表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/171

第80話


side:レイリス


「どうやら最初の関門は乗り切ったみたいですね………」


 地上の様子を見ている私の横でメイビスがそう呟きました。


「そうですね……ですが………」


 ブラッドフェンリルは始まりでしかないのです………。

私の予知ではアルフェニアでさらなる苦境に立たされる事になるのですから………。


「レイリス様………予知はまだ………」


「ええ……依然変わり無く………」


 良くも悪くも本当に一切の変化が見られませんね………。

喜んで良いのか疑問でしかありません。

それでも………。


「彼があの時点で【バハムート】へとなる確率はとても低かった………もし引き当てられなければ全滅していたのですから………そう考えると結果としては良いのでしょうね………」


 スキルはただ習得しただけでは意味を成さないのですから。

習得には基礎となる条件を満たせば手に入れられますが………。

しかし、それは手に入れただけで使いこなしたのではありません………。

使いこなすには何度も使用し身体に馴染ませる事が必要なのですから………。

そして、馴染ませた先にはさらなる高みがありそこへ辿り着くには強い思いが必要です。

今回、彼が【強制覚醒】で【バハムート】に成れたのは馴染ませたのでは無くこの強い思いが関係しているのです。

彼の強い思いが馴染ませるまで至っていないこのスキルを………それも本来はランダムで選ばれる【竜】又は【龍】の最終進化のどれかになるのです。

それこそ最悪ただの【ワイバーン】に成ったり破滅の毒龍【メルトドラゴン】何てモノに成っていた可能性もあったのですから。

それなのに彼は思いの力だけであの結果を引き寄せたのですから………ホント感心します。


「もしかしたら………」


「レイリス様?」


「いえ……何でもありません………」


 もしかしたらメイビスのミスも誰かの………それこそ私達より高次元の何かによって操作されてたのかも………何て……そんなわけ無いですね。


「とにかく………今回の事を彼が乗り越えてくれるのを見守りましょう………私達にはそれしか出来ないのですから」


「………はい」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


side:フォルテース


 天幕を潜り1人の騎士が入って来た。


「報告します!被害状況の確認が取れました!」


「………………クァ(………………続けて下さい)」


「は!今回の遠征の為に集まった第2第3部隊総数60000人の内ウルフの襲撃により死傷者が約1割出ました。

内訳は軽傷が4038人重症が1795人死者が167人です!現在重傷者から治癒魔法による治癒を行っております!」


「………クァ…………クァクゥァ?(………ご苦労さまです…………どれ位復帰出来そうですか?)」


「おそらく数日掛けて治癒して重軽傷合せて5500程が復帰出来るかと………何分手足を食い千切られている者が多く………」


「クァクゥァクックァ………クゥァック?(分かりました引き続き治癒の方をお願いします………それで宜しいですね?)」


「ひっ!?よ、宜しいかと!………」


「…………クァァ(…………はぁぁ)」


 俺の言葉に帰って来た返答を聞いてため息をついた………。

どうしてこうなった………。

いや、理由は分かってるんだよ………分かってるんだけどさぁ………。

どうしてこうなってるのかと言うと先程までの戦いが原因だ。

ブラッドフェンリル………通称堕ちた神獣と呼ばれお察しの通り元々はこの世界を守護する神の使いの一柱だ。

そんなブラッドフェンリルはどんな理由でかは分からないが100年位前に突如暴れ出し色々な国で多大な被害をもたらしているらしい………。

そんな存在とガチで戦い互角の戦いを繰り広げブラッドフェンリルが逃げ出した後その存在がそのまま残り自分達を見ている………それこそ「次は私達が………」と言う奴である………。

しかも終わった後低い唸り声で狼達を負い散らかし人を睥睨してから副団長であるクラリス・キャンベルをじっと見つたのだ………。

傍から見るとまさに「次はお前だ……」の状況である………。

しかも俺は副団長の事を知ってるがあちらは一部の(シア達だけ)人しか俺だと知らないのだ………。

そりゃ怯えもするわ………。

そんなこんなで俺に対し完全に怯えてしまい【強制覚醒】を解いた後シア達が来てどうにか落ち着けたのだがそれでもまだ駄目らしくこんな感じで判断能力も低く震えているのだ………。

どうしょうも無いと取り敢えず姫であるシャルに頼んだら「でしたらフォルテース様が指揮をお取りください♪」と喜々として言い出しそれがそのまま決定されてしまったのだ………。

「いや!出来ないから!」と断ってもニコニコと笑顔でいるだけで一向に引く気配が無く早く対処しないと人がどんどん死にかね無かったので仕方無く…………ほんと〜に!仕方無く!指揮を取る事にしたのだ。

さて、取り敢えず早く対処しなければならないのは指揮系統の回復と負傷者の治癒………それから戦力の把握である。

指揮系統は本来は副団長かシャルが中心でやらなきゃならないのになぁ………何で俺なんだよ。

文句言ってても仕方ないのでとにかく俺じゃ誰に言えば良いのか分からないのでシャルに頼んで纏めて貰った。

ある程度纏まり出した所で負傷者を纏めて治癒を開始。

そして先程の報告を貰ったのだ。

やっぱり死者が出ていたか………多分まだ増えるんだろうな………。

元々俺は平和な日本に住んでたんだぞ………。

それが今じゃこんな命のやり取りが必須な殺伐とした世界にいるのだ………。

絶望しそうだ………。

それでもシアとシャルの為にもやらなきゃならない………。

諦める訳にはいかない。

とにかく次の指示を出さないとな。


「クァクックァクゥァ(大丈夫な人達でローテーションを組んで野営の準備をお願いします)」


「了解しました!」


 はぁ………何で俺がこんな事してるんだろ………。

副団長……そろそろ立ち直ってもいいんですよ?………ダメですか?………そうですか………明日には立ち直ってくれると良いなぁ…………。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ