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第42話


「チュンチュン………」


 俺はそんな鳥の声で目を覚ました。

それと同時に俺は身体に違和感を感じた。

力を入れて動こうとしても動けないのだ………。

まるで何かに押さえつけられているみたいに………。

そこまで考えて右を見るとシアの顔が有った。

あぁ………シアに抱き締められてる所為か………。

そう思い反対から抜け出そうと左を見るとそこにはシャル姫の顔が近くに有った………っ!?。

って!近すぎだろこれ!何でこんなに!そう驚愕しながら改めて見ると俺を抱き締めているのはシアだけでなくシャル姫もだった。

困惑しながらこの状況を何とかしなきゃ!そう思ってもぞもぞと身体を動かした。


「「う〜ん………」」


 そんな声を出して2人は薄く目を開けた。

どうやら俺が身体を動かした振動で目が覚めた様だ。

そんな2人は俺を見て笑いながら「「おはよう……(ございます……)」」と言って来た。

俺はそんな2人に困惑しながらも「クア……(おはよう……)」と挨拶を返した。

2人はそれに満足したみたいでそのまま二度寝に入り始めた。

俺は慌てて2人を起こそうとして声を出した。

するとその声が聞こえたのかさきに起きて外へ出ていたメリアがテントに入って来た。


「3人とも起き……てないのね………。

まったく、ほら!2人とも起きなさい!今日は大事な日でしょうが!」


「う〜ん………あ、メリア……おはよう……」


「おはよう……ございます………」


「はぁ………まったく……こんなんで本当に大丈夫なのかしら………ほら!2人共!外へ行ってとっとと顔を洗って来なさい!」


「は〜い……」


「分かりました………」


 そう言ってのそのそと2人は身体を起こしそのまま外へ出て行った。


「もう………洋服を整えもせずに出て行って………」


「クア………」


「フォルテースあなたもお疲れ様」


「クアククゥア……(メリアこそ昨日はお疲れ様……)」


 俺がこう言ったのには理由が有る。

実は昨日の夜にメリアは夜警(夜の間の警戒役)を旦那のアルドと2人で警備してくれていたのだ。

ちなみに俺もやろうかと提案(シアが通訳して)したのだが慣れてないんだから「私達に任せなさい」と断られてしまった。

こんなに世話になっているのだそのうち何かでお返しをしなければな。


「それじゃ、私達も外へ出ましょう」


「クア!(おう!)」


 そうして俺達はテントから外へ出ると丁度顔を洗ってスッキリしたのかしっかりと目が覚めた2人が赤い顔をして戻って来た。


「う〜……メリア酷いよ……」


「何言ってんのよ……ちゃんと起きなかったシアが悪いんでしょうが」


「でも……」


「でもじゃない!」


 そんな2人のやり取りの中シャル姫が頭を下げながら「ご迷惑をお掛けしました………」と謝罪をして来た。

別に迷惑を掛けられたとはこれっぽっちも思ってないのだが彼女からしたら迷惑を掛けたと思ったのだろうそんな彼女に俺は。


「クアックウ!(迷惑なんて思ってないよ!)」


「本当ですか?……」


「クア(本当だよ)」


「良かった……」


「「……………………」」


 何故かメリアとシアが目をむいて驚いている。

何かおかしな事をしたかな?………それとも姫様に対して気安すぎたからだろうか?。

そう思っているとメリアが姫様に質問をして来た。


「あの……姫様?……フォルテースと会話をしてるように見受けられるのですが………」


「はい?見受けられるも何も会話をしておりますが?」


「その………姫様?……フォルが言ってる事が分かるんですか?」


「ええ………あれ?何故分かるのでしょう?」


 そう言えばさっきからシアの通訳なしに話していたな………。

何でだ?昨日まではシアの通訳が無いと会話も出来なかった筈なのに?。

今の俺は人の言葉を話したくても話す事は出来ないのにシャル姫には言葉が通じている………。

つまりは昨日の夜から今になるまでの間で俺かシャル姫のどちらかに何かしらの変化が起きたと言う事だ。

そしてメリアの様子から彼女が俺の言葉を理解してる様には見えないので俺に何らかの変化が起きたとは考え辛い………となると。


「クア、クアクゥア?(シャル姫何か違和感とか無い?)」


「………いえ、特に何も感じません」


「………ステータスはどうですか?」


「確認してみます………」


 そう言ってシャル姫は自分のステータスを確認し始めた。

少しして確認が終わった様で顔を上げて皆を見てから「特に変化はありません」と言った。

やはり俺の方なのか?そう思って俺もステータスを開いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前 フォルテース


種族 竜族


種類 ベビードラゴン


性別 オス


年齢 0才


Lv6


HP:112/112

MP:80/80

体力:36

力:46

防御:22

魔力:46

魔法防御:19

敏捷:30


スキルポイント:30


スキル

噛み付きLv2 爪Lv3 格闘Lv1 飛翔Lv1 火球Lv3 魔力感知Lv1 魔力操作Lv1 鑑定Lv2 暗視Lv1 竜鱗Lv1


魔法


回復魔法Lv1 空間魔法Lv1


ユニークスキル

経験値倍化Lv2 スキル習得率倍化Lv2 ステータス成長率増加Lv2


称号

癒やす者 料理人達の師


加護

転生神の加護


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 やっぱり変化は無い………となるとステータスに書かれない何かが俺かシャル姫に起こって言葉が理解出来る様になったのだろうと思われる………。

でも……それって何だろう?皆で理解出来ずに首を捻った。

理解は出来ないが俺と会話ができる人が増えるのは嬉しい。

そこだけは喜んでおこう。


「あ!居た!」


 俺がそうやって考えるのを放棄した時突然そんな声が聞こえて来た。

そんな声に周りの狩人ハンターの人達も何事だ?とその声の方を向いた。

俺達もその声の方を見るとそこには武器屋の娘のメリルがいたのだった。



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