第79話
なんと言うか手詰まりだ………。
勢いこんで『ドンッ!』と言う激しい音を出してぶつかりそのままにブラッドフェンリルが噛みつこうとして来たのを左腕で顎下からアッパーで殴りつけそれを察したブラッドフェンリルが顔を反らしてよけつつ右脚を振り上げ爪を振り下ろして来た。
それを左手で払いのけ反撃でブラッドフェンリルを殴りそれを身体を低くして避けられその姿勢のまま地面を蹴って体当たりをして来たのを後ろへ飛んで避けつつ序に顎を狙い右脚で蹴り上げたのだがブラッドフェンリルはそれにも反応し脚の上に乗る形で勢いを利用されて後ろへ飛び避けられた。
もう何と言うか強いとしか言えない………。
おそらくステータスはコチラが上だろう………。
しかし、技量はアチラが上だ。
その為決め手に掛ける………。
その為一旦離れたのをいい事に睨み合いに戻して考えているのだが………アイツに負けるイメージも出て来ないが勝つイメージも沸かない………。
しかも、こっちの強さは制限時間付き………。
ホント……どうすりゃ良いんだこんな相手………。
後残された手段は………怖くて使い辛いんだよなぁ………。
けど………やるっきゃないか!。
取り敢えずコイツを人のいない所に誘導しないとな!。
そう考え少しづつ様子を伺う様に距離を保ちながらブラッドフェンリルを中心に時計周りで左側へと移動して行く。
ブラッドフェンリルもそんな俺を警戒してか俺を正面に見据えたまま同じ動きをしている。
奴の背後の風景が草原で埋め尽くされた瞬間俺は右腕を腹の所へと持ってくる形でブラッドフェンリルへと体当たりをかました。
流石にこんなに早く突っ込んで来るとは思っていなかったのかブラッドフェンリルは少しだけ反応が遅れ俺の体当たりをそのまま受ける事になった。
だがただで受けた訳ではない。
少しでもダメージを減らす為ブラッドフェンリルは当たる瞬間後ろへ飛び威力を軽減して来た………。
少しでも動きが制限出来ればと腹の所へと持って来た腕を裏拳の要領で振るい胸を殴り付けた。
流石にこれは躱す事が出来ずにブラッドフェンリルはまともに受けた。
だが効果は薄かった様で空中で姿勢を正し着地体制に入った。
まぁ、これで倒すつもりは無かったので別に構わない。
俺はそのまま切り札を切った。
「グルァァァァッ!(滅龍砲波!)」
コレで倒れてくれ!。
そんな思いで放った極太の砲波名前があまりにも危険なモノなので出来れば使わずにいたかったが選り好み出来る程状況は良くない………。
ブレスはブラッドフェンリルに直撃しその余波で土埃が舞い視界が悪くなっている………。
魔力感知全開で調べているが周りに漂う魔力の余波まで拾ってしまい良く分からない………。
多分、俺のブレスもそれに拍車を掛けてる筈だ。
何せ【強制覚醒】によって進化したバハムートの魔力………総魔力量約6000の内3分の1を使っているのだ影響が無い方が可怪しいだろう。
更にはブラッドフェンリルも何らかの力を使った気配が有った………。
防がれただろうがダメージは通っている筈だ………ダメージ通っているよな?………………。
なんにしてもこの砂埃じゃ何も見えやしない………。
取り敢えず邪魔なので吹き飛ばそう。
そう思い俺は【飛翔】を応用して前方へと強烈な風を起こした。
そうする事で砂埃はその風に乗り前方へと押し流され視界がクリアになり始めた。
視界が開けたら襲われるかも知れないのでどこから来ても対処出来る様に警戒した。
しかし、砂埃が晴れた先には何も居なかった………。
マズイ!後かっ!そう思い振り返ったがそこにはコチラを唖然としながら(何名かは神に祈る様にまた何人かはその場で蹲りながら)コチラを見ている人と俺に怯え動きを止めている狼達しか居なかった。
なら上かっ!慌てて上を見たがそこには沢山の星が瞬く夜へと変わった夜空が広がるばかりだった………。
後にも上にもいないなら下か?でもコレだけ隙が出来ていて襲って来ないのはどう考えても可怪しい………。
不意打ちを警戒しながらキョロキョロと隙を晒す事になるが奴を探して見たが何処にもそれらしい影は見当たらなかった………。
どうやら逃げられた様だ………。
幸いブレスがぶち当たった衝撃を感じていたので無傷では無い筈だがどれ程ダメージを与えられたか………。
何にしても最大の脅威は無くなった。
残り時間もそんなに残っていないので後はこの残ってる狼達を素早く何とかすれば終わりだな。
取り敢えず威嚇してみるか………。
そう思い振り返りそこに居る狼達を見ると一斉に「ビクゥーーッ!?」と音がしそうな程身体を硬直させた。
それを見た後俺は「グルゥ………」と低い唸り声を上げた瞬間まるで「キャイーーーーン!?(バケモノーーーーッ!?)」と言っているかの様に情けない悲鳴を上げて逃げ出した………。
何か地味に傷付くんだが……………。
何にしても取り敢えず戦いは終わりだな。
そう思い騎士達を見ると狼達と同じ様に「ビックゥーーッ!?」と身体をさせてからその場でガタガタと身体を震わせ始めた………。
マジで傷付くんだが………。
どうにか出来ないかと考えシア達を探すのだが見当たらずどうしようと思っていると1人の人物に目が止まった。
視線の先には1人女性騎士………この部隊を率いるクラリス副団長が居た。
彼女だけは他の騎士達と違い震えていなかった。
おお!もしかして俺だって分かってて怯えてない?なら!この混乱をどうにかしてくれるかも!。
そう思い声を出したのだが………。
「グ〜「ひっ!?」…………………(お〜………………)」
「グルゥ……………(えっと…………)」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい許して下さい死にたく無いごめんなさいごめんなさいごめんなさい…………」
あの〜………えっと…………コレどうしよう…………。
思わず情けない声を出しそうになった………。
なにせ怯えてないと思ってたら単純に理解が追いついて無かっただけの様で1音出した途端に何かに取り憑かれたかの様に謝り出して俺に死にたく無いと懇願し始めた………。
余りの怯え様にどうして良いか分からずその場で立ち尽くした………。
もうホントどうしよう……………。
そう思うがコレだけは言わせてくれ………。
「グルゥァ…………(誰か助けて…………)」




