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第33話


 ギルドを出て俺達は宿の隣に有る飯屋………そう言えば名前何だっけ?。

昨日来た時も確認してなかった事を今更ながらに気が付いた。

取り敢えず名前を見とこう………そう思い店の看板を確認した。


『狩人の集い亭』


 それがこの店の名前の様だ。

それを確認した俺はシアと一緒に店の中に入って行った。

するとそこは戦場だった………。

昨日は全くと言って良い程に客が居なかったのに席は全て埋まりまさに満員御礼状態になっている。

俺は座れる場所が無いかと探した。

するとここのコックであるおっちゃんを見つけた。

向こうもコチラを見つけた様で反応を示した。


「いらっしゃいま………師匠ぉぉぉ!!?助けて下さいぃぃぃ!!?」


 俺の姿を視認した途端にそんな事を言って来た………。

ってか師匠って………もしかして俺のことなのか………。

まさかとは思うが昨日数品程度料理を教えただけでそんな事を言ってるんじゃないよな?………。

そんな風に思って見ていると彼は真っ直ぐ俺の下まで来て俺に泣きついて来た。


「昨日師匠が教えてくれた料理を昼にも出したんですが!そうしたらこんなに人が来てしまい手が足りないんです!助けて下さい!お願いします!」


 そこまで一気に説明をして俺の両手を握って来た。

どうやら師匠云々は本気(マジ)らしい………と言うか本当に数品教えただけで師匠認定するなよ………。

さて、どうしたものか………何だかんだです慕ってくれてるのだから助けてはあげたいが………。

取り敢えず幾つか聞きたい事があるからシアに翻訳を頼もう。


「クァ、クァアクゥア(シア、他の従業員はどうしてるのか聞いてくれ)」


「師匠は何と?」


「他の従業員の方はどうしてるのかと………」


「実は数週間前に3人が狩人(ハンター)に復帰すると言って辞めて行き残っているのは2人だけで………その2人は昨日襲われているのとは別の街に買い付けに行かせてしまい………」


 あ〜あなる程ね………辞めて行った3人はここで意気投合したのか或いは何らかの理由で一時的にここで働いていたかして辞めて行ったと………。

そんで残っていた従業員は近くの街が襲われて入って来ない食材を買いに行かせたと………。

これ今の状況の半分って俺がレシピを教えた所為じゃね?。

こうなる可能性を考えず他の従業員を手配しなかった事は彼に責任がある。

そう言う意味では責任を感じる必要は無いかもしれないが何と言うかほっとくのは何か後味が悪くなりそうだ。

しかし、手伝うにしてもシアと相談しないとな………。

そう思いシアを見たらシアはコチラを見て笑いながらこう言った。


「フォルの好きにして良いよ♪もしフォルが手伝うなら私も一緒にやるからね♪」


 有り難いだったら………。


「クァクァアクックァクゥア!(手が足りないから他の同業者で暇してる人に声を掛けて欲しい、同業者が来るまでは俺達に任せてくれと言ってくれ!)」


「うん!マルトさん、フォルが手が足りないから同業者に声を掛けて欲しいと………。

それと同業者が来るまでは任せて欲しいと言ってます」


「他の同業者………っ!そうか!家が食材が無くてあんな状態だったんだ!同じ状態の所がある筈だ!そこに声を掛ければ………直ぐに呼んで来ます!」


 そう言って彼は飛び出していった。

まったく、慌て過ぎだ………さてと!やるか!。

俺は気合を入れて厨房へと向かった。


「クァクゥクァクゥア!クァ!(シアは接客の方を頼む!俺は注文を片付ける!)」


「うん!まかせて!」


 さて!まずは今ある注文の確認からだ!えっと………マッシュが5、フライが8、シチューが6か………先ずはフライからだな!コイツなら油が温まってれば切って揚げるだけだから簡単に終わる。

次は作り置きが出来るマッシュだ!コイツはシチューにも使うから量を多めに作らないとな!。

最後にシチューだな!良し!やるぞ!。

先ずは出来上がってるシチューを器によそってもらってそれをシアに持っていって貰う。

そうしてる内にジャガイモを洗い芽をとり一口大に切り分けてそれを布で水気をきって油に入れると………。

揚がるまでにお湯を沸かしてジャガイモに十字の切れ目を入れておく。

こうする事で茹でたジャガイモの皮を剥きやすくするのだ。

おっと!フライが出来上がったな!盛り付けをしてっと!シアに持っていってもらおう。

お湯も沸いたからジャガイモを入れて串が簡単に入るまで茹で上げそれをザルに開けてから冷水の中に入れる。

すると切れ目の部分が少し剥離するのでそのまま皮を剥き別に用意したボウルに入れる。

ある程度溜まったらそれを潰してバター、牛乳、塩、胡椒を入れて混ぜる。

器に盛って完成だ!。


「クァ!クァアクゥア!(シア!マッシュが出来たから持っていってくれ!)」


「分かった!それとシチューを3とポテトフライを5個追加でお願い!」


「クァ!(了解!)」


 こりゃあ本格的に手が足りないな………料金に関してはメニューに書いてあるから何とかなってるけどコッチは俺一人じゃ無理だな…………おっちゃん早く帰って来てくれ!。

それから30分位だろうか………何とか注文を捌いていると裏口からおっちゃんが人を連れて帰って来た。

俺は直ぐにシアを呼び通訳させた。


「お待たせしました!説得に手間取り大変申し訳………」


「クァア!クックゥア!(謝罪はいいから!直ぐに動いてくれ!)」


「謝罪はいいから直ぐに動いて欲しいそうです!」


「分かりました!タリアさん達はフロアの方をお願いします!ルッツ達は俺と一緒に厨房を頼む!」


「「「分かりました!」」」


「「「任せろ!」」」


 裏から入って来た人達はおっちゃんの指示で動き出した。

フロアの方はシアと一緒になって注文等を行ってくれている。

厨房の方はおっちゃんがメインで動き他の人はジャガイモや何かを切って下拵(したごしら)えを始めた。

コレなら何とかなりそうだ!そう思いながら俺は料理を続けた。

それにしても良くコレだけの人数集まったな無理してなきゃ良いけど。

それだけが少し心配だ………。

取り敢えずこの人達には幾つかのレシピを後で上げようそう思った。



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