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第81話


 ブラッドフェンリルと狼達の襲撃から一夜が明け明くる日の昼………回復可能な者の半数が復帰………残りの半数は半分を移動しながら回復残りの半分は王都へと帰ると言う事でようやく部隊の再編が完了した。

しかし、あまりにも重症者の状態が酷く最低限の治癒しか出来ず彼等は王都へと帰る事となった………。

なにせ重症者の殆どが身体の何処かを欠損してしまっているからだ………。

だが帰すにしても戦える者が少ない為負傷者の中から護衛を兼ねて送り帰す者を決め王都へと帰す事にした。

その彼等も狼達の襲撃で心が折れて戦いへの恐怖に支配されてしまった者達の為無事に帰れるかの不安があるのだがこれからの事を考えると戦える者を送り帰す訳には行かないので彼等に頑張って貰うしか無い………。

そんなこんなで部隊を再編した俺達は彼等帰還組を見送り隣都へと歩き出した………。

ちなみにこれ等の指示を出したのは一晩経ち少し落ち着いた我等が副団長殿だ!。


「各自お互いを庇う様にフォローしろ!腕の無い者は足を失った者の足に!足を失った者は腕を失った者に手になってやれ!王都へと戻ればしっかりとした治癒を施して貰える!運が良ければ部位欠損の方も治る筈だ!軽症の者達は彼等をしっかりと守ってやれ!」


 やぁ〜やっと治ってくれた…………そう思ったでしょ?でもね?。


「クァ(お疲れ様)」


「フォルテース様!お疲れ様です!」


「クァ?(行程は?)」


「順調です!今のまま進めば夕方までにはは彼等を送り出せるかと!」


「クァ……クァ…………(そうですか……あの…………)」


「どうかなさいましたか?………っ!?ま、まさか!?わたくしめは何か失敗を!?それならば直ぐにこの首をっ!……………」


「クァクゥア!?(違うからやめてね!?)」


「でしたら………はっ!?もしかしてこの身体をご所望で!?ならば今から身体を清めて!?…………」


「クァクックァクゥア!?(何考えてるのかは分かるけど違うからね!?)」


 と……まぁ、こんな感じで物凄く卑屈と言うか下手と言うか………とにかく俺に気に入られ様とアレやコレやと色々とやらかしていて………。

例えば朝昨日の状態が落ち着いたのか起き出した時には俺達の寝ていたテントの前に正座で座り俺達が出て来るのを待って俺を目視したと同時に「昨日はご迷惑をお掛けしましたぁぁぁっ!」と土下座したり………。

それを止める様に言うと………「申し訳御座いませんっ!?このお詫びはわたくしの首を持って………」と剣を抜き首に当て自殺しようとしたり………。

それを止めると………「こんなわたくしめの為にそこまで………なんと慈悲深い!一生着いて行きますのでわたくしめをどうかフォルテース様の奴隷に!」とか言い出したり………。

ちなみに他にあった事と言うと………寝起きだから顔を洗いたいと言うと水のタップリ入った桶を持って来てその水を手酌で持ち俺の顔を洗ったり………。

食事にしようとするとありとあらゆるモノを口移しで食べさせ様としたり………。

それをなんとか止めると今度は全てを自らの手で食べさせ様としたり………………。

確かに【強制覚醒】のデメリットの所為で身体が思う様に動かなかったから色々と助かるのですがね?……………何でもかんでもやろうとするのは………ね?。

ただ助かったのはこの竜の身体の元々の能力だと思うが食事等体に入れるモノが全て効率よく栄養に変換されてるのか排泄に行く事が無いのが良かった………。

しかし、何がどうしてそんな風になったのかは分からないが性格変わり過ぎじゃありませんかね?………。

取り敢えずね?………もう……僕は彼女の事が良く分からんとですよ…………………。


「では何か………はっ!?そうか!」


「クァクックァクゥア!?(何がそうかは分からないがきっとそれは違うからね!?)」


 どうせ碌でもない事を言うつもりだろうから先に言ってこれ以上言わせ無いからね!?。


「クァクックゥア?(隣都の方の様子は分かりますか?)」


「はっ!伝令を走らせておりますが現状戻って来てはおりません………その為現状どうなっているのかは………」


 伝令が帰って来ないか………魔物か盗賊か………それとも………。

何にしても情報が無いのは困るな………。

結局隣都は無事なのだろうか………。

知らない人の為にどうしてここまでしてるのか時折疑問に思うがシャルはお姫様だ………民の事を放っとく事なんて出来ないだろうからな。

…………………何か転生前と俺性格変わって来てないか?。

転生前の俺はこんな事考える事なんて無かった………。

と言うか「他人の為に命を掛ける何てバカのやる事だ」って言ってた筈なのに………。

……………俺どっかおかしくなってるのか?。

もしかして誰かにイジられてたり………。

……………ははっ!んなわけ無いか!。

好きな女の為に戦う!うん!何もおかしくなって無い!。

きっと隣都の事が何も分からなくて不安になっただけだ!うん!そうに違いない!。

そんな風に考えを纏め俺は副団長に聞いた。


「クァック………クゥア?(隣都の情報が無いと不安だけど………どうします?)」


「随時伝令と斥候を放って出来るだけ情報を集めつつ進む他無いかと………」


「クァクックァ………(やっぱりそれしか無いか………)」


「です………」


「クァ?(出発は?)」


「明日の朝に動こうかと………到着が遅れる事になりますが………」


「クァク………クッククァクックァク………(それは仕方無いでしょ………流石にブラッドフェンリルと遭遇するとか誰も思わないですよ………)」


「そう……ですよね……………」


 どうやらまだ気にしている様だ………。

と言うか普通アレだけの事が起きたんだ1日で立ち直る訳が無いよな………。

こりゃまだまだフォローしないといけないな………。

コレ………シア達ももしかしてショックを受けてるのかな?………………。

もしそうなら2人もフォローしないとな。

そんな風に考えながら俺はその日は過ごした。



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