第74話
「………それでだ……お前達に頼みたかったのはその6階層の探索を他の狩人達と共に行って欲しかったんだが………アルフェニアへ行くんじゃな………」
そう言って肩を落としながら「しゃあないか………」と呟いた。
俺も出来るなら頼られたのだからやってあげたいのだが無理なものは無理だ。
まぁ、戻って来てその時にまだ進んでいなければ何とかしようと思う。
魅了や混乱等の状態異常ならポイント使えば習得可能だしな………。
と言うか習得しとこうかな?コレから行く先で何があるか分からないし下手にそう言う状態になって暴走………【強制覚醒】発動………災厄を振り撒く種へ進化………何てなったら嫌だしな。
うん!この際だ各耐性系取れるだけ取っておこう!取り敢えず魅了と混乱……それから毒と麻痺……後は睡眠………げっ!操作とかそんなのも有るのかよ!他には石化に精神それに魔法・物理………これポイントが全然足んないな………。
魅了と混乱とかのはポイント低いんだけど物理・魔法耐性はポイントが50も必要って………アレに使うんじゃ無かった………。
俺は少し前にやった事を後悔した。
実を言うと鑑定を上げる際最初ポイントの大半を注ぎ込んでしまったのだ………。
称号の効果とかあまりにも曖昧な書き方をされていたので困ったのだ。
良く鑑定のレベルが上がると詳しくなるとか有るよなと思ってその辺りが分かるまで上げてやると4レベルまで注ぎ込んでまだ足りないと暇潰しついでにと一生懸命使いまくって5に上げたのだが………もう少し計画的にやれば良かったと後悔した。
無い物ねだりしても仕方無いので取れるだけ取っておこう………。
取り敢えずポイントが5と低い毒・麻痺・睡眠は取るとして残りは15………魅了・混乱・操作・石化・精神……1つ10ポイント使うから1つしか取れないんだよな………。
混乱はおそらく仲間とかが敵に見えるとかそんな感じなんだろうな……それだったら気を付ければ何とかなるかな?………となると魅了か操作……それか石化か………一番厄介そうなのを選ぼうと思ってもどれも厄介何だよな………。
魅了は多分異性を操るとかだろうからそう言ったのはそれぞれ同性で対処するとして………操作か石化かなぁ………。
操作は精神か肉体かによるけどやっかいだよな………。
石化は言わずもがな動けなくなる程度なら良いけど完全に石にされたら最悪砕かれて終わりなんてのも考えられるしなぁ………。
う〜ん………どうするか………いっそ毒・麻痺・睡眠のどれかを諦めてこっちを取るか?。
安全を考えるならそっちの方が良いのかな?。
どれも危険っちゃ危険何だけど毒や麻痺はポーションとか魔法でも何とかなるだろうし対処不能になるのは困るから麻痺と睡眠だけでも良いかな?。
うん!決めた!麻痺と睡眠だけ取って後は操作と石化の2つに注ぎ込もう!毒は魔法で何とかする!そうと決まれば早速取っちゃおう!。
「あの……フォルテース様?」
おっと!まだ話してる途中だった!。
何にしても対策しといて損は無いと言う事で俺は急いで操作を終わらせて2人に何でも無いよと言いリカルドにそろそろ行くと伝えてお互いの無事を祈ると言葉を交わしギルドを出た。
ギルドを出て俺達は王都の入口へと向かった。
目的地はその横に併設されている騎士団の訓練場だ。
そこで俺達は騎士団と合流してアルフェニアへと向かう予定なのだ。
特に問題が無ければそのまま騎士団と共にアルフェニアへと向かいそこを襲っている魔物を退治して都市の復興を手伝ってから戻ると言うスケジュールになっている。
どんな危険があるか分からないが無事に終わってくれる事を祈る。
そうして考えながら移動していると高い壁に囲まれた場所が見えて来た。
シャルから聞いてはいたがかなり凄いな………。
何せ壁の高さだけで10m位あるしかもその壁が500mも続いているのだ………まさしく圧巻の一言に尽きる。
ちなみにここが訓練場だと聞くまで俺は刑務所か何かかと思っていたのは仕方無いと思う。
しばらくその壁に沿って進むと中に入る為の門が見えて来た。
そこには門番らしき人が立っていてそこへシャルを先頭に近付いて声を掛けた。
「ご苦労さまです。
キャンベル副騎士団長」
「姫様!お待ちして下りました!出撃の準備は整っております!」
「それは何よりです………それにしても貴方が門番をしているとは思いませんでした」
「私は騎士長ではありますがここは階級に関わらす持ち回りで警備する事が昔からの習わしで普段からこうしております。
もっとも今日は姫様が来られると通達が入っておりましたので失礼が無い様にと本来の者と代わり私が立っておりました。
それで姫様?後ろにおられる方々は例の?………」
「えぇ、今回の作戦にて中核になられる方々です」
「そうですか………」
そう言った彼女は俺達を眺め俺を見た瞬間一瞬鋭い目になった様に見えた………一瞬俺を睨んだ気がするが何かしかな?。
そう思ったが皆はそれに気付かなかったのかそれとも元々無かったのか分からないが反応していない………俺の気の所為か?。
「初めまして!私はクラリス・キャンベル階級は第3部隊で副団長を勤めております!以後よろしくお願いします!」
左手を後ろに回し右手を握りその手で左胸を叩く様にして挨拶をした。
どうやらコレがこの国の騎士礼の様だ。
流石に様になっていてカッコいいな。
「それでは中にご案内します」
そう言って彼女は門の横にある扉を開いて中に入った。
俺達はそれに続きその扉を潜った。
潜った先は小さな小部屋の様になっていてそこにはクラリス副団長と騎士の鎧に身を包んだ人が2人立っていた。
「マルクス!ハンヴィー!姫様達が到着した!マルクスは外へ出て門番を!ハンヴィーは先に行き騎士総長方に連絡を!」
「「はっ!」」
その命令を聞いた2人は直ぐにそれぞれの指示に従い1人は俺達が入って来た扉から外へと行きもう1人は奥にあるもう1つの扉から出ていった。
「それでは皆様私の後に付いて来てください」
その言葉と共に手で奥の扉を示してから前を歩きだした。
俺達は彼女と共にその扉から出た。
奥の扉を抜けると広いグラウンドがありそこには綺麗に整列した騎士達が整列していた。
「姫様に敬礼!」
『ザッ!』その音と共にそこにいた騎士達が一斉に先程クラリス副団長が取った挨拶をした。
そこにいた大勢の騎士による敬礼はそれだけで気圧されそうな程の圧力を感じた。
これだけの人達と一緒に行動するんだなぁ………と変な感想しか出て来なかった………。




