第85話
「全軍突げーーき!?」
「「「「「ウオォォォォォッ!」」」」」
「派手にやってるわね……………」
「当然だ!普段からこんな時の為に我等騎士団は訓練を重ねて来たのだぞ!。
今まではそれを活かす事の出来る場がなかったんだ!。
しかし!今は違う!何せ!獲物はアソコに幾らでもいる!。
それに!我等が姫様がこうして我等と共に戦場にて戦い我等の活躍を見ているのだ!コレが張り切らずにいられるかっ!」
そう高々に支持を出し副団長に宣言を行っているのは王国騎士団第1部隊団長アイゼン・フォン・キッシュバインこの国の貴族で爵位階級は子爵の現当主だ。
俺達は現在隣都近郊の最前線作戦司令部にいる。
ここへ来るまでの間何回かの魔物の襲撃を撃退して到着したのは今日の朝で丁度コレから第1部隊の一部が戦闘を始めようとしていた所だった。
戦闘理由はこれ以上待つと隣都の外壁が持たず都市内への魔物の侵入が発生しそうだったからだ。
ちなみに俺達がここに着いた時に見た光景は本気でヤバイと思った………。
何せ隣都は外周を草原で囲まれていてそこ一面に魔物の群れが取り囲んでいたのだから………。
騎士団長の話だと総数約10万体以上………それが隣都を取り囲んで外壁を攻撃していたのだから………。
一面……魔物、魔物、魔物………あまりにも多種多様な種類がいて驚いた。
アレを見た時の衝撃はそれこそ夢にまで見そうな程で忘れられそうも無い………。
それから直ぐに合流した部隊の統合と再編を行い部隊を2つに分けて魔物への攻撃を代わる代わる行う行う事になった。
最初は合流して再編した元々居た第1部隊と連れて来た元気の有り余っている連中の部隊が攻撃する。
まずはここでずっと待機してやきもきしていた第1部隊の人達が雄叫びを上げながら突っ込んで行った………。
その時の騎士達の表情は狂気的な程の笑顔だった………………相当フラストレーションが溜まってたのだろうが悪夢を見そうな表情だった………。
ちなみに一緒に行った連れて来た連中は「「「「「ヒャッハーーーー!」」」」」って雄叫びを上げながら一緒に突っ込んで行った………………どこの世紀末戦士だよ………。
まぁ………そんなこんなで戦闘が始まったのだが最初は拮抗していたのだが昼頃になって疲れが出始めたのか騎士達が押され始めた。
このままでは敗走する事になりそうだと言う所でシャルが「そろそろ行って来ます」と立ち上がった。
どこに行くのだろうかと聞くと「騎士団長の所へ行き彼等を激昂して来ます」との事でなら俺達はどうしようと話していたらシアが「私達も行く?」と言い出し「なら一緒に行きましょう」と言う事になり状況確認も兼ねて全員で行く事になった。
そうして全員で騎士団長が居る指令部へと向い中に入った。
「おぉ!姫様!いかがなされましたか!」
「アイゼン騎士団長……戦況を確認したく」
「………戦況ですが少々コチラが不利です」
「被害は?」
「ニック……」
「はい、現状ですが重軽傷者は出ていますが死者の方は皆無です」
良かった死者は出てないらしい。
しかし戦況は芳しく無いらしいどうしたものか………。
「何か出来る事はありますか?」
「そうですなぁ………取り敢えず救護所へと行って頂けますか?」
「慰問ですか………分かりました」
「ノルト……案内を頼めるか?」
「了解しました!初めまして私はノルトと言います!救護所まで姫様の案内をさせて頂きます!コチラへ!」
そう言って歩き出した彼の後に続いて俺達は歩き出した。
向った先は俺達の居たテントから指令部を挟んだ反対側に設置されているテントだ。
そのテントへ着くと彼は「少々お待ち下さい」と言って中へと彼は躊躇わず入って行く少しすると彼がテントから出て来た。
「お待たせしました。
中は大変お見苦しいモノになっておりますのでご不快になられましたら………」
「それ以上は言わないで下さい………中がどの様な惨状になっているのかは大体予想が出来てます。
それに隣都を……民の為に戦った者の負った傷ですそれこそ見苦しいモノ等ではありません」
「姫様………分かりました。
それでは中へどうぞお入り下さい!」
シャルの言葉に感動したのか涙ぐみながら彼はそう言ってテントの入り口を開け放った。
そこに有ったのはまるで地獄の様な光景だった………。
腕を抑えて呻く者………。
シーツを掴みながら足の痛みを訴える者………。
爪だと思われるモノに顔を切り裂かれたのかその傷から血を流しながら痛いと叫ぶ者………。
酷い者だと手や足等の何処かを失ってそれを探してる者や精神を病んだのか只々笑ってる者まで居る………。
まさしく地上に現れた地獄とはこの事を指すのだろう………。
それを見てシアは顔を青くして口元を抑えている。
おそらくあまりの光景に気分が悪くなり吐き気が出て仕舞っているのだろう………。
かく言う俺もかなり来て入る………。
そんな中メリアとアルドはそんな彼等を見ても顔色が変わる事無くそれをしっかりと目に焼き付けている………。
流石だな………そう思いつつも良く平気だなと思う。
もしかしたら何処かで同じ様な光景を見たのかそれとも何処かで彼等と同じ様に経験しているのかもしれない。
そして肝心のシャルはと言うとテントに入ってから一切眼を反らす事無く凛とした佇まいを崩す事無く彼等の全てをその瞳に刻み付けるかの様に見ている。
その姿は何時もの年相応の少女モノとは違いまさしく【王女】と言わしめる雰囲気を纏っている。
俺はそんな彼女の姿に見惚れて仕舞った………。
そうしているとノルトが奥へと向かい一人の男を連れて来た。
「姫様………ご紹介します。
この方はこの救護所の責任者を努めているサイラスと言います」
「お初にお目に掛かります。
私の名はサイラスこの救護所の神官を努めさせて頂いて下ります。
回復魔法しか取り柄の無い非力な身ではありますがよろしくお願いします」
「ご丁寧にありがとう御座います。
私の名はシャルティアと申します。
私こそ何も出来ない非力な人間です。
貴方はそんな私とは違いこうして彼等を癒やす事が出来るのです。
その行いを誇って下さい」
「その言葉とても嬉しく思います。
それで?どう言ったご要件でここへお出で下さったのですか?」
そう言ったサイラスへと俺達は何か出来ないかと話した。
それを聞いた彼は優しい笑顔を俺達へと向けるのだった。
その後俺達は彼と話し合い彼の手伝いをする事になった。
出来れば彼等を少しでも救えると良いのだが………。
俺はそう思いながらシャル達と一緒に手伝いを始めるのだった。




