第51話
「それでは頑張ってください♪」
おう!色々とお世話になりました?………で良いのかな?。
「どうでしょう?一応お世話したとは言えるかも知れませんが元々は私達のミスでご迷惑をお掛けしてる訳ですし………お互いに……と言えるのでわ?」
そうかも?………まぁ、取り敢えず貰った力は有効に誓わせてもらうよ!。
「えぇ………ただしお気を付け下さい。
【強制覚醒】は諸刃の剣です。
成功すれば多大な力を手にする事が出来ますが………万が一が起これば最悪世界が滅びる事になるかも知れません。
今回は私達の加護が作用して必ず成功しますが次はどうなるか分かりませんので………ただ、その事を気にして命を捨てる様な事の無きように………」
分かりました………多用する気は有りませんが危ない時には躊躇わず使います。
「そうして下さい………それでは、貴方の未来に幸有れ………」
有難う御座いました………。
そう言って、彼は光に包まれその場から消え元の場所へと戻って行きました………。
「………………行きましたね」
「………えぇ」
「良かったんですか?あんなに加護とか上げちゃって………たしか私達から送り出す転生者特典のスキルって1人に付き1つだけじゃありませんでしたか?」
「普通はそうね」
「普通はってどう言う事ですか?」
そう言え事故とは言え記憶を残した転生者の担当になるのは初めてだったわね………。
今後の為にも説明しとこうかしら?。
「単純な話よ?魂の器の問題よ」
「魂の器ですか?」
「えぇ、私達の与えるスキルを含めた
力は自力で身に付けるスキルと違って無理矢理魂に刻み込む形になるのよ。
その為、魂にかなりの負担が掛かるのよ………普通の人はスキル1つが限界なのよ」
「でも彼には4つ上げてますよね?」
「普通は途中でここに呼び出す何て出来ないでしょ?その上彼の場合は私の加護をあちらで受けてユニークスキルと言う形で自然に身に着けているのよ。
だから経験値倍化、スキル習得率倍化、ステータス成長率増加の3つは私が無理矢理魂に刻み込んだものでは無いのよ。
それに彼に与えたスキル【強制覚醒】は正確に言うと私が与えたモノじゃないのよ」
「え?どう言う事ですか?」
「彼のスキル【強制覚醒】はいずれ彼の成長に合わせて自力で覚醒するモノだったのよ。
それを今回私が少し早めただけなのよ」
「それじゃあ………スキルを与えて無いんですか?」
「ふふ♪」
私がスキルを与えたかは秘密です♪。
それを知ってメイビスがどうするかも楽しみです♪。
さて………頑張って下さい………フォルテース。
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「クァ?………(戻ったのか?………)」
「フォルテース様!気がついたのですね!?」
「目が覚めたのか!?」
「はい!」
シャル姫と………彼が女神様が言ってた護衛役のドルニタって人か………。
ここはどの辺りなのだろうか?少なくとも戦いの音が聞こえない場所なのは確かだ………。
「クァ?………(ここは?………)」
「横穴を通り過ぎた湖の奥です………」
「クァ……クックァ………(そうか……なら急いで戻らないとな………)」
「っ!フォルテース様!何を!?」
「どうした!?」
「フォルテース様が戻ると!」
「バカを言うな!ようやくここまで逃げてきたんだぞ!?それに戻ったところでゴブリンロードには勝てない!犬死するだけだぞ!?」
「クァ……クゥア………(いや……俺は勝つ………)」
そう言いながら俺は自分に回復魔法をかけた。
すると身体の痛みが引きだいぶ楽になった。
体力が少ないから直ぐに効果が出るのだろうか?。
どちらにしてもこれなら直ぐにシアの下へと戻れるので助かる………。
「っ!?回復魔法!本気で戻る気なのか!?」
「………フォルテース様……1つだけ聞いても?」
「クア?(何?)」
「勝てる根拠がお有りなのですか?」
「クァ……クックァクゥァ(あぁ……女神様に力を貰ったから)」
「っ!?それは本当なのですか!?」
「クァ(あぁ)」
「そうですか………………分かりました……直ぐに引き返しましょう」
「おい!姫様!いきなり何をっ!?」
「貴方の言いたい事は理解しています………ですが私はフォルテース様を言った事を信じ戻る事を決意しました。
ですので貴方はこのまま避難を続けて下さい」
「勝手な事を言ってんなよ!俺はあんたを逃がす事を最優先にしろとギルマスから言われてんだぞ!その為に仲間まで置いて来たんだぞ!それを!?」
「勝手なのは十分承知しています………ですが、貴方にも譲れないモノがある様に私にも譲れないモノがあります。
それがフォルテース様が言った事なのです」
「っ!?…………いったい何を言ったんだよソイツは………」
「…………女神様に御力を頂いたと」
「っ!?それは本当なのかっ!」
そう言って目を見開きドルニタは俺を見た。
俺は大きく頷き気絶していた間の出来事を話した………と言っても一部を除いてだけど。
「……………俄には信じられないな…………………けど、その力を使えば助けられるんだな?」
「クア!(ああ!)」
「…………分かった戻ろう」
そう言ってドルニタは振り向き歩き出した。
俺とシャル姫はその後に続く様に移動を開始した。
待っていてくれシア…………直ぐに行くから!。




