第43話
どうしてここにメリルが?そう思ったがその疑問は直ぐに解けた。
「何とか間に合ったわね!はい!コレ!」
「メリル?え?これって!?」
そう言ってメリルからシアが受け取ったのは一本の剣だった。
つまり彼女は昨日頼んで置いたシアの新しい剣を持って来てくれたのだ。
これから大事な戦いになるので強力な武器は助かるが………良く使い慣れない武器での戦闘は危ないと言うが大丈夫だろうか?。
今更言っても仕方ないか……。
「昨日の夜に完成したのよそれで今日ゴブリン討伐が開始されるって話だったじゃない……だから門番の人に夜中なのに無理言って通して貰って急いで持って来たのよ」
「メリル………ありがとう!」
「良いわよ!これも仕事の内だし!」
「おじさん達は?」
「その剣を作り終えたら「良い剣ができて満足だ!」とか言って後の事は全部私に丸投げして寝ちゃったわ!全然反省しそうに無いから罰で今日の晩御飯は抜きにしてやるんだから!」
「父さんは相変わらず見たいね……」
「ええ、全然変わんないわよ………それにしても久しぶり……姉さん」
「そうね……久しぶりね」
「姉さん全然帰って来ないんだもの……お父さん寂しがってたわよ………」
「良いのよあんな│お父さん《バカ》は寂しがらせておけば………」
「そうね!でも……たまには帰って来てよ……私だって寂しいんだもん」
「そうね……このゴブリン討伐が終わったら行くわね」
そう言って2人は喜びあっている………それねしても2人は姉妹だったのか。
よく見たら確かに似ている………。
髪はメリアがセミの赤でメリルはポニーテールだ。
目は色が茶色いっぽい感じで2人共目尻が上向きで気の強そうな雰囲気だ。
ただ似てない所もある………。
例えば身長だ………メリアは170cm位で腕や足は鍛えられた身体をしている。
対してメリルの身長は160位で痩せ型ほっそりで身体を鍛えてる感じは無い………まさにthe庶民と言った感じだ。
そしてなにより姉妹の違いとして出ているのはその胸だろう………。
メリアはかなり大きくそれこそ爆と付きそうな感じだ。
それに比べメリルの胸は絶壁に近い微かな膨らみだ………それこそ頭の中で「ストーン!」となるのではと感じる程だ。
「……………なんか急にムカムカして来た」
おっと!これ以上はいけない!俺の考えてた事が分かるかの様にメリルはイライラしだした。
流石女性だ……そう言うのには敏感だ。
そう言えば2人の事を今まで余り気にしてない見ていなかったな。
正確に言うと気にする必要が無かったと言うか………。
なんにしてもそこまで気にする事ではないな。
それにしても………あの武器屋の親方からこの2人が産まれるのか………異世界パないな!。
そうこうしていると他の│狩人達も起き出して来た。
すると奥のテントからアルドがギルドマスターのおっさんと一緒にこっちへ来た。
「おはよう御座います姫様」
「はい、おはよう御座います」
「昨晩は良く寝られましたか?」
「ええ、快適にして頂けたのでグッスリでした」
「それは良かったです………さて、シア嬢この後だが昼を食べた後に探索に入るから案内を頼むぞ」
「はい!」
「それでは、私はこれにて……」
「ギルドマスター少し待って頂いてよろしいですか?」
挨拶が終わってテントへと戻ろうとしたおっさんをシャル姫が呼び止めた。
おそらく今日の探索の事を話すつもりなのだろう………。
ここで言わなければ多分シャル姫はおっさんと一緒に行く事になるのだと思う。
それでも良いとは思うがシアが言い出してシャル姫はそうしたいと言っていたのだ。
出来れば叶うと良いのだが………。
「実はお願いがあります」
「何でしょうか?」
「今日の探索なのですがここにいるシア様達と一緒に行きたいのですがよろしいですか?」
「彼女達と一緒にですか?………それは………」
「危険もあるのは分かっております………ですがそれはあなたのそばでも同じです。
我儘なのも重々承知しております………ですが彼女達と一緒に行きたいのです。
どうかお願いします」
そう言ってシャル姫は頭を下げた。
おっさんはそれを見て慌てて辞めさせようとしているが許して貰うまで辞めるつもりは無い様だ。
そんなシャル姫におっさんは頭を抱えて暫く唸りだしついに諦めたのか盛大なため息を吐いてこう言った。
「はぁ…………分かりました………だだし条件があります」
「なんでしょうか?」
「撤退の指示が出た場合例えどんな状況でも従って頂きます。
それの提案をのんで頂けるのでしたら許可致します」
「分かりました。
撤退の指示が出てら必ず従います」
「と言う訳だ………お前達も頼むぞ」
「了解しました………皆も良いわね?」
「コク………」
「分かりました」
「クア!(分かった!)」
こうしてシャル姫が正式に俺達と行動を共にする事が決定した。
何事も無く無事に終わる事を願いながら俺は朝食の準備に掛かるのだった。




