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第62話


 国王やシャル姫が頭を下げてからどれ位時間が立ったのか………1分?5分?もしかしたらもっと長いのかもしれない。

それとも逆に短いのか………そんな感覚すら分からなくなる程の静寂と緊張感がこの場を支配していた。

そんな中いち早く意識を元に戻したのは商人と思われる1団の男だった。


「国王陛下……流石に頭を下げるのはいけませんよ!」


 俺もそう思う………国王ってのは所謂国の代表だ。

そんな人が気軽に頭を下げるのは国民全員がその人に頭を下げるのと同じになってしまう。

いくら国にとっての危機を救ったとは言えそれだってシアを助ける為のついで……と言うか偶然そうなっただけなのだ。

頭を下げられる様な事では無い………。

しかし、国王はそんな言葉に反論した。


「これしか出来る事が無いのだ………お主達も分かってるとは思うが隣都が魔物に襲われておりどうなるか分からん。

しかも、もし隣都が落ちれば隣都は多大な犠牲を払う事になる。

そして、そうなればここへと入って来ていた食料等が入手不可能になりこの国は食料難に陥る。

しかも最悪この王都まで魔物に襲われかねん………。

それをどうにかするにはこの王都に詰める騎士達を派遣して早期に解決するしかないのだ。

ただこれを行っても既に荒らされた穀倉地はどうにもならんのだ。

つまりは隣都はこのままでは魔物の脅威を避ける事が出来ても食料が足りず餓死するしか無くなるのだ。

それを解決するには他の都市や隣国から食料を買い集め隣都へと送る必要がある。

それには金が必要だ。

となれば今回のゴブリンロード討伐を成し遂げた彼女等に報奨金を与える事が出来ぬのだ。

では、宝物庫から彼等に何か与えるかと言う事も考えたがそれも出来ぬ。

隣都を救うには武器が必要………その武器は少し前の邪竜討伐の折に使い果たし今現在足りておらぬ。

となればどうするか………買い集めるか作るしかなかろう?。

作るには鉄が足りておらぬなれば買い集めるしか残っておらぬ。

それにはやはり金が必要だ。

そして国庫はこれ以上出せるだけの余裕は無い………。

とすれば宝物庫の中に残っている武器を持たせ残りは他の兵に持たせる為の武器と変えるしか出来ぬ。

つまりはそちらも渡す事が出来ぬ。

土地なども王都には残っておらずかと言ってどこか外で与えられるかと言うとそれすら無い!。

後残るは地位や名誉だがコレにしても今の情勢では与えたとして意味など無いモノしか与えられん!。

そうすると残るのは我等の命かこうして感謝の言葉と共に身体でそれを表す事しか残らん!。

命を与える訳には行かぬのだとすればこれ以外に余に出来る事は残っておらぬのだ!。

地位!名誉!金!食料!武器!土地!宝!何も残っておらぬ!それでも何かをと必死に考えこれしか出来る事が残らなかったのだ!こんな惨めな事しか出来ぬのだ!」


 国王はそう涙を流しながら言った………。

そんな国王の姿を見て誰もが何も言えなくなった…………。

それこそ本当にそれしか残っていないのだろう………………そんな国王の姿からはそれが分かる程だ………。

それでも必死に考えてくれたのだ本当にありがたいと思う………だから俺はこう言った。


「クア………クア……クックゥア(シア………国王様……優しいくて良い人だな)」


「うん………」


「クァ………(だから………)」


「言わなくても大丈夫!私もフォルと同じ考えだよ!それにもともと討伐報酬だけのハズだったんだから!」


 まだシアの事を完全に理解してるとは言えないがそれが本心からの言葉だと判断できない程浅い付き合いでは無いと断言する。

ここまだ2週間も経ってない付き合いだがシアが自分の事よりも人の事を思いやれる優しい女の子だと言うのは良く分かっている。

だからシアにはこう伝えて貰った。


「『国王様……そこまで考えて下さりありがとうございます。

俺達はその言葉だけで十分です。

ですからどうか頭をお上げ下さい。

もともと報酬はシアが言った通りゴブリン討伐の報酬を貰うだけだったのです。

俺達の為にそこまでして下さったのですからお気になさらずにどうか他の人の為にそのお金は使って下さい』だそうです♪」


 俺の言葉を聞いて嬉しそうにニコニコしながらシアは代弁していた。

俺の言葉が分かるシャル姫もその言葉を聞いてニコニコしている………でも何かシアのと笑顔の種類が違う気がするんだが………なんだろう?。

そして頭を上げた国王様も笑顔だ………アレもしかして嵌められたか?。

そう思ったのだが………国王が言った次の言葉で俺は………いや、俺達は誰も予想していなかった(シャル姫以外)内容を聞かされた……………。


「フォルテース………神獣にして使徒にして転生者の英雄フォルテース殿!感謝する!そしてこの国を救って欲くれないか!もし余の頼みを聞いて貰えるのであれば報酬として余の娘であるシャルティアを貴殿に嫁がせると約束しよう!」


「「「「「は?え?えぇぇっ!?」」」」」


「はぇ?」


「ク、クア?…………(と、嫁がせるって?…………)」


 表情が急激に変わり真剣な顔になった後土下座をする勢いでまた頭を下げこの国を救ってくれと言った。

ってか嫁がせるって!?まさか!シャル姫!俺の事好きだってあの話を話したの!?しかもこうして嫁がせるって言ってるって事は俺との結婚を認めてる………と言うより俺に嫁がせるのを進めてるって感じだな………。


「よろしくおねがいします♪フォルテース様♡」


 ……………あ〜……コレ計画してたな……すんげぇニコニコだよ……シアは………理解出来ないのかそれともしたくないのか完全に………それも思考すら固まってるなコレ………他の連中もシアと変わらない位固まってるよ………俺も固まって良いか?。

そんな中1番の最初に再起動したのはシアだった。


「えっと………シャルティア様……」


「シア様、前にも申しましたがシャルで結構ですよ♪」


 シャル姫はニコニコしたままシアに呼び方を洞窟の時と同じ様にして欲しいと言っている。

改めて思うがシャル姫って結構頑固な所があるよな………なんて言うか……こう……こうすると決めた事は絶対に曲げないって感じで………こりゃ説得は無理っぽいなぁ…………。

そんな風に諦めの境地に達しようとしていたらシャル姫はさらなる爆弾を投下した。


「それにコレから先は一緒に居る事が多くなりますしシア様もフォルテース様と結婚なさるのですよね?でしたら同じ夫を持つのです姉妹の様に仲良くしたいです♪」


「え!?あの!えっと!?」


「あれ?違いましたか?」


「違わない!」


「なら良かったです♡コレからよろしくおねがいしますね♪」


 こりゃ……もう断るのも無理っぽいな………………。

俺は面倒そうだと思ってた予感が的中した事を恨めしく思った………。

ホント………面倒な事になったよ……………。



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