第25話
「クァ………(終った………)」
「ありがとう♪フォル♡」
結局押し切られてしまった………。
説得も試みたがどれもちゃんとした理由で返された………。
例えば俺は男………ドラゴンだからオスか………どっちでもいいか。
兎に角俺はオス何だから女性であるシアの裸を見るのはダメだと言ったら「フォルなら大丈夫♡」と押し切られ………なら女性であるここの女将をしているメリアに頼んだら?と言ったら「この時間帯はメリアは色々忙しいからこんな事頼めない」と言われた。
ならこの宿に泊まってる他の女性に頼めばと言えば「他の女性が泊まってるか分からないしその人達は知り合いじゃ無いからお願い出来ない」と返された………。
他にも思い付く限りの事を言ったのだがどれもシアを説得するには足りず………それ所か………「この後色々忙しいから早く終わらせたいの………それにこのままじゃ風邪引いちゃうよ………」と言われてはもはやどうする事も出来なかった………。
こうなったらとっとと終わらせる!と流れに身を任せる覚悟を決めて俺は素早くそれでいて優しく丁寧にシアの背中を拭いた。
その甲斐有ってかシアの背中は綺麗になりシアも満足してくれた。
取り敢えず………俺の理性良く持った………。
そしてそれが終った今は再び俺は後ろを向いてシアが着替えが終わるのを待っている所だ。
「着替え終わったからこっち向いても大丈夫だよ♪」
その一言をどれだけ待ちわびたか………その思いで振り向くとそこには今日この日の為にと着飾った美少女が立っていた。
昨日は冒険者としての出で立ちで動き易さを重点に置いたズボンスタイルの服装だったが今のシアが着ているのはまさにデートの為に女の子が着たいと言える服装だった。
上はピンク色のジャケットと白いキャミソールを着ていてキャミソールの裾にはフリルがあしらわれたワンポイントが可愛いらしい服だ。
それに合わせるように下はフリルを何層も掛け合わせた膝丈のスカートでコチラも可愛いらしい感じのお洒落な物だ。
色は赤から裾へ向ってピンク色に変化していくグラデーションのある物だ。
前世で俺はお洒落に詳しく無かったがそれでもこれがとても気合を入れた服装だと分かる位の物だった。
「…………どうかな?フォルとのお出掛けだから少しお洒落しちゃった♡」
「……………………」
「……………えっと……フォル?変かな?………」
「………クァ!?クァ!クァァ!(………は!?そんな事ない!凄く似合ってる!)」
「ホント!良かったぁ♪」
見惚れ過ぎて何も言えなかった所為で不安にさせてしまった………。
それにしてもこの服装はシアに本当に似合ってる。
シアは前世でもかなりの美少女だ。
そんな彼女がこんなお洒落な格好をすればそれは似合わない訳が無い。
そして聞き逃しそうになったがこの服を着てくれた理由が俺と出掛けるからだと言っていた事だ。
本気で嬉しい!前世じゃこんな風に誰かと出掛ける何て家族以外に無かった………。
そんな俺がこの異世界でこんなにも可愛い美少女とこうしていられるのだ。
本当に嬉しくて最高だ!。
「それじゃフォル、片付けたら出掛けよっか♪」
「クァ!(おう!)」
シアは使った桶を持って部屋を出てた。
俺はそれを追い掛ける形でシアの後を飛んでついて行った
そのまま下へ行き受付の前を通って昨日メリアが中庭に出る為に使ったドアを潜り裏庭へと出た。
シアは中庭へ出ると井戸の方へ向かった。
昨日は気付かなかったが井戸の近くにはコンクリートの様な物で固められた場所があり。
そこはどうやら水を使って洗い物等の事をする専用の場所の様でシアはそこで桶の水を捨てた。
この都市には地下に下水道が有り地下深くにその下水を処理する場所が有るとの事だ。
これも初代国王が作ったらしい。
本当に何でも作ってるなぁ………。
それから俺達は中庭から中に入り受付へと向かった。
どうやらこの桶はこの宿の物らしく受付でメリアに返した。
「はい、これあなた達の朝食よ」
「フォルの分も作ってくれたのね!ありがと♪」
「この子だってうちのお客様何だから作るのは当然よ………それで?今日はどうするの?」
「今日はメリルの所に行って私の装備を整備して貰おうと思ってるの。
それとフォルの装備も作って貰う予定よ」
「そう………それにしても随分お洒落じゃない」
「えへへ♪フォルとのお出掛けだから気合い入れちゃった♡」
「気合い入れるのは良いけど気を付けなさいよ?その子がいるとは言えバカはそんなのお構いなし何だから………」
「大丈夫だよ♪何か有ったらフォルが守ってくれるもん♪ね〜フォル♡」
そう言ってシアは俺に抱き着いて来た。
それを見たメリアは呆れた顔をしてため息を付いた………。
「はぁ………本当に気を付けなさいよ?」
「は〜い♪それじゃあ行って来ま〜す♪」
「行ってらっしゃい………はぁ………」
最後に小さくため息を吐き出しながらメリアは俺達を送り出してくれた。
それを背中に受けながら俺は心の中でメリアに謝罪しながらシアと二人で宿を出た。
宿を出て右に歩き都市の入口の所まで来た。
「クァ?クァァクァ?(シア?門の所に来たけど何か用なのか?)」
「ん?違うよ?メリルの所に行くのにこっちを通った方が早いんだ♪鍛冶場とかの工房区画は住居区画の反対側に有るから♪」
へ〜………もしかして騒音とか物を作る時のホコリや振動等の対策の為に区画整理してるのかな?。
………まさかこれも?。
「クァ?クァクゥア?(シア?これってもしかして初代国王が考えた?)」
「うん♪そうだよ♪何でも初代様は物を作る時は夜の暗い中でやったりする場合が有るから音や振動が住む人達の問題になるから間に夜は営業しない商業区画を挟む事で問題にならない様にしたんだって!そのお陰で夜は静かに暮らせるってこの街に住む人達は感謝してるんだよ♪」
やっぱりか………多分だが初代国王はそう言った物を作る職業に関わりの有る人だったのではないだろうか?もしくはその手の問題で悩まされた経験のある人か………そのどちらかだろうと思う。
それにしても色々やり過ぎだろう………そんな事をシアと話しながら移動しているとシアが突然止まり。
「ここがメリルの居る武器屋だよ♪」
と言ってきた。
俺はその言葉に従いその建物を見たのだが思わず固まってしまった………。
何せその建物はかろうじて入り口が分かる程度しか分からない程物に埋まっていたのだった………。
なんと言うか………コレ大丈夫なのか?。
俺は少し不安になった………。




