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第28話


「さて、その剣を直すのは分かったわ。

それで新調する武具は前のと同系の物で良いのよね?」


「うん!やっぱりこの長さに慣れてるからこれと同じショートソードが良いわ」


「…………う〜ん、そうなると家に有るのでこの剣より良いのだと2つだけね………今持ってくるから待ってて。

それと剣の修理については父さんに説明するからついでに呼んで来るわ」


 そう言ってメリルは奥へと入っていった。

俺達はここで待つ事になったが大して待たされる事は無いと思うがそれまではやる事が無い………。

さて、どうするか………。

取り敢えずシアに聞いてみるか………。


「クァ、クックァ?(シア、彼女が戻って来るまで何してよっか?)」


「そうだね………取り敢えず展示してある武具でも見てよっか?」


「クァ!(賛成!)」


 そう決めて俺達は周りに展示してある武具を見始めた。

しかし俺は前世の頃から武具には触った事や本物を見た事が無いのでまったくと言って良い程武具の事等分からない………。

それにしても色々な種類が有るんだな………。

剣だけでもナイフから始まってショートソード、ミドルソード、ロングソード、バスターソード、他にも見た事も無い形状のものが沢山あった。

そしてそれは剣だけじゃない。

槍に斧、杖に棍、ハンマーに弓、それこそ作れる物なら何でもと言わんばかりである。

キワモノをあげるなら鞭とかドラゴンキラー見たいな手の甲に装着する形状のもの等本気でこんなの使う奴がいるのか?と思う程だ。

そして鎧も多岐にわたる種類があった。

防具は普通一式で作られる下から具足、膝当て、腰鎧、胴鎧、篭手に肘当て、肩鎧と盾、そして兜と言った物が一纏めでだ。

しかし、ここに置いてあるのはそれぞれの専用に置き場所が作られていてそこに色々なデザインの各部位が置かれている。

例えば兜だが基本この兜は頭全体を守る為に作られる際大体が視線確保の細長い穴と呼吸確保の為の空気穴が有るだけのフルフェイスになる。

コレは頭を守ると言う意味ではもっとも適していると言える形と言える形の物だ。

そして基本である物程作りがシンプルにできている。

だがここに置かれているのはそのシンプルな物を含めて様々なデザインの物が有った。

例えば目の部分の装甲が全く無い物や口の部分だけ無い物、正面の部分がオープンタイプの物そう言ったちょっとだけ変えてる物が置いてある。

しかし、その中でも異彩を放ってる物が有った。

まるでそこだけ前世の工事現場か工場の様な風に見える程に………。


「クァッ!クァアックァ!?(何で!ココに工事現場とかで使うヘルメットが置いてあるんだよ!?)」


「フォル!いきなりどうしたの!?」


「クァ………クァクゥァ………(ごめん………ちょっと受け入れ難い物を見つけて………)」


「………何だか良く分かんないけど気にしなくて良いよ?それで?何に驚いたの?」


「クァ………(コレ………)」


 そう言って俺はそのヘルメットを指差した。

それを見てシアはそのヘルメットを持ち上げて言った。


「ああ、コレかぁ………コレって便利だよね!頭に被れば兜、中を持てば盾に出来て便利だし♪肩に着ければショルダーガードになる♪それにコレで殴れば武器にもなる!本当便利だよね♪」


 何だよ!その便利さ!?コレって工事現場とかで上から物が落ちて来た時に頭を守る為の安全具だよな!?何でそんな何にでも通じる防具扱いなんだよ!?しかも殴るって!?防具ですら無いのかよ!?。


「なんでぇ!騒がしいな!」


「どうしたの?」


 いつの間に戻って来たのか振り返るとメリルと両腕に何か入ってるんじゃ………何て思ってしまう程筋肉質な1人の男が立っていた。

恐らく彼がメリルの言っていた【お父さん】なのだろうけど………疑いたくなる程筋肉質だな。

取り敢えずこの人の名前を【鑑定】を使って見ておこう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ダグラス 性別:男


ダグラス武具店の店主


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 うん………何となくこうなるんじゃないかなと思ってたけどホント碌な情報が出て来ない。

それにしても今気付いたけど個別に知りたいと思う時と全体的に見る時では表示が違うみたいだな。

取り敢えず彼の事は親方と呼ぼう…………。

そうやって密かに親方の事を観察しつつ声に耳を傾けた。


「フォルが防具のヘルメットを見て驚いちゃって………」


「あ〜………そんで装備の事話してたのか」


「なる程なぁ………家だから良いが他の所だと神経質なのもいるからあんまり騒ぎすぎんじゃねぇぞ?」


「は〜い♪」


「んで?武器の修理したいんだって?どれだ?」


「これなんですけど………」


 そう言ってシアは剣を差し出した。


「ふむ…………っ!?」


 シアが渡した剣を見て親方は息を呑む程驚いていた。

そしてそのまま静かになったかと思うといきなり雰囲気が変わった。

シアとメリルも急に変わった親方の気配に尋常じゃない物を感じ取って固まってしまった。

俺もシア達と同じで動く事すら躊躇う程だ。


「メリル………確か嬢ちゃんの武器は2日前にメンテしたんだったよな………」


「う、うん………」


「その日は確か俺は職人会の会合に行ってた日だな………と言う事は。

ラバル!!!こっちに来い!!」


 メリルに何時メンテをしたのか聞いた親方はいきなり人の名前を呼んで来る様に言った。

その声を聞いて奥から1人の細い(親方に比べると)男が気だるそうにしながら出て来た。

彼がラバルと言う男なのだろうか………。

しかし何故彼を読んだのだろうか?。


「何っすか親方?」


「何っすかも何もねぇ!コイツを見ろ!!」


 そう言ってその男の前にシアの剣を突き出した。

すると奥から来た男はその剣を見てこう言った。


「うわぁ………何すかこの剣酷いっすね!どんな使い方したんっすかね?こんな壊れ方する何てよっぽど酷い腕の持ち主っすね!」


「………………………言いたい事はそれだけか?この馬鹿者が!!」


 そう怒鳴りながら親方はその男を殴りつけた。

殴られた男はそのまま倒れ込み殴られた顔を抑えながら親方を睨んだ。


「いきなり何するんっ「何するも何もねぇ!!この剣は2日前にお前がメンテした剣だ!!」……………」


 親方が彼を怒鳴りながら言った瞬間彼はその言葉を理解出来ないのかポカンとした表情で固まったのだった。



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