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第44話


 朝食は簡単な物にした………と言うかせざるを得なかった。

何せ欠食児童ならぬ欠食│狩人ハンター達が見ていたからだ。

昨日の夜に俺達が食べたのを見ていたらしく沢山の目で見られてしまったのだ。

その視線に晒されてあまりにも居心地が悪くその中で自分達だけ美味い物を食べるとか………流石に無理だ。

ならその視線を避けるにはどうするか………答えは簡単だ。

単純に質素な食事にする事だ。

と言ってもこれから洞窟に入って戦うのだいくら質素にとは言っても干し肉と水だけでは力等出ないだろうなので簡単な物と言っても火を使わないで作れるものにした。

一応メリアが用意してくれていた物の中にフランスパンの様な物があったのでそれをベースに干し肉を水で戻し柔らかくして出てくる直前に持たされた野菜をいくつか使いサンドイッチぽい物を作った。

ただ味付けに使える物が塩と胡椒しか無く何とかそれで我慢して貰うしかない………その内マヨネーズとかでもっと美味しい奴を作ろう。

とにかくそう言う感じで簡単な食事をして装備を整えたりしていた。

そうしてる内に他の│狩人ハンター達も準備が出来たのかギルドが用意したテントの辺りに集まりだした。

それを察してかギルドマスターのおっさんがテントから出て来て周りにいる│狩人ハンター達を見回した。

そのおっさんの行動で周りの雰囲気が変わった………いよいよ始まるのだろう。


「さて!本日ここに集まった│狩人ハンターよゴブリン退治の時間だ!。

これより我々はこの洞窟内に入り仲間から報告された畜生共を殺し尽くしに行く!。

先ずは最初にゴブリン共を発見した者の案内でその場所まで向かう!そこから先は洞窟内の形状により別れて捜索に向かうかそのまま行くかを決める!。

そして、畜生共の巣を発見し次第そこに集まり討伐して行く事になる!。

撤退を含めた指示は俺から出させて貰うが戦闘に関しては状況に応じて各自で判断して貰う事になる!。

討伐期間は今の所未定だが最終目標は相手勢力の全滅が目標となる!。

報酬に関しては事前に知らせてある通りの物となる!。

何か質問は有るか?………………………無いようだな!。

なら、各自最終準備を始めてくれ!全員の準備ができ次第行動を開始する!

最後に一言だけ言っておく………無茶なんかして死ぬな!死んだ所でなんにもならないんだからな!。

後、臆病なのは駄目だが無駄な事をするのはもっと駄目だ!。

だから生きろ!生きてたんまりと報酬を手に入れて自分達の幸せを噛み締めろ!。

誰かに使うも良し!自分に使うも良し!好きに使え!。

だから!│畜生ゴブリン程度に殺されるなよ!。

では!各自行動に移れ!1時間後に再集合だ!以上!」


 おっさんは言うだけ言ってテントの中に引っ込んだ。

それを見届けた他の│狩人ハンター達もそれぞれのテントへと戻って行った。

俺達は殆ど準備は出来てるので後は昨日使ったテントを片付けて荷物を与れば終わりだ。

そうして俺達が準備を終えギルドのテントへと戻って行くとそこにはおっさんがともう1人軽装装備の男が立っていて何かを話していた。

その話が終わった後軽装の男はその場を離れて仲間と思われる一団に合流していた。

それからおっさんの方に向き直るとおっさんが俺達を見て手招きをしている。

どうやら話があるようだ。


「お?丁度良い所に来た。

今先行させてた│狩人ハンターの連中が戻って来た所だ。

報告によると湖の辺りまで行ったが今の所ゴブリン共との接敵は無かったらしい。

一応確認だが何処かに横穴を見なかったか?」


 とシアに訪ねてきた。

それを聞いた俺も洞窟内の事を思い出してみたが特にその辺りは見てなかったと思う………。

ただこの洞窟で過ごしたのは少しの間だけだったのでそこまで詳しくは無い。

その為どこかで見落としがあるかもしれない。

まあ、どんなに知っていたとしても100%無かったとは言い切れないと俺は思う。


「…………絶対とは言えないですけど私は見てないです………フォルは?」


「クア……(俺もない……)」


「そうか………分かった。

取り敢えずシア嬢ちゃんがナイトと遭遇した場所への案内を頼むわ」


「分かりました」


 そんな打ち合わせをしていると準備が出来た│狩人ハンターの人達が集まりだしておっさんに準備が出来た事を報告しだした。

そして、少しするとそれも終わり再びおっさんは話し出した。


「よーし!全員揃ったからそろそろ行くぞ!。

洞窟内では何が起こるか分からんから各自注意を怠るなよ!。

それから、ここからナイトと遭遇した場所までの案内を頼む奴を紹介しとく。

彼女の名前はシアと言う………何人かは知ってると思うがそこの│小竜ベビードラゴンを従魔にしてる嬢ちゃんだ!。

んで、彼女が今回この洞窟内でゴブリンナイトが発生しているのを報告してくれたんだだ!。

嬢ちゃんのおかげで│大暴走スタンピードが起こる前に動けるんだからな感謝して何かあったら手を貸してやれよ!。

最後に今回は王国の姫様であらせられるシャルティア王女様が参戦する事になった!。

俺も気に留めておくつもりだがお前達も頼むぞ!。

んじゃ!出発する!嬢ちゃん頼むぞ!」


「あ、はい!」


 そう言ってシアは慌ててまだ残っていたメリルへと声を掛けた。


「慌ただしくてごめんね……」


「そんなのいいわよ!それより気を付けて行って来なさいよ!」


「うん!メリルも気を付けて帰ってね!」


「ええ、………姉さんも気を付けてね」


「分かってるわよ……あなたこそ気を付けなさいよ?それと、近い内に帰るって父さんに言っておいて」


「うん、伝えとく………それじゃあね!フォル君も気を付けるのよ?」


「クア!クゥア!(おう!またな!)」


 その返事を聞いて満足したのかメリルはそのままま王都アルヴァロアへと帰って行った。

それを見送った俺達はそのやり取りを待ってくれていた│狩人ハンター達に向き直りシアは頭を下げながら「お待たせしました!」と言った。

それに対し彼等は「気にするな!」と返してくれた。

彼等が言うにはこう言う事はたまにあるらしい。

その為あまり気にしないらしい。


「それじゃあ!行きます!付いて来て下さい!」


そう言ってシアは洞窟へと歩き出した。

俺達もその後に続く様に歩く。

俺達の後に続いておっさんが歩き出しその後を追うように他のパーティー達が歩いた。

そのまま俺達は洞窟の中へと足を踏み入れたのだった。



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