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第20話


「これで未完成ですか…………完成品はどんなモノに?」


「クァァクァクゥア(完成品は野菜等から取った出汁を使ったり片栗粉と言うトロミを付けるモノを使う事でこれよりも粉っぽさが無くなるから食べ易くなる)」


「フォル長いよ………えっと………野菜、出汁?、片栗粉?、トロミ……粉っぽさ………食べ易い………」


「成程!野菜等の食材から出汁を作りトロミを付ける事で粉っぽさが取れ食べ易くなると!………カタクリコ?と言うのはどう言った物なのでしょうか?」


 少しの情報を与えただけでこれだけの事を理解している。

多分だがおっちゃんはかなり腕の良い料理人なのだろう。

この人だったら色々と作れるかもしれない。

そう思いながら俺は片栗粉の説明と学校の実験で教えられた作り方を教えた。


「成程………カタクリコとはトロミを付ける調味料なのですね。

そしてこれはじゃが芋を潰した後水で洗いその水を放置してカタクリコの成分をチンデンと言う方法で底に集めるとそれを何度か繰り返した後乾燥させると………手間は掛かりますが便利な調味料になりそうですね!フォル殿!宜しければこのカタクリコの作り方を料理ギルドと商人ギルドに登録しませんか?」


 作り方の登録?。

何故そんな事をするのかと疑問に思っていたらその答えを教えてくれた。


「これは画期的な物です。

この調味料を使えば料理の幅が広がります。

しかもこの調味料は製造方法が分からず初代国王が作りたかった料理に記されていたと記録にあります。

これを使えば初代国王様が作ったレシピの一部が作れるかもしれません!。

そして、これをギルドに登録すればその製造方法や出来てるモノを使う場合使用料が貴方に支払われます!。

これは今後貴方にとってとても良い利益をもたらしてくれる筈です。

それと今回教えて頂いたシチューのレシピですがこのレシピもまた大いに利益となります。

これはお金を払ってでも使いたいと思う料理人は多く現れます。

なのでこれも貴方に利益をもたらしてくれる筈です!ですので手続き等は私がお手伝いしますので登録しましょう!?」


 そう言いながら思いっきり詰め寄って来た。

調味料とシチューを教えたたけなのに何故か物凄く興奮している………。

説明によると初代国王(恐らく同郷の人?)がレシピを残しているらしい。

そんでそれには片栗粉が必要な料理が書かれている様だ。

彼にレシピを教えるだけの予定だったのに………何か金になるらしい。

正直………メッチャ有り難い!これから先シアと一緒に冒険者としてやって行くのは確定していた………けれどそれだけじゃ何か有った時に生きて行けないと思っていたのだ………。

例えばシアが依頼を受けて俺かシアが大怪我を負って活動出来なくなり引退しなきゃならなくなった時にどうやって収入を得ようかかんがえていたのだ。

それがこんな形で出来るのならば助かる。

それに他にも料理のレシピは持っている。

それも作ればもしかしたらそれだけで生きて行けるかもしれない………。

まぁ、いざと言う保険なのだが………収入が有るのは嬉しい事だ。

だからこの話は受けようと思う。

………もし、何か有っても俺が何とかすれば良いだけだし。

そう考え俺は返事をした。


「クァ(その話お受けします)」


「お受けします………だそうです」


「そうですか!それでしたら近い内に手続きしましょう!何時ならご都合が宜しいですか?」


 取り敢えず俺とシアは明後日から冒険者ギルドの依頼で洞窟に行かなければならない………それをシアに説明して貰った。


「私達は明後日から冒険者ギルドの依頼でゴブリン討伐に参加する予定で明日はその準備で忙しく依頼の方も何時終わるかは分かりません………なのでこちらに帰って来て時間が出来たらお伺いします」


「…………分かりました………でしたらこのレシピですが家で使わせて貰っても良いですか?」


「クァ♪(良いですよ♪)」


「………………だそうです」


「ありがとう御座います!」


 その後俺達は取り敢えず腹が減っていたのでそのシチューを食べた。

残りは店に来た客に試食と言う形で提供した。

その後コックのおっちゃんはシチューを作り新たに来た客達にお詫びとしてそれを出していた。

その光景を見ながら俺達はシチューを食べて帰る際に料金を払おうとしたのだが「このレシビを教えて貰いその上作るのを許して頂いたのです………ですのでお代は結構です」と断られてしまった。

流石にタダと言うのは気が引けたのでシアと相談して材料費だけは無理やり置いて行った。

その後俺達は宿に戻って来て部屋へと入った。


「本当にゴメンね………まさか他の都市が襲われてる何て思わなかったよ」


 確かに予想外だった………幾ら異世界とは言えここまで危険が多いとは思わなかった。

それにしても気にし過ぎだここは注意しとこう。


「クァ……クァクァァクァ………クァッ!(シア……いい加減に謝るのは止めてくれアレはシアの所為じゃないんだから………じゃないと怒るぞ!)」


「フォル………」


 そうこれに関しては誰が悪いなんて無い。

誰が飯屋に言って調味料等が仕入れ出来なくなってる何て予想出来る?。

誰が他の都市が襲われてる何て考える?。

こんなのは本当に偶然そうなっただけで誰かが悪い訳じゃ無い………もし、悪い奴がいるのだとしたらそれは都市を襲った魔物達だ!。

関係の無い人が悪いとか言うんだったら俺はソイツを怒る!。

そう強い思いを込めて俺はシアに話した。


「クァァ………(だからもう言うな………)」


「…………うん」


 シアは涙を目に溜めながら笑顔を向けてくれた。

さて、それじゃ明日の予定でも話し合おうかな?。

そう言えば……ギルドで言ってたけど俺って装備とか着けられるのかな?。

まぁ着けられ無くても戦うんだけど………。

その為にも寝る前に訓練でもしとこう………。



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