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第5話

投稿4日目です。

本日もお昼に続きを投稿致しますので宜しくお願いします。


 取り敢えず食料をそう考えて俺は入り口を塞いでいた岩を持ち上げて外に出た。

さて、食料を探すって言っても今ん所食べたのはさっきのキノコだけ…………そう言えば何も考えずに食べたけどアレ………毒とかって大丈夫だったのかな…………何か不安になってきた。

うん!深く考えない様にしとこ!取り敢えず今の所何ともなってないんだから!きっと大丈夫さ!……………大丈夫だよね?。

次からは食べる前に鑑定つかっとこう………。

取り敢えずさっきのキノコと同じのがあったら鑑定掛けて調べよう…………後は他に食べられる物が無いか探しとこう。

先ずはこの近辺から……………鑑定!。


【キノコ✕48 草✕8 岩✕20 水溜り✕18 虫✕83 人✕1】


 ヤッパリ、ザック………ん?あれ?今……何か見えた気が?もう一度、鑑定!。


【キノコ✕48 草✕8 岩✕20 水溜り✕18 虫✕82 人✕1】


 あっ、虫が減ってる!。

………………って!違ぁぁぁぁう!人!今人って出てた‼何処!!?コッチか!違う!じゃあ!アッチか!居た!!?うぉぉぉぉぉ!人だぁぁぁぁぁ!。

俺は直ぐに駆け出して近付いたが様子がおかしい、何故か全身ボロボロで所々血でだろうか?服が赤く染まっているのだ。

だが、俺は興奮していた為近付くまでその事に気付かなかった。

そして、あちらも俺が近くに来てようやく気付いた様で暗闇の中俺の姿を見てその表情を絶望に染め………………何で?。

俺はすっかり忘れていた自分がドラゴンである事を………ドラゴンが魔物である事を。

その事に気付きその表情を見た事で興奮が冷めて冷静さが戻って来た。

どうすれば良いのか分からず取り敢えず観察して見た。

そして、気付いた…………目の前の人がとんでもない美少女な事に。

しかし、今はそんな事はどうでも良い!今はこの状況を何とかしなければ。

取り敢えず見た感じかなり酷い状態だもしかしたら放って置くと死んでしまうかもしれない位に。

兎に角手当をと思ったが彼女は自分の足元に剣を持っていた様でその剣を俺に向かって持ち上げていた。

マズイ!このまま近づけば彼女は俺を攻撃して来そうだ!どうする、このままじゃ近づけ無い………考えろどうすれば彼女を救えて俺を信用して貰えるかを…………そうだ!。

スキルメニューからアレを習得すれば!。

えっと…………有った!良しポイントも足りる!一応これだけで使えるか分からないから残りのポイントでこっちも取って………良し!準備完了!今助けるから!。

そして、俺は直ぐに習得したスキルを彼女に使った。


「クァァッ!(ヒール!)」


 その声で今取ったばっかりの回復魔法が発動し彼女は緑色の光に包まれた。


「っ!!?え!!?コレって!回復魔法!」


 良し!ちゃんと発動した!どれ位効くか分からなかったので一回でダメなら何度でも!って考えていたがどうやら完全に治っている様だ。

取り敢えず良かったそんな風に思い彼女を見ると「どうして?何で?」と自分の身体を見ながら……………ってか女の子がこんな所で服を捲るな!見えてる!大きな胸とか!ほっそりした腰とか!小さな可愛らしいおヘソとか!色々見たらイケないものが!。

そんな彼女から目を背ける様に奥へと視線を持っていったのだが何か動くものとその手に握られた光る物が見えた。

俺は咄嗟に彼女の前に出て彼女を庇う様に唸りを上げた。


「ガゥゥゥ!」


 彼女もその声を聞いてようやく気付いた様だ。

直ぐに服を元に戻し俺の後ろで剣を構えてるのが分かった。

俺はその気配を背後に感じながら目の前の奴に鑑定を掛けた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ゴブリンナイト Lv8


これ以上は鑑定のレベルが低く表示できません。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ここに来て鑑定のレベルで相手の情報が見れない……………何っうかこの鑑定は使えないな。

そんな事を考えていたのだがふと後からカタカタと音がしていた。

少し気になったので目だけで後を見ると彼女が青い顔で震えていた。

もしかしたら彼女の怪我はコイツにやられたのかもしれない。

そんな彼女を見て俺の心に自然と「彼女を守らないと」と言う思いが浮かんで来た。

どうしてそんな風に思うのかは分からないが奴は倒す!俺はそう決意した。

さて!先ずは先制攻撃だ。


「クァァッ!(火球!✕5)」


 取り敢えず牽制を!と思って火球✕5個作り直ぐに俺は駆け出した。

俺は火球以外の遠距離攻撃が無い………となれば後は接近戦しか無くしかもスキルは爪か噛み付きしか無いだから取り敢えず前世の記憶に頼って戦おうと思う。

先ずは俺の手が届く所まで接近して敵の剣の内側に潜り込むそうしなければあの剣で斬られるしか出来なくなる。

俺のHPは42だからそれで耐えられるとは思わない。

良くHPが尽きなければ死なないとか有るが首を落とされたり心臓を貫かれて生きてられるとも思えない。

だから攻撃は出来るだけ受けたく無い。

後は俺の攻撃がどれだけ通用するかだが………やってみなければ分からない!。

そうして遂に俺の火球がゴブリンに当たったその瞬間奴は炎に包まれて絶叫した。

…………避けられると思ったのだが結果オーライだ!。

俺はその燃えているゴブリンの背後に回り込み拳を握って殴った。

その拳は炎を通り越しゴブリンの背中に当たりそのままゴブリンを逆くの字の形で吹き飛ばした。

そしてゴブリンは岩にブチ当たりそのまま動かなくなった。


『レベルが上がりました』


 ……………………え?弱っ!!?6発………いや、岩に当たったのを合わせて7発………それしか攻撃していないのにゴブリンは死んでしまった。

こんなに弱いのか………そんな風に思いながら彼女の方を見ると彼女は俺を見て震えていた。

………………え?どうして?まさか………ゴブリンが弱いんじゃ無くて俺がおかしいのか?。

どうして良いのか分からず取り敢えず彼女の方へ向かおうとしたら………。


「………ひっ!」


 っと小さく悲鳴を上げられた。

…………あぁ、やってしまった。

俺はショックの余りその場から動けなくなってしまった。

このまま彼女に近付けば彼女は怯えて下手すれば剣で襲われて仕舞うかも知れない………。

折角、回復魔法で彼女が警戒を緩めてくれたのに振り出しに………いや、それよりも酷くなってしまった。

俺はそう思いながら反対へと振り返って歩き出した。

………あぁ………これでまた1人だ。

そんな寂しさを感じているとふと俺は涙を流しているのに気が付いた。

……………ははっ、情けないな………俺。

人に会えた事が嬉しくて。

これから人と一緒に生きていけると勝手に思って。

そして、それがダメになったからって泣き出してホント情けないな…………。

そんな風に泣きながら歩いていたのだがいつの間にか俺は足を止めて……………。


「………………クァァ………クァァァァァァ」


 いつの間にか俺は泣いていた。

折角会えた人に怯えられ………。

自分が魔物である事を再度理解し………。

そして寂しくて………俺は泣いた。

俺が人間で無い事に悔しさを覚え………。

魔物である事に悲しくなった………。

しかし、1番堪えたのは助けた彼女に怯えられた事だ………。俺はこんなにも弱い男だったのかと知り更に泣いた………。

そして、そんな俺の背後から突然抱きしめられた………。

俺はそれに驚き思わずビクッとしたのだが更に抱きしめる力が強くなり………。


「ゴメンね………君は私を助けてくれたのに………」


 彼女が抱きしめてくれているのだと直ぐに分かった。

そして彼女が何に対して謝っているのかも………。

それを聞いて俺は安心したせいか更に泣き出してしまった。


「えっと!あの!ゴメンね!泣かないで!うぅ………どうすれば」


 彼女はどうすれば良いのか分からず狼狽え抱きしめる事で怖がらせて仕舞ってると勘違いをして俺を離してしまった。

俺はそれで寂しさが強くなり思わず振り返って彼女に抱き付いてしまった。

そのまま泣いていると彼女はどうして俺が泣いているのか理解したらしく抱きしめながら頭を撫で始めた。


「寂しかったんだね………もしかしてここに1人で居たの?」


 俺はその言葉に頷いた。


「そっか………だったら私と来る?」


 俺は直ぐには頷けなかった………だって俺は魔物だから。

ファンタジー系の小説では良くドラゴンを使役してるキャラが居るがそれがこの世界で適応されるとは限らない。

そして、もし……この世界でドラゴンを使役するのが異端だったら彼女に迷惑を掛けて仕舞うかも知れない………そう考えると頷けなかった。


「もしかして迷惑になるかもって思ってる?」


「……………クァァ」


「………君は優しいんだね………大丈夫だよ他の人で魔物を使役してる人も居るから迷惑に何てならないよ?だから……ね?一緒に行こう?」


 彼女の言葉を聞き俺はしばらく考えて………。


「………………………………クァァ」


 彼女の言葉に頷いたのだった。





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