりはスキルレベルが1だと絶対に神には繋がらないと言えるスキルなのだ………。

では、レベル25ならばと言うとようやく厚さ5m位の鉄筋コンクリートの中で受信用のそれも相当強力なアンテナを建てて繋がるレベルだと思って欲しい………。

つまりはこれでも繋がるのか不安でしか無い………頼むから繋がってくれよ。

俺はそう考えながら本気でそう願うのだった………。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ