第8話
連続投稿最後の1本です。
これ以降の投稿は毎週土曜日の午前0時に投稿しようと思っています。
変更がある場合は活動報告でお知らせしますので宜しくお願いします。
次の投稿日は1月12日を予定しておりますので宜しくお願いします。
それから少ししてシアが完全に落ち着くまでたってから動く事にした。
「ゴメンね………早く街に行きたいよね………」
「クァァ(別に構わない)」
「フォル………ありがどうね」
彼女は先程まで死に掛けた事を思い出し震えていたのだがその後少しして落ち着いて街へと行こうとしたのだが安心した事により腰が抜けてしまい立てなくなったのだ。
それにしても………何故かは分からないがシアと俺の心が繋がっている気がする…………まぁ、嫌ではない………と言うか嬉しいかな。
俺は人頃の記憶を持ったまま転生している。
その為どうしてもその記憶に引っ張られて魔物としての本能が薄い気がする。
その所為かは分からないが1人でいる事に恐怖を感じて仕舞うのだ。
しかし、シアとの繋がりを何となくでは有るが感じていてそれのお陰で俺は1人ではないと思えるのだ。
結局の所俺が弱いのが原因だと思うが…………良く転生とか転移系の主人公はこう言うの平気でいられるよな…………。
っと、話が脱線した。
まぁ、兎に角シアが回復するのを今は待っているのだが……………シアは何で俺の言葉が分かるんだろ?。
「う〜ん………よっ!やった♪ようやく立てたよ♪それじゃフォル街に行こうね♪」
「クァッ♪クァァ♪(シア、立てて良かったな♪それと、街が楽しみだ♪)」
「ありがとね♪街に着いたらいっぱい色んな所に連れて行ってあげるね♪」
「クァッ♪クァック………(頼むな♪けどその前に………)」
「フォル?何かしたいの?」
「クァァ………(腹減った………)」
ぐぅぅぅ………っと俺の腹が鳴った。
結局洞窟で食べたのはあのキノコ位で後は何も口にしていない………。
洞窟から外に出て街に行けると思ったら流石に緊張が切れたのか急に腹が何か食わせろと訴えてきた。
「ふふっ♪それじゃ街に着いたらギルドだけ寄らせて。
そこでお金を作ったら何か食べに行こうね♪」
「クァァッ♪(楽しみにしてる♪)」
そうこうしてる内に森を抜けて街に繋がる橋が見え始めた。
その橋が近づくに連れその橋の大きさが良く分かる様になった。
遠目からでも大きかったが近くに来て見ると更に大きく見えた。
「この橋を渡ればこの国の王都アルヴァロアに着くよこの王都の城下町はね他の国に無い物が沢山あるんだよ♪何でもこの国の初代の王様が異世界人だったって話でね。
その人が自分がいた世界の暮らしに近付ける為に色々と作ったんだって」
「クァッ!!?クァァ………(異世界人!!?まさか………)」
「どうかしたの?」
「クァァ………(少しね………)」
「ふ〜ん…………」
「クァ?(気になる?)」
「……………気になるよ、だってフォルの事だもん」
俺の事だから気になる………そんな事言われたら俺の事話してないのが苦しくなるじゃないか………。
何処かのタイミングで話さないとイケないんだろうけど………異世界の人間がどう言う立場なのか分からないからなぁ…………。
もし、シアに拒絶されたらって考えると怖くて話せない………でも。
「クァ………(今夜、話すよ………)」
「………分かったわ……でもこれだけは言って置くわね。
もし、私に嫌われるかもとか考えてるならそれだけは絶対にないからね………」
それだけ言ってシアは少しだけ歩く速度を早めて俺の前を歩き出した。
ホント俺の事筒抜けだな………。
俺は苦笑いを浮かべながらシアの後を追いかけた。
それからまた少しした頃止まっている馬車が見えて来た。
「フォル、もう直ぐ街のいり口に着くよ」
「クァ?(この列に並ぶのか?)」
「普通ならねでも私は徒歩だからこっちに別の入口が有ってそこから中に入るんだよ」
「クァァ?(別の入口から?)」
「うん、これはね初代国王様が馬車と一緒だと時間が掛かり過ぎるからって徒歩と馬車を別々にして検問する様にしたんだ。
お陰で私達はそんなに掛からずに街の中に入れるんだよ」
「クァァ………(へ〜、渋滞の緩和か………)」
シアは説明もそこそこに横に有る扉が開かれた場所へと向かい出した。
「フォル、これから中に入るんだけど中で話とかしなきゃいけないから少しだけ時間が掛かるからね」
「クァ!(分かった!)」
そんな短いやり取りをして俺達は中に入った。
そこには鎧を着た兵士っぽい人が3人居た。
するとその1人がシアに気付いて声を掛けて来た。
「お!帰って………おい!大丈夫か!」
「大丈夫です。
傷はもう治ってますから」
「そうか、朝とは違って服はボロボロで血だらけだから心配したぞ………」
「ありがとうございます。
それで私とこの子の通行の許可を貰いたいんですけど………」
「ん?…………って!おい!コイツ!ドラゴンじゃないか!」
「はい、クエストで洞窟に行ってたんですけどそこでこの子と出会いまして………色々有って懐いてくれて♪」
そう言ってシアは俺を持ち上げて抱き締めた。
俺が大人しく抱かれていると彼等は俺を見て頷き。
「確かに大人しいみたいだな………もしかして、テイムしたのか?」
「テイムしたのかはちょっと判断がつかないですね?」
「どうしてだ?普通テイムしていないとここまで大人しくはないんだが?」
「そうなんですけど………実を言うと私洞窟で死に掛けまして………」
「何!死に掛けただと!」
「はい、私の依頼はゴブリンの討伐だったんですけどその群れの中にゴブリンナイトが居て………」
「っ!!?そいつは!」
「………討伐しました………この子が」
「「「………………は?」」」
シアは俺を驚いている3人の前に付き出す形で持ち直した。
そんな俺を見せられた3人は完全に固まってしまった。