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第47話


「オォォォォッ!」


 横穴を見張っていた│狩人ハンター達が襲われてると知ったおっさんは剣を抜いた後点に届けと言わんばかりに吠えゴブリンへと切り込んだ。


「俺達もギルマスに続くぞ!」


「「「「おう!」」」」


 それに続く様に一緒に行動していた│狩人ハンター達も走って来た勢いそのままにゴブリンへと飛び掛かっていった。


「私達も行くわよ!」


「「はい!」」


「クァ!(おう!)」


「コク!」


 それぞれの返事をして俺達も突っ込んだ。

しかし、俺達の戦況はあまり良いとは言えない………。

なにせゴブリン共は今見えているだけでも30体以上居るのだ。

対して俺達は15人しか居らず半分以下しか居ないのだ。

しかも、おっさんより強いか同等と思われる人は居ない筈だ。

居たとしても戦力を均等にする為にこちらではなく反対へと向ったチームに居る筈だ。

そして、一度にゴブリンを何体も相手に出来るだろうおっさんがいるとは言え俺達は劣勢だろうと思う。

と、なれば……俺達がやるべき事は援軍が来るまで耐えるかコイツ等を撃退して安全を確保するか……それか見張りを回収してここから逃げるかだ。

まぁ、今の所逃げる必要は感じない。

見張りを襲っていた連中を俺達は横から強襲する形で戦闘に入った。

そのお陰かゴブリン達は混乱している。

この隙きに多く狩れば戦局はこちらに有利になる。

だが、それには敵がこれ以上増えないのが条件になる………が取り敢えず俺がやるべきはゴブリンの後方への攻撃による援軍との遮断と数を減らす事かな?。

と、言う事で………。


「クァ!(【火球】!)」


「「「「「グギャアァァァァッ!!?」」」」」


 俺は出来るだけ│狩人ハンター達と離れた所に居るゴブリン達へと【火球Lv3】を発動した。

その直撃を受けたゴブリン達は燃え上がり悲鳴を上げた。

しかし、一撃では倒せないらしく直撃を受けたゴブリン達はその場でのた打ち回って暴れ出した。

他のゴブリン達は何が起きたのか理解していない様で暴れ回るゴブリンを見て固まっている。

その光景を見た│狩人ハンター達は直様状況を把握して。


「全員!半円に取り囲む様にして1箇所に集めろ!チビ助!俺の合図で固まったゴブリンにさっきのをどんどん食らわせてやれ!」


「「「「「おう!」」」」」


「クァ!(任せろ!)」


「嬢ちゃん達はチビ助の護衛だ!」


「はい!」


「任せてください!」


 そう言ってシアとシャル姫は俺の少し前の左右に立ち俺を守る様にそれぞれ得物を持って居る。

メリア達は他の│狩人ハンター達と一緒にゴブリンを取り囲みに行った。

そうして│狩人ハンター達が戦っていると混乱から立ち直ったゴブリンが│狩人ハンター達に応戦し始めた。


「そのまま押さえ込め!チビ助!攻撃用意!…………今だ!」


「クァ!(【火球】!)」


「「「「グギャアァァァァッ!!?」」」」


「もう一度だ!」


「クァ!(【火球】!)」


「「「「グギャアァァァァッ!!?…………」」」」


 俺の3回目の火球によって何匹か死んだみたいだ。

取り敢えずここにいるゴブリンがどの程度強いのかは分からないが俺と│狩人ハンター達が協力すれば2〜3発程度でゴブリンを倒せる様だ。

そうと分かればこのまま押しきって………。


「ぐあぁぁっ!!?」


 何だ!そう思ってその悲鳴だと思われる声が聞こえた方を見るとそこには先程まで居なかった大柄で恰幅の良いゴブリンが剣から血を滴らせて立っていた。


「ちっ!ファイターか!負傷者を下げろ!アルド!アイツを抑えてくれ!メリア!反対にも来てるからそっちを頼む!」


「コク!」


「わかったわ!」


「嬢ちゃんはアルドの援護を!姫様はメリアの援護に付いて下さい!」


「はい!」


「分かりました!│守護のプロテクション!」


「アルド!援護行くよ!│風のウィンドアロー!」


「「グガァアァァァッ!」」


 ちっ!乱戦になって来た!おっさんはアイツの事をファイターって言ってたよな!つまりは!戦士職のゴブリンって事か!アルドとメリアがそれぞれ一匹ずつ担当するみたいだ。

そこにシアとシャル姫が援護として付いた。

アルド達の実力がどれ程かは分からないが俺も手を貸した方が良いか?………。

いや!今は目の前の固まってるのを殲滅しよう!コイツ等を倒せば他の│狩人ハンター達が援護してくれる筈だ!。

その為にも!。


「クァ!クァ!クァァァッ!(【火球】!【火球】!【火球ぅぅっ】!)」


 俺は1秒でも早くシアの援護をする為にとにかく火球を吐き続けた。

幸いなのはコレだけ吐き出してもMPを必要としない事とスキルを連続で使用出来る事だ。

もしこれがゲームみたいにリキャストタイムみたいのが設定されていたらこうは行かなかったろう………。

このまま行けば………そう思った瞬間眼の前に大きなモノが転がって来た!。

俺は咄嗟にそれを見るとそこに転がっているのは盾を拉げさせて身体の痛みに呻くアルドだった。

俺はアルドの名前を叫ぼうとしたその時聞こえて欲しくない声が聞こえて来た。


「きゃあぁぁぁっ!?」


「クァッ!?(シアッ!)」


 シアの悲鳴に反応し慌ててそちらを見た。

そこには足元に倒れた先程のファイターと呼ばれたゴブリンとそれより更に巨大なグッタリとしたシアを持ち上げたゴブリンだった………。


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