第35話
俺達は打ち上げの料理を楽しみシアはどうやら成人してるらしくお酒を飲んだ………と言うか飲まされた。
明日は大事な仕事が有ると言ったのだが1杯だけでもとと言われて「………1杯だけなら」と飲んだのだ。
すると他の料理人達も呑んでくれとシアのコップに注ぎ俺が気付いた時には何杯も飲まされていたのだ。
シアは15歳らしいのだがこの世界では一応成人しているらしくお酒を飲んだ………。
シアは余り酒を飲まないらしくその所為か途中から様子がおかしくなり始めた様だ………。
どうやらシアはお酒に弱いみたいだ………。
流石のおっちゃん達もコレは不味いと慌てだし後打ち上げは終了となった。
そのままシアと宿へと帰る予定だったのだが流石に飲み過ぎてシアは立つ事も出来ない状態でどうやって帰るかを考える羽目になった。
取り敢えずシアを持ち上げて連れて行ければと考えたのだが俺の貧弱なステータスでは持ち上がらず仕方無いから誰かに運んで貰う事になったのだがおっちゃん達はシアに触れるのは不味いと言い辞退し他の女性達は俺と対して変わらないので無理と言う事で急遽宿からメリアを呼ぶ事になった。
俺はシアを放って置けないのでおっちゃんが代わりに宿へと向かった。
しばらくすると顔を殴られたおっちゃんがメリアを連れて来た…………。
何が有ったのかは大体想像がつく………おそらく飲ませ過ぎたから来てくれと彼女に言った結果シアを大切にしているメリアは切れておっちゃんを殴りつけたのだろう………。
取り敢えずシアの事はメリアに任せよう。
「クァ、クァク………(メリア、シアの事頼む………)」
「シアの通訳が無いから分からないけどシアの事は任せなさい」
「クァ(頼む)」
その言葉を言って俺はシアから離れおっちゃんの方へと歩いた。
おっちゃんは左目の所を青くした状態で俯いていた。
「師匠………すみません加減を間違えてシアさんに飲ませ過ぎて仕舞いました」
「クァ……クックァクゥア(仕方ないさ……俺も止められなかったし)」
シアがいないと言葉は通じないから取り敢えず言いながら肩を叩いた。
それである程度伝わったのかおっちゃんは少し涙きそうになっていた。
取り敢えず痛そうなので回復魔法をかけておこう。
そう思い俺は魔法を使った。
「っ!コレは!師匠………有り難うございます」
「クァ!(気にすんな!)」
「あら?フォルテース治してちゃったの?」
「クァァ………(流石に痛そうだったから………)」
「あなたは優しいわね♪」
そう言って俺の頭をメリアは撫でた。
「それじゃ次は飲ませ過ぎない様に注意しなさいよね!もし次も飲ませ過ぎたら………」
おっちゃん達男連中を見ながらゴキッ!と指を鳴らした。
それを見たおっちゃん達は顔を青くしながら激しく頷いていた。
そのおっちゃん達を見てメリアは満足したらしくシアを抱え上げると俺を見て歩き出した。
俺は一度おっちゃん達に頭を下げてからメリアを追いかけた。
ちなみに帰り際におっちゃん達に飲ませ過ぎたと謝られ仕方無いと俺は首を振り謝罪を受け入れると頷いた。
それで安堵したのか皆ホッとしていたのが印象的だった。
メリアはそのままシアを部屋へと連れて行った。
手が塞がっているのでメリアから鍵を受け取りドアを開けた。
メリアはシアをベッドに寝かして少し様子を見てから何かあったら呼べと言い出ていった。
流石にこのシアをこのまま置いて訓練に出るのはどうかと考え俺はその日の訓練を中止してシアの看病に専念する事にした。
本当は強くなる為に訓練を欠かしたくは無かったのだが仕方ない………。
兎に角俺はシアを看病する為に必要な物を揃える事にした。
部屋を出てメリアの居る管理人室に行った。
「あら?どうしたの?シアに何かあった?」
俺は首を横に振りタライを指差した。
それを見て「あぁ……」と納得したのか奥に置いてあるタライを1つ渡してくれた。
「水を持ってく時は気お付けて持って行きなさい。
それと手拭いを3枚上げるから持って行きなさい」
俺はメリアに頭を下げて「クァ(ありがとう)」と言った。
そな姿で何を言いたいのか伝わったらしく「これ位別に良いわよ」と軽く言ってくれた。
本当にメリアは優しいと思った。
するとメリアから話を聞いていたのかキッチンの方からメリアの旦那………そう言えば名前を知らないな………鑑定するか。
俺はそう思い彼を鑑定した。
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アルド
性別:男
メリアの旦那・元凄腕狩人・怪我の為狩人稼業を中止している。
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と表示された。
そう言えば昨日何だかんだあった時にそんな名前が出てたなぁ………。
まぁそれは置いといてキッチンからアルドが
レモンの漬かった水と切ってあるバナナの様な物(見た目は完全にバナナ)をトレイに載せて持って来てくれた。
「……………ん!」
「用意出来たのね?ならフォルテース……後でコレを取りに来なさい。
どうせこれから水を汲みに行くんでしょ?」
「クァ(そのつもりだ)」
「なら桶を置いて来てから取りに来なさいね。
それとも持って行きましょうか?」
「クァ(大丈夫だ)」
そこまで世話になるのは気が引けた。
ただでさえ今回シアの事で迷惑を掛けているのだ俺が出来る事まで迷惑を掛けたくは無い。
「そう、ならシアの体調が優れない様なら呼びなさいそれ位は迷惑でも何でも無いんだから!」
「………コクコク!」
そう2人は俺に言ってくれた。
ありがたい事だ………一応この後戻ったらシアに回復魔法を掛けるつもりだった。
それでも治らない時はどうすれば良いか分からなくなりそうだったのだ。
頼れる相手がいるのは心強い。
俺は頭を下げて井戸へと向かい水を汲み上げた。
それを桶に入れて部屋へと戻りシアの様子を見てから直ぐにメリアの元へと向かって先程のアルドが用意してくれた物をうけとった。
それからはシアの看病に専念したのだった………。




